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OGU Special Interview

久松自動車販売株式会社/トランスポートアトミック株式会社 代表取締役社長 久松孝治さん

平成14年に本学経営科学部を卒業し、
現在は自動車販売会社などの社長として活躍されている久松孝治さん。
企業経営に携わる卒業生で組織する大阪学院フェニックス倶楽部の会員として、
学生のキャリア形成支援にも積極的にご協力いただいています。

保険業界を経て経営者の道へ

 大学卒業後は、大手の損害保険会社に就職しました。その理由は、父親が現在の会社を経営していたのですが、その当時はいわゆる町工場のような少人数の規模の会社であり、車のプロ、販売のプロはいたのですが、在庫を必要とせず、利益率の高い商品である保険を扱うプロが少ないと感じており、これからの時代でより必要とされる仕事だと考えたからです。保険会社で経験を積めば積むほど、独立するという選択肢が現実的になってきましたが、学生時代から持ち続けていた社長になるという目標を達成するために、新しく会社を立ち上げていたのでは、その当時の久松自動車と同じほどの規模にするまでに、息が切れてしまうのではないかという思いがありました。そこで、自分なりに築き上げられた土台を活用して、その規模を拡大するという選択肢を選びました。
 保険会社を退職し、現在の会社に入社してからは、他の誰よりも利益を上げることを意識しました。その利益を創業時から会社を支えてきた役員に還元することで、目先のお金よりも将来的に大きな利益を生み出すための礎を築きました。また、社員の個性を生かしながら組織をまとめていくために、誰もが敵わないと思う実績を残すことで、リーダーシップを発揮してきました。

社員の一人ひとりが会社を形作る

 現在は社長として社員を率いる立場にいますが、これは誰よりもこの会社を良くしたい、この業界を変えたいという強い気持ちで働き続けてきたことの結果だと思っています。人間の能力自体にそれほど差はありませんので、どれだけ強い気持ちで特定の分野に取り組むかによって、初めて差が生まれると考えています。社長としての私の役割は、会社を一体のロボットに例えると、社員という一つとして欠かすことのできない歯車が上手くかみ合うようにし、体全体を動かしていくことです。会社には各部位を動かすプロがいますので、私はそこから発信される信号を受け取り、それを集約・整理して正しい方向へ進むことができるようにしています。
 社員には家庭にお金を持ち帰り、それぞれが幸せな生活を送るために、会社として利益を上げることができる働きを求めています。また、会社に対して不満などがあれば、満足できるように自ら変えてほしいと伝えています。何事もできない理由を口にするのではなく、制約された条件下で結果を出すための方法を考え、主体的に動いていくことで会社を形作ることができ、それが社員自身の自己実現にも繋がります。どのようにすれば仕事を通じて社会に貢献できるかを、この会社で学んでもらいたいと思っています。

社員が誇れる全国区の会社をめざして

 今後は、会社を全国区にしていきたいと考えています。現在の業績は、まだ周囲が予測していた範囲を越えてはいないと思うので、その予測を上回ることで久松自動車の名を全国に広めたいです。そして、私を信じてついてきてくれている社員に良い思いをさせたいです。業界としては、衰退の一途を辿ると言われていますので、風が起こるのを待つのではなく、攻めるしか手段はありません。自分達から風を起こして会社を発展させることで、業界を変えていきたいですし、そうすることで社員が誇れる全国区の会社の実現にも繋がると考えています。
 学生の皆さんには、人は自分に越えられない壁には直面しないということを知ってもらいたいです。例えば、就職活動で志望している企業から内定をもらえなかったとしても、次にもっと良い出会いがあり、必ずそのチャンスを掴むことができます。出会いを求め続けることと、自分を信じて挑戦し続けることが大切です。そして、少しでも早くそれぞれの宝の地図を見つけ、今いる場所からそこまでの最短距離を歩むことで、自分だけの最高の宝を手に入れてもらいたいと思います。

【インタビュアー:宮尾友梨、カメラマン:谷口智紀】

久松孝治さん

久松孝治さん プロフィール

大学卒業後、大手の損害保険会社での勤務を経て、久松自動車販売株式会社に入社。後に代表取締役社長に就任する。自動車販売を中心とし、軽自動車から大型トラックまでを取扱うとともに、トラックをメインで扱っている関係により、運送業および倉庫業も営む。自動車事業と物流事業のトータルコンサルタントとして、日々お客様のニーズに対応出来る企業をめざす。趣味は、マリンスポーツ、ゴルフ、テニスなど、スポーツ全般。