TRIZフォーラム: 
TRIZの普及のために、するとよいと考えられる諸活動について (提案)
中川 徹 (大阪学院大学)、2009年4月6日                           
掲載:  2009. 6.16 

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編集ノート (中川徹、2009年 6月16日)

ここに掲載します文は、2009年4月6日夜のメールでTRIZ協会運営会議メンバの皆さんに送ったもので、4月10日の運営会議で自由討論をすることを提案したものです。幸い、運営会議では約1時間の自由討議ができました。TRIZ協会の公式サイトにも掲載していただけるとのことで、[ ] 内だけを追加して、6月6日に再提出しました。TRIZ協会の会員の皆さんにもお考えいただけるのはありがたいことです。また、この提案は最初の趣旨にも書いていますように、TRIZ協会の活動だけでなく、協会外での自由な個別の活動をも含めて、さまざまな可能性を考えることを提案していますので、ここに『TRIZホームページ』にも掲載させていただきます。 なお、各項目で「例」と書いていますのは、他にもいろいろあるだろう と思っているからです。


 

TRIZの普及のために、するとよいと考えられる諸活動について

(自由討論) 問題提起: 中川 徹   2009年 4月 6日

趣旨:

経済状況が厳しさを加え、諸企業でのTRIZの活動が制約され、TRIZの普及にとって大きな難関にさしかかっているものと思われる。
従来、「不況時には方法論の普及活動が沈滞する」というのが通常であった。
TRIZ協会の運営を支えている中核メンバの多くにとっても厳しい時期である。

このような時期にあたって、どのようにしていくのがよいのかについて、できるだけ広く考え、その上で、TRIZ協会としてやっていくとよいこと、TRIZ協会という枠でなくてなんらかの個人的/グループ的活動/個別組織的活動をしていくとよいことを考え、実行していくようにしたい。

例A: 大学教育へのTRIZの浸透

-- いま世界レベルで (ETRIAおよび Altshuller Inst.) 大学でのTRIZ教育を連携して強化していこうという活動が始まっている。
-- 日本のTRIZの大学関係者の連携を作っていくようにしたい。

例B: 公的機関を拠点とした、産学官の連携とTRIZの浸透

-- いくつかの県の組織などで、TRIZの普及を図っている人たちがところどころに存在している。
-- その人たちは、大学/高専やコンサルタントなどの支援を受けているが、多くは孤立、難航している。
-- その人たちの連携を図り、また、サポート側の連携を図って、少しずつ活動を強化できるとよい。
-- そのような活動の実績/事例を作り、発表していくことが、これらの活動に勢いをつける。

例C: 高校、中学などでのTRIZベースの創造性教育の試み

-- これはまだまだできていない。核になるような人をわれわれが見出せていない。
-- 日本創造学会など、この分野に関心を持つ教育関係者が多く集まっているところに、積極的に働き掛けていくことが必要である。(片岡[敏光] さんが従来からそのような活動を一部にしておられる。)
-- また、われわれが実際にこれらの場で試行する機会を見つけ出していき、そのやり方を考えていくべきで あろう。
[-- 昨年のTRIZシンポジウムでの宮西克也さんの発表はこの点で非常に力づけられるものであった。]

例D: TRIZ関連の海外重要書籍、論文などの翻訳・普及の活動

-- 例: Mishra の本 (IT & TRIZ):  翻訳中であるが、担当者 (5人→4人→3人)が多忙で随分遅れている。販売数の目処が立たず、出版社と成約できていない。
-- 例: Darrell Mann の Business & Management の本: 訳者を得られていない。
-- 例: Darrell Mann『Systematic (Software) Innovation』: 翻訳したいと思っているが、時間が取れない。
[いま翻訳グループを立ち上げたところです。ただ、Mishraの本の翻訳プロジェクトとほとんど同じメンバーです。]
-- TRIZCON論文、ETRIA TFC 論文: 中川が精選したものについて、翻訳の許可取得済み、概要を紹介し、リストを作成しているが、バックログが増えている。
(少数のものを、ボランティアの人が翻訳してくれた)
-- これらのものを翻訳し、出版、Web掲載していくと、TRIZの考え方や実践法などを、多くの人たちが理解するようになる。

例E: 政府の「イノベーション政策」などに連携すること

-- いろいろな政策がだされ、いろいろなプロジェクトが動き出そうとしている。
-- これらの動向に注意し、なんらかの手がかりを作ってその中にTRIZを取り入れてもらうようにする。
-- それはTRIZの存在、力量、有効性を知ってもらうことに繋がる。

例F: 海外、特にアジア諸国でのTRIZの興隆と連携すること

-- 特に、韓国、中国、台湾、(イラン、インド、・・・) などでのTRIZに対する注目が大きくなっている。
-- これらの国は、日本でのTRIZの普及・活用のしかたに注目しており、先方から連携を求めてきている。
-- こういったところに、いいモデル (TRIZの理解のしかた、実践のしかた、実践の事例など) を示すことが大事。モデルを示すと先方からのアクセスが増える。

例G: 企業内での地道な活動

--
[この点は沢山の人たちが実践しておられるから、私がここに書くよりも、その人たちの提案をお聞きしたい。]

例H: Webサイトの活用

-- TRIZ協会公式サイトの活性化。
協会の活動をもっと迅速、積極的に広報すること。TRIZシンポジウムの発表スライドなどをもっと迅速に公表すること。
-- 「公式」でない多くの記事を、「公共Webサイト」へ掲載。
『TRIZホームページ』などを「公共Webサイト」として育てていくとよい。

その他にも、みなさんのご意見をお寄せいただけるとよいと思っています。


追記 (中川 徹、2009年6月16日)

上記に「例」として挙げた項目は、いままで「懸案」となっていたものばかりです。4月以後少しずつ動き出している事項もあります。また、懸案のままの事項もあります。

TRIZ協会の会員の皆さん、本ホームページの読者の皆さんもまた、いろいろな活動をしておられ、いろいろな提案をお持ちでしょうから、ぜひ、TRIZ協会 (info@triz-japan.org) あるいは中川まで、ご連絡、ご提案いただけますと幸いです。

具体的には、つぎの二つのことをお願いしたいと思っています。

(A) 上記の諸活動について、ご協力いただけますなら、ぜひご連絡ください。なお、(最近更新できていませんが、「To Do List for TRIZ」のページ も参照下さい。)

(B) 9月の第5回TRIZシンポジウムでは、朝夕に「自由&グループ討論」の時間を5回設けています。上記のような課題、あるいはその他のテーマで、グループ討論を行なうと有益でないかと思います。グループの世話役をして下さる方はないでしょうか?

 

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最終更新日 : 2009. 6.16    連絡先: 中川 徹  nakagawa@ogu.ac.jp