TRIZフォーラム: 
東日本大震災 (地震、津波、原発事故) と 今後

参考資料とノート、関連記事

責任編集: 中川 徹(大阪学院大学)

掲載:2011. 5.19; 6.15;  2013. 9.20

=> 東日本大震災(地震、津波、原発事故) について (親ページ)

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  編集ノート (中川 徹、2011年 5月17日)

東日本大震災のからの復興のために、私たちが知るべきこと、学ばねばならないこと、考えねばならないこと、提案すべきこと、伝えるべきことが、一杯あります。情報が氾濫しているようでいて、本当の情報が少ない、手に入らない、分かりやすく整理されていない。いままでによく学んでおくべきだったことで、おろそかにしてきたことも一杯あり、遅ればせながら学び始めたこともあります。考えねばならないことがあまりにも膨大で、何からどう手をつけるとよいのか、途方に暮れます。海外の人たちの日本に対する不安感を払拭するためにも、正確な情報と見識を持っている必要があります。これらのさまざまなことに対応するために、自分なりに集めた情報源をここにまとめ、自分なりのノートを作ろうと思いました。いろいろ参考になる情報がありましたら、教えて下さい。また、ご意見、提言がありましたらお寄せ下さい。

(追記: 中川 徹 5月18日) 英文ページを作るにあたってWeb情報を調べておりましたところ、経済産業省の英文サイトに スライド48枚のレポート「Japan’s Challenges Concerning the Domestic and International Implications of Fukushima Dai-ichi Nuclear Power Station」 を見つけました。日本語訳がなく、日本語サイトにはなにも言及していないのですが、総合的に事実を記述し、丁寧に分かりやすく書いた優れたレポートです。英文ページはそれを中心に記述しました。国内の皆さんにもお薦めします。

(追記: 中川 徹 2013年9月20日) 2年間このページを更新していませんでした。私はこの間に随分多くのシンポジウムなどに出席して、いろいろと学び、人脈を作ろうとしてきておりますが、自分できちんと書いたものを持っておりません。大河雅奈さんの論説、山口栄一先生の記事など、関連するページへのリンクを張っておきます。

東日本大震災と今後を考える(全般)

  *  地震とその被害

  *  津波とその被害

  *  福島原子力発電所事故

      - 放射能汚染

      - 原子力発電とその問題

  * 社会生活 (避難、電力事情)

  * エネルギー、環境、技術

  * 提言のために

 

本ページの先頭 大震災全般 地震 津波 福島原発事故 放射能汚染 原発とその問題 社会生活 エネルギー、環境、技術 提言のために   大震災親ページ   英文ページ

 


東日本大震災 (全般)

  「東日本大震災への対応 〜首相官邸災害対策ページ」: http://www.kantei.go.jp/saigai/index.html
日本政府の公式発表。いろいろな公式情報への窓口。

  『緊急復刊 アサヒグラフ 東北関東大震災 全記録』(週間朝日臨時増刊)、朝日新聞出版、(2011. 3.30号) (2011. 3.23 発売) 500円。-- 地震と津波の被害の凄まじさが、大きな誌面一杯の鮮明な写真で記録されている。-- 海外100余名に送った。翻訳しないでも伝わる。

東日本大震災(東北地方太平洋沖地震) 災害関連情報 特設サイト Googlehttp://www.google.co.jp/intl/ja/crisisresponse/japanquake2011.html
震災直後から、安否確認情報、被災地向け生活情報、交通情報、その他震災と救援関連の情報を掲載し、非常に役立った。-- 現在はその任務の山を越している。

東日本大震災について、海外読者(多数)からのメッセージと中川のメッセージ (「親ページ」)

地震とその被害

地震調査研究推進本部 (文部科学省) ホームページ  「地震に関する評価」 http://www.jishin.go.jp/main/p_hyoka.htm
毎月の地震活動の評価、主な地震活動の評価 (2011年の主な地震活動の評価など)、長期評価 など。

  今回の地震と一連の余震の詳細記録  (株) IAUサイト  http://www.iau.jp/20110311sanrikujishin.htm
-- (株)IAU は建築家 北村二郎氏の会社で、住宅等のための免震基盤を開発している。地震情報が極めて詳しい。 関連地震の考察もある。各種地震波での免震特性を実証的に示している。

津波とその被害

震災の前・後の詳細衛星写真 Google が発表 (2011. 3.13 ネット掲載) http://goo.gl/j7qDU 。 詳細な衛星写真 (家屋が鮮明に分かるレベル) で、震災前 と 震災後の同一場所の写真。岩手、宮城、福島の沿岸 計115枚。

上記写真を重ねて表示し、カーソルを横に動かすと前の写真が後の写真に切り替わっていくもの。オーストラリア放送 (ABC) のサイトに掲載。作成: Andrew Kesper。http://www.abc.net.au/news/events/japan-quake-2011/beforeafter.htm
-- 日本語のGoogleサイトでも同様のものを3月に見たが、所在不明。

「津波浸水域 地図情報」  東京大学 生産技術研究所 沢田・竹内研究室  http://stlab.iis.u-tokyo.ac.jp/eq_data/
国土地理院オルソ航空写真より作成した東北地方震災,投影変換済PNG, KMLファイル,津波到達(浸水域)判読ライン。

福島原子力発電所事故

「福島第一原子力発電所について−原子力発電所の現在の状況について−」、経済産業省ホームページ、http://www.meti.go.jp/earthquake/nuclear/release.html
原発の監督官庁である経産省のページ。原子力安全・保安院の発表や東電の提出資料などもある。毎日の情報 (記者会見資料など) が蓄積されている。

国際原子力委員会 (International Atomic Energy Agency、IAEA) ホームページ (英語) http://www.iaea.org/
同 福島原発問題常時更新ページ: http://www.iaea.org/newscenter/news/tsunamiupdate01.html
国際機関としてこの分野に責任を持つ。福島原発の各号機の状況、原発の放射能汚染などの情報のまとめ。

  Benjamin Monreal 教授 (米国UCSB 物理学科) の講演 (3/16) 「How Bad is the Reactor Meltdown in Japan?」 http://online.itp.ucsb.edu/online/plecture/bmonreal11/
英文スライド および 講演の動画。
同上の和訳 (理研などの素粒子研究グループによる正式の訳) 和訳スライド と コメント。 http://ribf.riken.jp/~koji/jishin/
講演は物理と工学の立場から、非常に明快に説明しています。これは3/16という早い段階での講演ですが、本質的なことがよく分かります。

経済産業省の英文レポート: "Japan’s Challenges Concerning the Domestic and International Implications of Fukushima Dai-ichi Nuclear Power Station", Ministry of Economy, Trade and Industry (METI), May 12, 2011.  経済産業省のホームページに英文で掲載されている。 http://www.meti.go.jp/english/earthquake/nuclear/japan-challenges/index.html  また、PDF (47スライド、 2.6 MB) .  事故の状況、その後の原子炉の状況、放射能汚染の現状、その対策、などが、海外向けに、分かりやすく丁寧に書かれている。(本サイトの英文ページには、この文書の目次を紹介した。) 対応する国内版があるとよいと思う。

 「東電原発事故の本質 ― JR福知山線事故との精神的類似性―」、山口栄一 (同志社大学)(FUKUSHIMAプロジェクト)、東京大学学生キリスト教青年会『會報』、2013年8月6日、『TRIZホームページ』再掲載 (2013. 9.20)

 

  放射能汚染

「放射線モニタリングデータ」 (首相官邸のホームページ)  http://www.kantei.go.jp/saigai/monitoring/index.html
自動車による地上測定データ、福島原発の周辺80km圏。文部科学省のデータによる。毎日測定更新。地図は分かりやすい。

  放射能汚染状況の広域測定結果 (文部科学省と米国エネルギー省による航空機モニタリングの測定結果)。文科省公式発表 (2011. 5. 6) http://www.mext.go.jp/a_menu/saigaijohou/syousai/1305818.htm
4/6〜29に航空機で実測。60km圏内を米国機、60〜80km圏を文科省が測定。地表面から1m のところの線量、および地表蓄積量の広域分布を実測したもの。

米国エネルギー省による日本での放射能モニタリングの測定結果。DOEのホームページ。"The Situation in Japan": http://blog.energy.gov/content/situation-japan/
米国が日本国内で飛行機、ヘリコプター、地上観測などで観測したデータを 3/22以来定常的に掲載し、その時間的変化を公表している。発表データは、3/22、3/25、3/29、4/4、4/7、4/18、4/22、5/6、5/13。このうち、5/6のデータは上記の文部科学省のものと同じ。「3/19の測定開始以後、放射能は減衰しており、新しく放射性物質が放出されていない」というのが、5/6現在の結論。

「東日本大震災関連情報(水道・食品関係)」 (厚生労働省のホームページ) http://www.mhlw.go.jp/stf/houdou/2r98520000016378.html
水道および食品に関する出荷規制など。

「全国の放射能濃度一覧」 (公的情報を図示、グラフ化したもの) : http://atmc.jp/
非営利の個人によるサービス。非常に分かりやすい。全国の空間放射線濃度、水道、雨、食物の放射能。福島の放射能の詳細情報。福島原発の詳細計測情報 (東電、原子力安全・保安院の情報)。など。公的情報が更新されるたびに更新されている。3月下旬からの情報がグラフ化されている。

(財) 放射線影響研究所 (略称: 放影研、RERF) のホームページ (従来) http://www.rerf.or.jp/index_ja.html
同研究所の
福島原発事故対応のための新版ホームページ:   http://www.rerf.or.jp/index_j.html
広島・長崎の原爆以来の医学・疫学的研究のセンタ。日米共同研究機構。解説パンフレット 「わかりやすい放射線と健康の科学」など。

原子力発電とその問題

   『原子力発電がよくわかる本』 、榎本聰明著、オーム社 (2009年 3月)  1800円+税。著者は 2002〜2009年に東京電力の取締役副社長(原子力本部長)。原子力発電についての目的、しくみ、安全性 (従来事故例)、リサイクル、廃棄物処理、などを、一般人向けにわかりやすく書いている。-- 基本的なことをまず学ぶのによい [私は最近、まずこれで学んだ]。今回の福島原発事故の経過を考えながら、いままでの「安全性」の考え方のどこに欠陥があるのかを自分で考えていくと興味深い。-- (2011. 5.25 追記 ) この本には、地震に対する安全性が全く触れられていない。ましてや、津波などまったく記述されていない。地震など外部起因で機器などに損傷が起こる場合 (確率pとする)には、多数のものに全面的に損傷が起こることを考慮せず、独立事象の確率の積 (pのn乗) として危険を過少評価している。

    『新版 原発のどこが危険か -世界の事故と福島原発』 、桜井淳著、朝日新聞出版 (2011年 4月25日) 1300円+税。元となっているのは、『原発のどこが危険か -世界の事故を検証する』、桜井淳著、朝日選書 (1995年2月)。元の本体に、グラビアと福島原発に関するあとがきが付加された。著者は、日本原子力研究所および原子力安全解析所にて、炉心核計算や原子炉物理実験、原子炉安全解析に携わった物理学者である。1988年以後、国内の事故例を詳細に調査し、海外の事故例も実地調査 (特に旧ソ連、東欧) と文献調査を詳細に行って、本書(原著) を記述している。-- 特に、原著まえがきで、「ステーションプラックアウト (全交流停電) にポイントを置いて、問題の深刻さをはじめてわかりやすくまとめることができた」 と述べている。実証的な技術論である。(今回の) あとがきにおいて、「放出された放射能の量やその後の人的な被害はもちろんチェルノブイリの方が深刻である。.. しかし、世界の原子力政策に与える衝撃という点では、福島のほうが遥かに上回る。」と記している。

    『東電・福島第1原発事故 備忘録 - 原子力利権とCO2地球温暖化説が日本を壊滅させた』、近藤邦明著、不知火書房 (2011年4月) 1500円+税。著者は技術者、現在自営業、ホームページ『「環境問題」を考える』を主宰。震災直後 3月11日〜4月4日にホームページに書き留めたホームページの連載記事を収録したもの。-- 原子力発電全体が要らないという立場からの主張。

『 原発事故 残留汚染の危険性 われわれの健康は守られるのか』、武田邦彦著、朝日新聞出版 (2011年4月30日)、1000円+税。-- 著者は自分の立場を、「安全な原子力推進派」であり、言い換えると「不安全な原子力反対派」と述べている。本来、震度6の地震、高さ10mの津波には十分耐える設計をしておかなければならなかったのだという。事故後1週間の放射能のデータから、汚染状況を試算し、福島市なども含めて法律が規定する「放射能管理区域」に指定するべきであるという。

  『原子炉時限爆弾 - 大地震におびえる日本列島』広瀬 隆 著、ダイアモンド社 (2010年8月26日)、1500円+税。-- 著者は技術者出身で、スリーマイル島原発事故以後、原発問題(他) を継続的に取り上げているジャーナリスト。本書は、日本の原子力発電所のすべてが、大地震に耐えられないことを論じている。大震源域や周辺の活断層を無視して(過少評価して) 立地され、強固でない地盤上に建てられ、設計基準で想定している地震動が各地の実測例 (から推定された88値) よりも低いことを論証している。その根本が、(今は広く認められている) プレートテクトニクスの地震学より以前の考え方で1960年代に設計がスタートし、国の設計基準そのものが遅れている。原子炉は配管の損傷や電力、制御の喪失などで、暴走・爆発する危険があると論じる。東海大地震の可能性が高いいま(2010年8月)、まず浜岡原発を止めよ、という。また、放射性廃棄物の処理で行き詰まっているのだから、原子力発電そのものが破綻していると論じている。-- 原発廃止運動の経験をベースに、政府や電力会社などの対応をも分析・批判しており、参考になる点も多い。(2011. 5.25)

『原発崩壊 増補版 想定されていた福島原発事故』、明石昇二郎 著、(株)金曜日 (2007年11月 初版)、(2011年5月10日増補版)、1500円+税。-- 著者は、1962年、東京都出身のルポライター。2007年7月16日の新潟県中越沖地震による東京電力柏崎刈羽原発の火災事故を検証する形で初版が出版されている。周辺にある活断層について、建設前に東電が意図的に (断層が切れ切れで連動することはないとみなして) 過少評価し、それに応じて低い耐震強度で設計し、それを国の審査が容認してきていることを示している。同様のことは中国電力の島根原発でも、中部電力の浜岡原発でもあるという。地震に伴って、原発が停止・冷却に失敗し大きな事故を起こす「原発震災」の危険性を具体的に指摘している。特に、東海地震により浜岡原発が事故を起こした場合を想定して、「シミュレーション・ノンフィクション」として記述している。福島の事故よりも遥かに甚大な被害が想定される。昨年来の世界的な「原発輸出競争」とその中での日本政府、経産省の動きについての記述も興味深い。2011. 6.15)

社会生活 (避難、電力事情)

 

エネルギー、環境、技術

 

提言のために

 「がんばれ日本!日科技連版 復興構想会議」  日科技連の提言募集サイト    http://www.juse.or.jp/about/676/
東日本大震災の復興課題に向けた技術者・設計者の提言・アイデアを募集。東大 濱口哲也教授の趣旨提案あり。

 「日本における科学者の責任論の議論の系譜とその課題: 省察に注目した解決策の考察」、大河 雅奈 (北陸先端大)、第3回知識共創フォーラム、2013年 3月2−3日、東京;『TRIZホームページ』掲載  (2013. 8. 4)

 

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最終更新日 : 2013. 9.20    連絡先: 中川 徹  nakagawa@ogu.ac.jp