TRIZフォーラム: 読者の声
読者の声 (2015年 5月〜8月)

長谷川陽一(神奈川県在住)、中川 徹

責任編集: 中川 徹(大阪学院大学)

「読者の声」ページの索引ページも参照下さい

掲載: 2015. 9.17

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  編集ノート (中川 徹、2015年 9月14日)

読者の皆様から折に触れていただいた感想・ご意見を、まとめて掲載させていただいているページです。いろいろと慌ただしくしていて、気がついたら4月末からこのページを掲載できていませんでした。今回このページに掲載している主要なものは次のようです。

・ 6月26日付の『TRIZホームページ』更新案内(メルマガ)に書きました、中川のUSIT紹介の文。
・ 長谷川陽一さんからたびたびいただきましたメール。TOC・リーンとTRIZ、CrePSの理解、TOCと「思考の世界」など。それぞれに深い論点があります。

なお、この他に、Sichafus博士の論文についてのQ&A(メール30編、英文ページ)、片平彰裕さんの「札寄せ]ツールの例示と議論、海外とのメールなどを掲載しました。読者の声の索引ページを参照ください。

また、Altshuller Instituteの新しい活動のための議論、TRIZ Journal の復活に伴うサポートなどいろいろありますが、まだ公表する時期にはありません。

 

本ページの先頭

更新2015. 5.25 USITマニュアル

更新2015. 6.26 USITの紹介(メルマガ、中川 徹) 更新2015. 7. 7 「札寄せ]ツール

長谷川陽一 (TOCなど)

更新2015. 8.25  Sickafus論文の見える化     「読者の声」索引ページ  英文ページ

 


   『TRIZホームページ』更新(2015. 4.25 付け) 

出版案内:『TRIZ 実践と効用』シリーズをAmazonマーケットプレースにも、製本版(のみ)を出店、読者の声(2015年1月〜4月)

 


   『TRIZホームページ』更新(2015. 5.25 付け) 

USITマニュアル (「6箱方式」による創造的な問題解決の一貫プロセス)(中川 徹)、 USIT適用事例集(適用事例1〜5) (中川 徹)、USITプロセスの全体資料(索引)(中川 徹)

 


   『TRIZホームページ』更新(2015. 6.19 付け) 

ニュース: The TRIZ Journal (『TRIZ ジャーナル』) が復活し掲載開始。

注: 中川の「CrePSのビジョン」の論文(ETRIA TFC 2013) が、TRIZ Journalの巻頭に再掲載されました。鯉のぼりの写真も。


   『TRIZホームページ』更新(2015. 6.26 付け) 

英文ページに掲載: USITマニュアル (「6箱方式」による創造的な問題解決の一貫プロセス)(中川 徹)、 USIT適用事例集(適用事例1〜5) (中川 徹)、USITプロセスの全体資料(索引)(中川 徹)

 

この回の『TRIZホームページ』更新案内(メルマガ) に書きました紹介文をここに掲載いたします。

今回の更新は、先月25日に和文で掲載しました USITの紹介資料 一式をすべて英訳して、英文ページに掲載したものです。 ----------

この 「USIT(ユーシット)」は、私たちが何らかの問題に直面して、それをできるだけきちんと、そして新しく、解決したいときに、たどるとよい「考えるプロセス」を明示したものです。  

それは、次のような「6箱の情報」を考え/創ることを薦めます。

第1箱:「問題の状況」を、現実の世界で認識する。       
(例えば企業での、製品の問題など)

第2箱:「解くべき問題」を、現実の世界で明確にし、考える世界(すなわち、USITでの問題解決プロセス)に渡す。

「解くべき問題を明確にする」とは、具体的には、つぎの情報をきちんと書き出すことです。
「何が困ることか、何をしたいのか、関わっているものは何か、問題のメカニズムを図に描け、何が問題の根本原因か?」

第3箱:「現在のシステムの理解」と「理想のシステムのイメージ」 を考える/つくる。   

ここで「システム」と言っているのは、互いに関連を持って 作用しあっている(問題の)系のことです。

「現在のシステムの理解」には、つぎの側面から考えます。
・ 空間(場所、部分など)での特徴、   
・ 時間の変化に関係する特徴、  
・ 構成要素(部品・もの)の間の作用・働き(機能)の関係、   
・ これらに関わる構成要素の性質   
・ 以上を総合して、現在のシステムの本来のメカニズムと問題が生じるメカニズム(原因)の理解  

「理想のシステムのイメージ」というのは、問題が解決して「システムがこのようにあって欲しい」という姿、ゴール(目標)のことです。
理想に到達する方法はまだ分かりませんが、到達した理想の結果をイメージする、認識する必要があります。   

大事なことは、現在のシステムの理解と理想のシステムのイメージの両方を持つことです。片方だけではうまくありません。

第4箱:「新しいシステムのための(核になる)アイデア」   

これは、現在のシステムのどこをどう変えればよいのか、理想のシステムになるためには何をどう作ればよいのか、ということの、中核になる(解決策の)アイデアです。  
(従来の諸方法でいう「ヒントを与える素材」ではなく、「素材から得た示唆」でもありません。
もっと進んだ段階での、「こうすればよいんだ」という明確なアイデアのことを言っています。)

USITでは、第3箱の情報の理解をきちんと作ると、この第4箱のアイデアは、「自然と、自ずから」出てくるものです。   
(従来の諸方法は、第3箱を飛ばして、いろいろなヒントを探したり、いろいろな種類の「アイデアを直接出す方法」 を試みたりします。)
USIT には(TRIZの諸技法を整理して得た)沢山の「アイデアを出す方法」があります。     しかし実際には、それらを取り立てて使うまでもなく、「第3箱の理解」を進めている中で、自然と「第4箱のアイデア」が出てくるものです。   

また、沢山のアイデアが出ますから、それらをグループ化して、「アイデアの体系」を考えることも大事です。

第5箱:「解決策のコンセプト」を作り上げる   

第4箱のアイデア(のいくつか)を取り入れて、「きっとこれで解決するはずだ」という案を作ります。
この案を作るのには、やはりその分野での素養・見識が必要 です。   
第4箱のアイデアは素人でも思いつくことができるでしょうが、この第5箱の解決策は、素人だけでは作れません。素人だけで発明ができないのはこの段階に進めないからです。

この「解決策のコンセプト」が、USITの「考えるプロセス」のゴールです。この結果を最初の「現実の世界」の担当者に戻します。

第6箱:「現実の世界で実現させた解決策、新システム」   

第5箱は、(よく練ったものであっても)まだ「考えた結果」であり、そのままで実現できるわけではありません。
いろいろと実験をして、問題を解決し、最適なもの、市場で受け入れられるもの(「第6箱」)にする必要があります。    
それは、大抵、企業活動として全力で取り組まないといけないものでしょう。

以上のように、「6箱の情報を作っていく」のが、  USITの「6箱方式」という「創造的な問題解決の基本方式」です。  

この方式は非常に一般的ですから、TRIZの諸方法を始め、さまざまな問題解決技法、創造性技法をも取り込んで、この枠組みで説明・記述することができます。

この一般化した方法論をCrePS(クレプス)と名付けました。  
USITは、CrePSを実践する簡潔で一貫したプロセスなのです。

以下に、ホームページに掲載したUSIT資料一式をまとめておきます。

USIT: 「6箱方式」による創造的な問題解決の一貫プロセス」 (中川 徹、2015. 5.25和文、2015. 6.26 英文)

[1] USIT プロセスの全体資料(索引ページ)
[2] USITマニュアル (スライド形式 31枚)
[3] USIT適用事例集 (各編 USITマニュアルに対応)  
(1) 事例1. 裁縫で短くなった糸を止める方法   
(2) 事例2. ホッチキスの針を潰れなくする問題  
(3) 事例3. 水洗トイレを節水化する問題
(4) 事例4. 額縁掛けの問題  
(5) 事例5. 発泡樹脂シートの発泡倍率を増大させる   
[4] USIT オペレータ体系 (中川・古謝秀明・三原祐治(2002))
[5] USIT 主要文献リスト

「できるだけ皆さんに分かっていいただけるように」と思ってこのメールを書き始めましたところ、 「TRIZ/USITを研究して18年間」のまとめになりました。 本当に徐々にしか進展していない、それでもともかくここまで来た、と独りで思っております。  
『TRIZホームページ』の資料をご活用いただけますと幸いです。    

  長谷川陽一 ==> 中川 徹   2015. 6.29    USIT/CrePSについて

中川先生   長谷川です。

>「できるだけ皆さんに分かっていただけるように」と思って このメールを書き始めましたところ、 「TRIZ/USITを研究して18年間」のまとめになりました。

ありがとうございます。

・  一本道のフローになっている
・  I-TRIZが隠してノウハウにしている所を公開している
・  独特の用語や外国語を 極力使わずに 解説されている

という とても (特に日本人にとって)役立つ まとめだと思います。

>大事なことは、現在のシステムの理解と理想のシステムのイメージの両方を持つことです。片方だけでは うまくありません。

この第3箱のうち 「現在のシステムの理解」までは、 既存の「システム思考」も その重要性を訴えていますね。 「システム思考」すら 世の中で常識化していませんので、 「理想のシステムのイメージも持つのがいい」というUSITの常識化までは 距離があるということですね。

「システム思考」を推している人たちと 意見交換したくなりました。


   『TRIZホームページ』更新(2015. 7. 7 付け)追加(2015. 7.19 付け) 

「札寄せ」しながら考える〜新幹線焼身自殺 [放火] 事件を例に (片平彰裕、中川 徹; 長谷川陽一、日野克重、高山直彦、中川 徹 )

注: これは、片平彰裕さんが作成された「札寄せツール」について、その使用例を作っていただきたいという中川からの要請に応じて、片平さんがどんどん作って行ってくださったものです。メールでのやりとりと応用例の展開については、この記事のなかに記述しています。

 


   『TRIZホームページ』更新(2015. 7.29 付け)

夢想ヒューリスティックスを用いた潜在意識問題解決 (Ed Sickafus、訳:高原利生・古謝秀明・中川 徹)、 「札寄せ」しながら考える (2) 〜(短い)文章全体を「札寄せ」で図示する (中川 徹、片平彰裕)

  長谷川陽一 さん ==> 中川 徹   2015. 8.19   TOC と TRIZ

「リーン と TRIZ のソリが合わない」問題を解決する <ソリューション>が見えてきました。

そして、TOCを 今回 再学習した過程で、 ”リーン”という言葉が発するイメージが 誤解を生む ことに気づきました。

フォード → トヨタの大野耐一 → ゴールドラット 各氏の狙いは あくまで 「スループット(∝価値あるモノ・情報の流速)の増大」 であって、
そのために ”工程内仕掛かり在庫減、完成品在庫減、店頭在庫減” を行う。
その結果、副次的効果として  
      ・”在庫費用減によるコストダウン”
      ・納期遵守率の向上(で得た信頼で 販売増)
      ・リードタイム減(で得た即応力で 販売増) が得られる、
という考え方です。

”リーン”という言葉は ”在庫減によるコストダウン”という部分しか表現できておらず、 本来の「スループット」ワールドのイメージを表せていません。

これでは、 TOCと同じく 弁証法で「スループット」ワールドに属する TRIZと ”リーン”の相性が良くなくなるのは 当然です。

※最近 私は、 TRIZと品質工学(MT法は今のところ除く)の融合にも注力しました。

品質工学の長谷部光雄さんの本を読んだところ、 長谷部さんが 古謝さんのサブプロセス分解の考え方を持っていること に気づきました。

長谷部さんと古謝さんの共通認識は
   ・システムは サブシステムからなる。
   ・システムは 入力 → はたらき/機能 → 出力 といえる。
であり、
古謝さんが その補足説明として 
    ・あるサブシステム/サブプロセスの出力(の一部)が、 次のサブシステム/サブプロセスの入力になる。 これ即ち 現象の流れ/因果連鎖。
と かねがね 訴えてらっしゃいます。

以上に記しましたことは、
   * システムの概念
   * 機能(-手段連鎖)の概念
   * 原因-結果連鎖の概念
を統合する説明として スッキリしていると思います。

そして、上の概念イメージを頭に置いた上で 「制御できないノイズ(内乱や外乱、経時劣化を含む) による システムの出力のバラツキを抑えたい。 そのためには・・・」 と考えれば、 品質工学の二段階設計(機能性評価〜パラメーター設計)の思想が スンナリと頭に入るのでは?? と思うようになりました。

CrePS = TOC・トヨタTPS +現代最先端TRIZ (I-TRIZ, USIT, 6箱含む) +品質工学 + ・・・
だと思いますので、 イチ早く 先生へ お知らせしました。 お時間のある時に ご感想をお聞かせいただけますと うれしいです。

  中川 徹 ==> 長谷川陽一 さん 2015. 8.19   CrePSについて

久しぶりにメールをいただき、ありがとうございます。

「リーン」ということばが、本来の目的の一部しか表していないことが 問題を生じさせている、というのは、そのとおりなのでしょうね。 思想の全体が伝わって行かないというのは、自分たち自身に とっても注意すべきことと思いました。

CrePS = TOC・トヨタTPS +現代最先端TRIZ (I-TRIZ, USIT, 6箱含む) +品質工 学 + ・・・
だと思いますので、

というのは、そのとおりです。

Darrell Mann の「Systematic Innovation」という概念(2002年の教科書)が、 私の思っているCrePSのカバーすべき範囲と最も近いものと思います。 Mann の教科書の 図22.2 を見てください。 Mann は最近もっと多くの技法をカバーした図を作っています。

こういった諸方法を自分でもっと勉強し理解しなければいけないと 思いながら、なかなか時間を取れていません。 きっと長谷川陽一さんが一番真剣に諸技法を (統合するという観点から)学んでおられるでしょう。

Mannは、統合の中心にTRIZを置くのが良いというのですが、それは具体的にどういうことなのか、Mannの2002年の教科書が本当にその原型になるのかが、明確でありません。

中川がCrePSで言っているのは、諸技法もその中核には、「思考の世界での問題解決」を含む。 そしてその中核部分の共通骨格になるのが「6箱方式」である。 ただ、諸技法は、「現実の世界」での「問題のとらえ方」 (何を目的にして、どんな種類の問題を解決したいのか)が (相互に重複しながら少しずつ)異なっている。

これらの「現実の世界での問題のとらえ方」をきちんと記述し、分類を考え、それぞれの技法の思考の世界を「6箱方式」で 位置づけていくことが必要なのだ、と考えています。 中川一人ではできませんから、各技法の専門家と一緒に 研究していく必要があると思っています。

とりいそぎの返事です。 こういった議論を『TRIZホームページ』に掲載させていただけると 有益だろうと思います。
残暑の折柄、ご自愛のうえ、ご活躍ください。

  長谷川陽一 さん ==> 中川 徹   2015. 8.20     TOC と カイゼンの5ステップ

少し 暑さも和らいできましたね。 もうすぐTRIZシンポでお会いできるのを楽しみにしています!

いただいたメール内容で 1点 気になる所がありました。

> 諸技法もその中核には、 「思考の世界での問題解決」を含む。

”技法”を どう定義するかにもよりますが、 仮に TOC全体も”技法”だとすると、 TOCの ”(少なくとも生産現場における)ドラム−バッファ−ロープDBR”は 「思考の世界での問題解決」を含まないのでは? と 私は思います。

(”生産現場のDBR”は <流れをスムーズに!>と言っているだけのようなもので、具体的な手順は 次の【カイゼンの5ステップ】です。     

1.  流れが最も詰まる所[制約工程・ネック工程] を見つけて、      
2.  そのネック工程で手空きのムダが起きないようにして フル稼働させ、
3.  ネック工程での加工等処理速度以上に 前工程からタスクを送り込んでも どうせ処理できず 仕掛かり在庫の山ができるだけなので、ネック工程のタスク処理速度に 前工程から送り込むタスク速度を合わせる。
4.  お金をかけてでも ネックを解消する ・ネック工程のタスク処理能力を上げる。     
5.  すると ネックの位置が他工程へ移動するので、1.に戻って更にカイゼン。   

この5ステップのどこが「思考の世界(での問題解決)」に該当するか、すぐに答えられません。 第一勘、ないのでは??という気がします。)

ちなみに 私は、上記【カイゼンの5ステップ】は非常にパワフルで、 生産現場の流れをスムーズにするという用途以外でも 活用できると感じています。

(*実際、TOCのゴールドラット博士は生産した後の物流 [工場倉庫〜卸売店倉庫〜小売店倉庫〜小売店陳列] にも DBRと【カイゼンの5ステップ】を適用して 大成功を収めています。
* 博士は、プロジェクトのワークフローにもDBRを適用し、プロジェクトならではの問題に対する工夫を加えて CCPMと名づけました。 )

ですので、  「まずはDBRでどこまでいけるかやってみてから、困った所で弁証法を使う」 というのが 一般社会に受け入れやすい手順では? と思っています。 いかがでしょうか?

  中川 徹 ==> 長谷川陽一 さん 2015. 8.20

長谷川さん、 「思考の世界の問題解決」 について、”生産現場のDBR”の例では、その第4ステップで、

4. お金をかけてでも ネックを解消する ・ ネック工程のタスク処理 能力を上げる。

ここで「ネックを解消するにはどうすればよいのか」 はきちんと考えるべきこと (現場の人たちは実際に考えてい ること) だと思います。
すぐに解決策が分かるほどなら、もっと前からやっていればよいのですし、「お金をどのようにかけるのか」だっていろいろな解決策を 考えたうえで判断すべきことです。
本当にこれがネックになっているなら、その周辺をも含めて、「思考の世界での問題解決」が必要であり、有効なのだと 思います。

  長谷川陽一 さん ==> 中川 徹   2015. 8.20   

いただいたコメントのおかげさまで、気づき@〜Bを得られました。

あらためて TOCの【カイゼンの5ステップ】を掲げます。

1. ネック工程を発見
2. ネック工程の処理能力をフル活用 ※お金をかけずに(例.手空きのムダを防止)
3. ネック工程のリソース[設備,モノ,ヒト,カネ]を保護する。 他工程をネック工程に従属させる。
4. ネック工程の処理能力[リソース]を増強。 ※お金をかけてでも
5. ネック工程がどこへ移動したかを探す。 1へ戻る。 ※ネックが自分の管轄範囲外 たとえば市場(需要)に移ることもある。

まず、
@ TOCの 【[流れの]カイゼンの5ステップ】が通用するのは、流れ[ワークフロー/工程]があるものが対象。

例1. サプライチェーン(調達〜工場〜配送〜販売)、
例2. プロジェクト (特に建設等 開発要素が少なくて段取りを書けるもの)
例3. 知的財産部の3大定常業務
           ex. 発明誕生 → 新規性・進歩性の有無調査 → 開示書作成 → 事務所説明 → 明細書案文チェック → 出願
            ex. 拒絶理由通知 → 各拒絶理由への対応検討 → 全拒絶理由に矛盾なく回答できるかの検討 → ・・→ 特許庁へ回答
             ex. 気になる他社特許出願の発見 → 特許性主要5要件に違反してないかどうか検討 → ・・ → 無視or要回避の判断

であることに気づきました。

また、
Aたとえ流れ [ワークフロー/工程] があるものでも、「1.ネック(工程)を発見」することが難しい問題もある。

たとえば TOCゴールドラット博士は小売分野で * ”品切れ”と”売れ残り”が両方起きている。 という大きな問題*に気づいて
『小売店で売れた分だけ、都度 補充』を基本方針とし 『”品切れ”を防ぐ為 従来より高頻度で納品』 『”売れ残り”を防ぐ為に 従来より少量ずつ納品』する というソリューション・具体的手段を編み出しましたが、
博士が上記『ソリューション』を提示する前に 「どこが 1.ネック(工程)かを発見」するのは難しいです。 ・・・実際は「1.小売工程が売上増を阻むネック」だったわけですが。 知的財産部の3大定常業務も、「1.ネック(工程)を発見」するのを誰でも簡単にできる とは言い難いです。

さらに、先生のおっしゃるとおり、
Bネックの解消策は、業界人なら誰でもと言っていいくらい簡単に編み出せて→具体化→実施できる場合もありますが、 TRIZの達人でも 策を編み出すのに一苦労するような場合もある。 (ネックの解消策にかけられるコスト等の制約が多い場合は 特に大変。)
ことにも気づけました。

そして、 【流れのカイゼンの5ステップ】と【6箱方式】を絡めた 絵を描けるのでは?? と思うようになりました。
【IWB】や【USIT】は 【流れのカイゼンの5ステップ】を考慮していませんから、 【流れのカイゼンの5ステップ】を考慮した絵・問題解決手順を示すだけでも けっこう進歩だと思います。

【TOC(トヨタJITから発展した 流れのカイゼンの5ステップ等)】と【TRIZ[USITから発展した6箱]】の統合 と言っても過言ではないかもしれません。

  長谷川陽一 さん ==> 中川 徹   2015. 8.20    CrePS について

2013年日本創造学会の 先生のCrePSビジョン発表資料のページを、 昨夕 じっくり読みました。 その結果、

@ [第2箱] 問題の絞り込み あるいは それ以前の 問題の発見の所に早くも障壁がある、、、 (慢性的問題/大きな問題 に気づけない。 あるいは 気づいていても「どうしようもない」として諦めている。)

A 本当は いきなり [第3箱] から始めれば良く、 先生のおっしゃるとおり [第3箱] をやることによって 自然と [第4箱] のアイデアが出るのだが、 その肝心の [第3箱] を 面倒臭がってやらないヒトが物凄く多い。

と感じました。

経験上、@Aは [第4箱] へ至るまでの二大障壁・ネックだと思います。

先生は、ゴールドラット博士の著書「ザ・チョイス」をお読みになりましたか? 私は ごく最近読んだのですが、

@の問題について、 p.32の6行目〜p.33前半 と p.50の6行目〜p.51末尾 に見事な解説があります。 私は、本当にその通りだと感じました。

Aの問題についても、博士は触れています。
      ・ 現状分析(不具合結果に至る因果連鎖・根本原因の追究)の重要性について 本全体で 口酸っぱく述べられています。
     ・ 「どんな状況でも、著しく改善することができる」と 例や手順も挙げて述べています。
         トヨタの「カイゼンに終わりはない」 ブレイクスルー思考法の「継続的改善の原則」 を思い起こします。
         これは 「理想をイメージする」のと近い考え方だと感じました。

あと、画期的なコンセプトを思いついても 潰されてしまう場合があるので、 [第6箱] も難所だと思います。 ここを突破するためには 関係者の頭の中のパラダイム変換が必要になって、 そこで TOCの対立解消図・移行ツリーが役立つ、とも感じました。

  中川 徹 ==> 長谷川陽一 さん 2015. 8.21

昨日と今日のメールありがとうございます。

TOCのカイゼンの5ステップの考察、難しさのポイントがよくわかります。 CrePSのビジョンを読んでいただきありがとうございました。

Darrell Mann とのやり取りがやはりポイントと思います。CrePSノビジョンの論文を発表した直後のやり取りで、『TRIZホームページ』に英文・和文で掲載しました。   

問題解決よりも、問題定義と解決策実施が研究の焦点(Mann)/問題解決のための考える方法の確立が重要な土台(中川)  

本当にするべきことが一杯あります。 『ザ・チョイス』注文しました。勉強します。 いろいろありがとう。

 


   『TRIZホームページ』更新(2015. 8.25 付け)

質疑応答: USIT と OAF図式について (Q: 中川 徹; A: Ed Sickafus)、 「札寄せ」しながら考える(3) - Sickafusの「潜在意識問題解決」の論文を理解する(片平彰裕、中川 徹)

 

  長谷川陽一 さん ==> 中川 徹   2015. 8.27    Sickafus 論文

USITは1985年からだった、とは 驚きました。 (また、Sickafus博士がずっと前進され続けていることに感動しました。)

そして、 「わざと曖昧にした(概念を広くした)意識的考察」 という「表現」は、 無味乾燥で それを聞いただけでは実行できない、従来の達人の「表現」: 「抽象化」「モデル化」「上位概念化」等 よりも 断然良い! と感じました。

そこで さっそく、 TRIZ界の外の達人の方々へ 先生の今回のホームページ更新情報を お知らせしました。TRIZ界の外の達人の方々と 今後も情報交換/意見交換を進め、 CrePSに繋げていきたいと思います。

いま 気づきましたが、 CrePSプロジェクトは オープンイノベーションですね。 .

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更新2015. 5.25 USITマニュアル

更新2015. 6.26 USITの紹介(メルマガ、中川 徹) 更新2015. 7. 7 「札寄せ]ツール

長谷川陽一 (TOCなど)

更新2015. 8.25  Sickafus論文の見える化     「読者の声」索引ページ  英文ページ

 

総合目次  (A) Editorial (B) 参考文献・関連文献 リンク集 ニュース・活動 ソ フトツール (C) 論文・技術報告・解説 教材・講義ノート     (D) フォーラム Generla Index 
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最終更新日 : 2015. 9.17    連絡先: 中川 徹  nakagawa@ogu.ac.jp