TRIZ論文: TRIZ シンポ 2011 & ETRIA TFC2011 発表

身近な問題解決:草取りの方法と道具の考察

三宅 貴久、 中川 徹 (大阪学院大学)

日本TRIZ協会主催 第7回日本TRIZシンポジウム、2011年9月8-10日、東芝研修センター、横浜市港北区

Toru Nakagawa, Takahisa Miyake (Osaka Gakuin Univ.)
ETRIA TRIZ Future Conference 2011, Nov. 2-4, 2011, Tallaght, Dublin, Ireland
掲載:2011.11.18 

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編集ノート (中川 徹、2011年11月18日)

本稿は、大阪学院大学情報学部の三宅貴久 (中川ゼミ) の卒業研究をベースにしたものです。表記のように、第7回日本TRIZシンポジウム2011において、中川がポスター発表として発表しました (和文と英文スライド)。また、ほぼ同内容で、11月にダブリンでETRIA TFC2011 で Short Paperとして 発表しています。

そこで本ページには、和文ページではTRIZシンポジウムでの発表を主体として掲載し、一方英文ページではETRIA TFCでの発表を主体として掲載しました。また、読者の目に触れやすい HTML形式での画像の形式と、明瞭に読めるPDF の形式とを両用しています。

この「草取りの方法」という問題は、古くからの労働ですし、だれもが体験しています。いろいろな種類の農具 (道具・機械) があります。ですから、ぽんと一つのやり方を想定して、その改良を目指すと (どれだけ優れた解決策が得られるかは別として)、一見小さな問題に見えます。しかし、「草取り」といっても、その目的、仕上がり目標、草の種類や生え方、作物との分布状況、など非常に多くのバラエティがあり、それぞれによって適した方法や道具が異なります。[ETRIAのような国際会議では、各国の状況 (気候、土地の使い方、草の種類、生長の速さなど) が日本での状況とは非常に違いますから、適した方法にはもっと大きな違いがあります。] そこで、本研究では、「草取り」の問題を包括的に考えて、目的、仕上がり目標、方法(のねらい、原理)、道具、そのバリエーション、などを考え、いろいろな場合に対応した方法を考察しています。

要するに、「問題の捉え方」が、この研究の (研究方法としての) 重要テーマです。TRIZという「創造的問題解決の方法」にとって、このように、「問題を捉える」ためのアプローチは大事なことと考えます。実際に書き出したものは、ある意味では「設計工学における常道の考え方を使った」といえるかもしれません。その意味では特別な新しさはないかもしれません。それでも、「(TRIZを使う/使わないに関わらず) このような問題把握のアプローチをいつも心がけているとよい」 という教育的な事例になっていることと思っています。[なお、具体的な方法の改良については、いま一テーマに絞って考察中ですが、解決策を具体化するには至っていません。]

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[1] 論文概要

身近な問題解決:草取りの方法と道具の考察

三宅 貴久、 中川 徹 (大阪学院大学)

第7回日本TRIZシンポジウム 2011  (Extended Abstract 2011. 5.17 提出)

概要  

「草取り」は古くから行われてきた作業だから、多くの農機具があるが、いまでもなお家庭でも農場でも社会でも、多くの労力を要する作業である。この草取りの作業をもっと楽にすることができないだろうか。これは、一見、小さな、簡単な問題のようであるが、きちんと考えると随分難しい。それは問題の状況が広範に異なっているからである。目的は何か (どのような結果を望んでいるか)、どんな場所で、どんな草があり、どんな作物などがあるのか?「草取り」の方法をどのように分類できるのか?その道具をどのように分類するのか?これらのことを踏まえた上で、どのような場合 (目的、状況、草の種類、など) に、どのような方法を推奨し、具体的にはどのような道具、機具を推奨するとよいかを考察した。一つの結論は、「草刈り」でなく、「草削り」がよいことである。

内容説明

本研究は、大阪学院大学情報学部における、三宅の卒業研究 (2011年1月) をまとめたものである。三宅の実家は造園業を営んでおり、その関連分野の中から、社会的、一般的な問題として、本研究を設定した。

(1) 「草取り」の問題状況の整理

本研究で困難であったことは、問題の状況が非常に広範であるため、どのように問題を設定するかであった。結局、問題の状況を複数の観点から整理することが必要であると認識した。つぎのような観点がある。

草取りの目的: 例: 作物を植える前準備、作物の生育を邪魔する雑草を除く、... など。
草取りの目標 (達成レベル): 地下の網目状の根まで取る、通常の根まで取る、根元から取る、地上部の目立ったものを取る、..など。
また、場所の用途、土の状態、草の種類、草の生え方、根の張り方、作物と雑草との分布のしかた、などについても、種々の違いがある。

(2) 「草取り」の方法とその道具、機械

草取りの方法は、草のどの部分を取ろうとするのかで分類するのがよい。草の上部を取る/切る/刈る、根元付近の地上部で取る、根元の地面よりすぐ下で取る、根を抜く、土を根ごとひっくり返す、など。

草取りの道具も多様であり、使用の狙い、原理、利用形態など、いろいろある。

(3) 草取り問題とその指針

以上の諸観点からの考察を整理して、「目的→目標→方法」の順に関連づけることが適切であると判断した。その結果を左上図に示す。

さらに、草取りの方法についてまとめた結果を左下の表に示す。相対的に高い評価をしているものを◎で示す。

なお、農具/機具の改良型についても調査したが、新規の改良案の提案にまでは至っていない。

 

論文概要 (Extended Abstract) (和文)   PDF   (TRIZシンポジウム2011 提出)

論文概要 (Short Paper) (英文)   PDF    (ETRIA TFC 2011 提出)


[2]  三宅貴久  卒業論文概要

平成22年度 大阪学院大学 情報学部情報学科 卒業論文概要  (提出: 2011年 1月28日)

身近な問題解決:草取りの方法と道具の考察
三宅 貴久 (指導教員:中川 徹)  

==> 三宅 貴久 卒業論文概要  PDF (2ページ)


[3] 発表スライド全文:

第7回 日本TRIZシンポジウム 2011  発表スライド

 

 

 

 

 


     

 

和文発表スライド (TRIZ シンポジウム2011)  (15 スライド、175 KB)    

英文発表スライド (ERIA FC 2011)            (15 スライド、107 KB)   

 
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最終更新日 : 2011.11.18    連絡先: 中川 徹  nakagawa@ogu.ac.jp