TRIZ/USIT/CrePS 論文

創造的な問題解決・課題達成の一般的な方法論 −構想−

中川 徹 (大阪学院大学 名誉教授)

第9回 日本TRIZシンポジウム、
2013年 9月5-6日、統計数理研究所(東京都立川市)
掲載:2013.12. 9  

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編集ノート (中川 徹、2013年12月 7日) 

本稿は、9月初旬のTRIZシンポジウムで発表したものです。アブストラクト(5月提出) と 発表スライドとを、和文と英文で掲載します。

実は、本ページの掲載準備を9月22日にほぼ済ませており、自分ではすでにホームページに掲載したものとばかり思っていました。10月3日に数編の記事を掲載したときに紛れて掲載漏れになったことに、2ヶ月後の今日初めて気がつきました。改めて掲載いたします。

この発表の趣旨は、概要に記述しています。そして、発表スライドは次のような3部構成にしました。
    第1部: TRIZを越えて、より高い、新しい目標に
    第2部: 新しい目標の方法論を構築するための指針
    第3部: 創造的な問題解決の一般的な方法論の構想

本稿は上記第2部の「(CrePSを) 構築する(方法の)指針」に中心があり、この後10月末に 日本創造学会と ETRIA TFCとで発表した「(CrePSの) ビジョン」 の前提になっています。本稿でいう一般的な方法論(CrePS)の内容については、この「ビジョン」のページを参照ください。

 

本ページの先頭 概要 アブストラクトPDF  スライド 第1部 TRIZを越えて 第2部 構築の指針 第3部 CrePSの構想 スライドPDF

「ビジョン」のページ

TRIZシンポレポート(中川) 英文ページ

 


 アブストラクト (2013年5月15日提出)    PDF  

 

創造的な問題解決・課題達成の一般的な方法論 −構想−

中川 徹 (大阪学院大学 名誉教授)

第9回 日本TRIZシンポジウム、 2013年 9月5-6日、統計数理研究所(東京都立川市)

 

概要 

TRIZの大きな目標は、「発明」のための方法、「技術革新」のための方法、そして非技術分野を含めた「イノベーション」のための方法と発展してきたといえるが、もっと一般的に、「問題解決と課題達成を創造的に行う方法」と捉えるのがよい。本稿はそのような一般的な方法を構築するための基本的な取り組みの構想を述べる。

TRIZ/USITをはじめ諸方法をすっきりと統合したわかりやすい方法論を目指す。このために、「創造的な問題解決の6箱方式」のパラダイムを骨組みとして採用する。技術一般用と非技術一般用との二つを並行的に作る。データフローの考え方 (入力・中間・出力の情報を明確にする)を中心にし、情報表現のための概念と表現法を重視する。情報の獲得・導出の方法には複数の代替法を想定する。問題解決者や関係者の心理的な側面にも注意を払う。これらの方針で、TRIZ/USIT をはじめ従来の諸技法を整理・記述する共同作業を行い、関係者の共同認識を形成していき、全体を統合した「創造的問題解決の一般的な方法論」の形成を図る。またその普及の土台を作る。

 

内容説明 

TRIZは、旧ソ連における古典的TRIZの樹立、そして1990年代以降の西側諸国への展開と発展の過程を通じて、概念・知識・方法などの拡張と精緻化が行われてきた。しかし、日・米・欧での近年の普及状況は頭打ちのように見える。新しい脱皮が必要と考えられる。

TRIZが当初目指したのは、技術分野における「発明」のための方法であったが、それは「技術革新」の中核になりうる方法であり、また、非技術の分野にも適用できて、「イノベーション」のための重要な技法にもなりうる。

また、もっと一般的に言えば、技術・非技術の分野を問わず、身近な所から高度な領域までのあらゆるテーマで「問題解決と課題達成を創造的に行う方法」を提供しようとするものである。

そのような方法が広範に求められている (必要であるが、十分にない) ことは明瞭である。では、どうすればよいのか?どうすればそのような方法を作れるのか?−本稿はこの問題に取り組み、その構想を示す。

基本的なアプローチを以下のように設定する。

(1) 過度に複雑化・高度化・分化したものを、すっきりと統合し、単純で分かりやすく使いやすいものを目指す。このためには、全体的なフレームワーク(骨組) を持つことが必要である。「創造的な問題解決のための6箱方式」という新しいパラダイムを採用する。

(2) 基本的で、できるだけ広い適用分野を持つ方法にする。技術分野一般と、非技術分野一般との2本立てとするが、両者は並行的で互いに参考になる。

(3) 求められる方法を構築・提示するには、データフローの考え方 (すなわち、入力・中間・出力の情報が何かを明確にする) を中心にする。このためには、情報を表現するための諸概念とその関係を明確にし、さらに表現法 (複数可) を提案することが必要である。

(4) 上記 (3) の各段において、それらの情報を獲得・変換・導出する方法、またそれらのプロセスの順序関係は複数の代替法を許容するものであることを認識する。この認識により、諸技法の不必要な競合・対抗意識を避けることができる。

(5) 上記の(3)(4)で扱う技法の論理的な側面だけでなく、問題解決者自身と (特に非技術の問題での)関係者の心理的な側面にも注意を払う。

(6) 従来から開発されてきている種々の方法を上記の考え方で整理して、表現する。それぞれの目的、適用分野と場面、その特徴を明確にする。各種の方法の位置づけを明確にすることができる。

(7) まずTRIZ/USITについて、これらの整理結果を提示し、そのうえで諸方法での整理を行う。

(8) このような整理の共同作業を通じて、諸方法の(関係者の)共通理解を作り、統合的・融合的な方法の体系を構築していく。また、その普及の基盤を作る。

 

  発表スライド:     和文スライド HTML (本ページ)       和文スライドPDF    

              英文スライド HTML           英文スライドPDF

 

目次

はじめに 表題、話の構成
第1部: TRIZを越えて、より高い、新しい目標に 動機
  TRIZの習得・普及のモデル 個人にとっての習得、企業と技術者の習得
  TRIZの適用が望まれる諸領域

諸領域の全体的俯瞰

  より高い新しい目標の認識 第1部のまとめ、より高い新しい目標
第2部: 新しい目標の方法論を構築するための指針 筋書
  創造的な問題解決の従来の諸方法 従来の諸方法のアプローチ、従来技法の例とTRIZ/USIT技法の例
  「目標とする方法論」の目標と構築の基本方針 「目標とする方法論」の目標、構築の基本方針(A)〜(G)
 

構築の方針 (A) 基本方式の採用

従来のパラダイム(「4箱方式」)、TRIZの主要方法、新しいパラダイム(「6箱方式」)、6箱方式の特徴、6箱方式における現実の世界と思考の世界
     (B)〜(G) (B) 技術分野用と非技術分野用、
(C) データフロー中心、
(D) 複数プロセスの許容、
(E) 心理的側面の配慮、
(F) 思考の世界でまず確立、
(G) TRIZ/USITの整理から
第3部: 創造的な問題解決の一般的な方法論の構想 筋書
  創造的問題解決の一般的方法論 方法論の主要部(技術分野用)、方法論の全体(技術分野用)、方法論の主要部(非技術分野用)
まとめ まとめ、Thanks

 

はじめに

   

 

第1部: TRIZを越えて、より高い、新しい目標に

   

   

   

第2部: 新しい目標の方法論を構築するための指針

   

   

   

   

      

   

   

   

   

第3部:  創造的な問題解決の一般的な方法論の構想

   

   

まとめ

   

 

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最終更新日 : 2013.12. 9  連絡先: 中川 徹  nakagawa@ogu.ac.jp