TRIZ 論文:

TRIZ適用拡大のための一法
〜TRIZが使いにくい商品への適用のために〜

井坂 義治(株式会社 アイデア)

第10回 日本TRIZシンポジウム、2014年 9月11日〜 12日、早稲田大学西早稲田キャンパス(東京都新宿区)

掲載:2015. 3.27

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編集ノート (中川 徹、2015年 3月26日)

本稿は、昨年の第10回日本TRIZシンポジウム2014で発表されたものです。私は、このシンポジウムの参加報告({Personal Report」)で、本発表をつぎのように紹介しました。

農林業用などの多くの作業機械の動力源として用いられている「汎用エンジン」などでは、基本的な要求が変わらないので、同じ商品がずっと何十年も提供されている。そこにはTRIZを適用する余地がないのか?

この例では、ターゲットユーザである作業機メーカのエンジン選定責任者を納得させられる「売り文句」を見出す必要がある。そのために、いろいろな発想法を使って、「売り文句」になる機能・特徴を考える。そしてその後で、それを実現する方法をTRIZを使って創り出す。これをTRIZの問題解決の「テーマ決定」段階と位置付けている。

-- 地味だが重要な問題提起であり、具体例での考察を関係者間の問答形式で書いていて分かりやすい。優れた発表であると思う。

本ページには、概要説明(5月のシンポジウム発表申込段階でのA4 1枚の説明)のHTML版発表スライドの画像HTML版を掲載します(PDF版はTRIZ協会ホームページにリンクします)。スライドの英訳は、TRIZ協会が行い、協会ホームページにPDF版を公表していますので、本サイトの英文ページは紹介とリンクだけの簡単なものにしました。

 

本ページの先頭 概要 スライド先頭

1. 目的

2. 対象分野・商品 3. 解決事例
4.  解決手法   5. まとめ スライドPDF TRIZシンポ2014Personal Report(中川) 英文ページ

 


 発表論文概要    

 

TRIZ適用拡大のための一法
〜TRIZが使いにくい商品への適用のために〜

井坂 義治(株式会社 アイデア)

2014年9月11日

第10回 日本TRIZシンポジウム、早稲田大学西早稲田キャンパス(東京都新宿区)

 

概要

簡単な機械的な構成だけからなる商品には、ずっと昔から構成が変化していないものがあります。求められる機能が多くないので、これ以上の構成はないと考えられているものです。

 このような商品にTRIZを説明しても実際にどのようなテーマがあるか考えにくく、従ってそれ以上進みにくいという場合があります。TRIZで競争力を上げて経営に貢献できるようにするためには、先ずテーマを考え出すことが必要になります。機能やコストでなくとも、差別化できる要因があれば競争力が得られるわけです。

 そのため、ユーザーを具体的に設定し、そのユーザーの潜在ニーズを想定した上で、商品の各部について無理にでも変更してみることによって、差別化できるテーマを発見しようということを提案するものです。

 手法としては従来の発想法を用いるものですが、心理的惰性を打破して商品の改良には適用できます。それによって技術的課題が出せればTRIZテーマにつなげることができます。特別な習熟を要することなくTRIZの商品適用範囲を拡げることを目的とするものです。

 

内容説明

1. 目的・背景

機械的な構成だけからなる業務用品などには、限られた機能の中での競争となっている場合があります。

競争力を上げるためには通常は機能やコストを考えることを優先しますが、そこで行き詰っているわけです。

新たな機能が見つからないので構成を考えるきっかけも見つからず、昔からずっと同じ構成が採られており、従って新たなテーマも見つかりません。

ここにTRIZを説明しても、TRIZで解決を要するようなテーマがないということから、実施に移ることができない状況です。

しかし、商品の競争力を向上できると優位に立てることは勿論です。TRIZで経営に貢献するために、TRIZ以前にどのようなテーマを見つけるかが重要になってきます。

このような、TRIZが使いにくい商品に対しても適用できるよう、範囲を拡げるためにどのようにテーマを発見するかということを目的としたものです。

2.  具体例

昔からずっと変わらぬ構成で、競合もまた同じ構成となっており、新たなニーズもないために変えようがないと思われている商品の例として、汎用エンジンを取り上げて説明します。

商品を差別化しOEMを拡げるためには機能やコストしかないわけではありませんが、それにはどのように差別化要因を考え出すかが必要になります。

そのために、逆設定法などの発想法を用いて無理にでも変えてみることで、それまで考えてもみなかった効果を見つけ出し、潜在ニーズを満たす新たな競争力が得られないかを考えようというものです。部品単位で実施してみることで、新たな差別化効果が見つかりやすくなります。

手法そのものは従来よく知られているものですが、商品改良のために心理的惰性を打破するのに効果的であり、これによって技術的課題を見つけることでTRIZに入りやすくなることを示すものです。

 

内容的にはTRIZに触れているものではありません。TRIZを適用する前段階として、従来はTRIZが使いにくいと考えられていた商品について、適用を可能とするためのテーマ設定について一法を提案するものです。

 

 


 発表スライド     PDF (日本TRIZ協会サイト内)

 

 

1.  目的

 

 

2. 対象分野・商品

   

 

 

 

3.  解決事例

 

 

 

 

 

 

 

4.  解決手法

 

 

 

 

   

 

 

 

 

 

 

 

5.  まとめ

 

 

 

 

 

 

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1. 目的

2. 対象分野・商品 3. 解決事例
4.  解決手法   5. まとめ スライドPDF TRIZシンポ2014Personal Report(中川) 英文ページ

 

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最終更新日 : 2015. 3.27     連絡先: 中川 徹  nakagawa@ogu.ac.jp