大阪学院大学 学部学科・研究科

経営学部 ホスピタリティ経営学科

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2015年07月31日更新

ブランド・マーケティイング(担当:稲田)でゲストスピーカーによる講演
~タカラヅカのブランドとビジネスモデル~

ブランドマーケティング(担当:稲田)の講義において、元・タカラヅカ総支配人(現・北摂演出研究所代表)の森下信雄氏をお迎えし、101年を迎えた宝塚歌劇団のブランドとその仕組みであるビジネスモデルについてご講演いただきました。

森下氏は阪急電鉄に入社後、駅員、車掌、運転士という鉄道業務を経て、宝塚歌劇団に出向されたことから、宝塚歌劇団との関係が始まりました。

宝塚歌劇団では、制作課長、星組プロデューサー、宝塚舞台にて劇場部長を経て、阪急電鉄歌劇事業部事業推進課長、宝塚歌劇総支配人を歴任し、宝塚歌劇事業全般の運営責任者としてご活躍されてきました。

宝塚歌劇団は女性だけで演じる世界に類を見ないユニークな劇団として、独自の発展を遂げてきました。森下氏は現場の責任者として宝塚歌劇の事業の強みを、企画から舞台の制作、作品の演出、興業に至るまで自主制作・主催興行を充実させてきたことを挙げ、それを「創って作って売る」垂直統合システムの仕組みを築きあげたことが現在に至る安定的な収益の拡大を果たしていると説明されました。

もう1つ重要な視点として指摘されたのが、宝塚歌劇のブランドは「シロウトの神格化」にあるという点でした。「シロウトの神格化」とは、「未完成」の対象をファン・コミュニティが共感、熱狂しながら「感情移入」させ、バージョン・アップしていくプロセスです。森下氏はブランドとは顧客にとっての価値に対する「感情移入」の成果物と考えており、「未完成」、「感情移入」、「ブランド」が相互に関連することこそ、宝塚歌劇のブランドに不可欠な要素となっていると説明されました。

宝塚歌劇のビジネスモデルは、現代のアイドルのAKB48のビジネスモデルと類似しており、ご講演の鍵となっている「シロウトの神格化」から説明できる点が多いことにも気づかされました。また、総支配人という役職から組織の運営上、気にかけてこられたことをご説明いただくなど、ホスピタリティ業界でも勉強になる考え方も盛りだくさんでした。

ホスピタリティ経営学科に開設している「ブランド・マーケティング」という科目は、ケーススタディを通して学ぶスタイルの授業です。なぜその業界のその企業の商品・サービスがブランドの価値を高めることができたのかを考えることが目的ですが、森下様にはエンターテインメント業界におけるブランドの考え方として、宝塚歌劇のビジネスの持続性についての考え方を学問的にご提示いただきました。お忙しい中、貴重なご講演とブランドに関する知見をお教えいただき、改めて感謝申し上げます。

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