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OGU Special Interview

株式会社セトウチマネジメントサービス 代表取締役社長 桑内勝啓さん

平成2年に本学商学部を卒業し、
現在はビルメンテナンス会社の社長として活躍されている桑内勝啓さん。
企業経営に携わる卒業生で組織する大阪学院フェニックス倶楽部の会員として、
学生のキャリア形成支援にも積極的にご協力いただいています。

危機管理意識の重要性

 現在は、地元である大阪市天王寺区に本社を置き、大阪や兵庫にあるビルなどの管理物件のメンテナンスを行っています。日々の経営において、簡単なことは何一つありませんが、やはり想定していなかったことが起こり、それに対処することが最も難しいと考えています。そのため、他の経営者の方も同じだと思いますが、毎日を楽観的な思考で過ごしながらも、常に危機管理意識を忘れないようにしています。世間では、時に不況などの困難を乗り切った会社に注目が集まることもありますが、今日あるものが明日にはないかもしれないのが経営というものなので、困難な状況をどのようにして乗り越えるかではなく、毎日の心懸けで安定した経営を行うことが重要です。また、未来のことは何も分からないので、今できることを全力で行うことが大切だと考えています。

「独自性と堅実性」という経営理念

 経営理念としては、「独自性と堅実性」ということを掲げています。独自性を高めるために、毎日2つの新しいアイデアを考えるようにしています。時には1つだけしか頭に浮かばない時もありますが、新たな発想が湧き出す環境を自らつくり、絶えず考える力を磨いています。これは大学の試験などと同じで、明日が本番だからといって、今日だけ頑張っても良い結果が出ないように、習慣的に実践していないと意味がありません。毎日新しいアイデアを考え、それをできる限り実践することが、独自性を高めことに繋がります。
 また、堅実性に関しては、何事も継続することが最も難しいように、会社経営においても短期的に利益を上げることができたとしても、5年、10年、30年と黒字経営を続けることは極めて困難です。株式を上場している会社ですら、税金を払っている会社は5割程度ですので、中小企業の経営がいかに厳しいかということが分かるかと思います。黒字経営を続けるためには、1歩も2歩も先のことを考えて、行動に移すといったように、やはり今からできる準備をしておくという堅実性がとても大切です。また、何事も表面的に考えるのではなく、その奥に何があるのかといった部分まで深く考えられるようになれば、大きな失敗をすることもありません。

世の中の変化に対応するための事業展開

 これからの経営という意味では、「独自性と堅実性」という考え方を基本としながら、必要のないものには資金をかけず、投資すべきものには力を入れて資金をかけることが重要だと考えています。また、少子高齢化社会の中で、日本の人口がどんどん減っており、その一方で外国人の方が不動産を積極的に購入している傾向がありますので、日本人のきめ細かいサービスを活かした独自のメンテナンスを行っていくことが必要だと思います。そして、世の中の変化に対応してビジネスを行っていくためには、常に次の一手を考えておかなければなりません。
 学生の皆さんも、目まぐるしく変化する社会で活躍するために、できるだけ多くの社会人と接したり、クラブ活動やアルバイト先で主体的に行動しておく必要があります。私自身、学生時代はゴルフ部に所属し、忍耐力や対人関係の築き方などを学ぶことができ、それは社会に出てからも活かされています。学生時代は気の合う人としか接しませんが、社会に出れば様々な人と仕事をしなければなりませんので、やはり挨拶などの基本的な部分をしっかりできることに加え、一歩先の機転を利かせて相手の望むことを行うことが大切です。学生の皆さんには、そういったプラスのコミュニケーションを身につけて、素晴らしい人生を送ってもらいたいと思います。

【インタビュアー:濱川由佳、カメラマン:谷口智紀】

桑内勝啓さん

桑内勝啓さん プロフィール

㈱セトウチマネジメントサービス 代表取締役社長として、大阪市内でビルやホテル、マンションなどのメンテナンス業を営む。
大阪学院大学在学中は、体育会ゴルフ部に所属し、現在もOBとして創立記念杯などの活動に参加している。
大阪学院フェニックス倶楽部には、設立当初から所属するとともに、現在は幹事を務め、学生のキャリア形成支援のために積極的に活動を行っている。