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研究活動

平成24年度 第2回研究会                 実施:2012年12月1日



平成24年度の第2回目の研究会は、12月1日土曜日の午後、12時より17時まで、いつものように早稲田大学理工学術院(西早稲田キャンパス)の環境資源工学科会議室において行われました。この会議室は、内田悦生先生(早稲田大学)の研究室に隣接しますが、キャンパスの中で最も高層な建物のなかにあり、そこからの眺望の素晴らしさにはいつもながら感動を覚えます。
 今回は、内田先生のご配慮により用意された昼食をともにしながら、まずは研究協力者のハイダル・オレイビ氏がイラク南部で採取した河泥サンプルに関する分析データが内田氏と辻彰洋氏(国立科学博物館)により紹介されました。今回現代イラクの土壌のサンプルが得られ、それと、粘土板組成との比較が可能になったことは、我々の共同研究にとって画期的なことです。まずは、オレイビ氏のご尽力に敬意を表し、その情報を皆で共有するところから、和やかに会合の幕が開きました。
 次に、研究代表者の渡辺千香子氏(大阪学院大学)より、研究会のメンバーおよびゲストの紹介がありました。続いて、今年度これまでに実施した、ウィーン大学での文献調査(8月8日〜12日)及び、エール大学での粘土板調査(9月8日〜15日)についての報告が行われました。前者についてはすでに、2011年9月に、ゼルツ教授(ウィーン大学)と渡辺千香子氏との間で、初期王朝時代の土壌の塩化に言及するテキストの共同研究がすでに合意されており、今回の文献調査はその計画が本格的に動き出したものです。また後者については、エール大学で粘土板非破壊組成分析が行われるのは今回が3度目となりますが、これまで2回の調査で不足していた時代と地域を補う調査がなされましたので、同大学所蔵の粘土板に関しては、十分なデータを得るに至りました。なお、調査の詳細については、本ニュースレターの渡辺亮太さん(内田研究室所属)による記事(p.4)および拙稿(p.3)をご覧ください。
 最後に、12月以降の活動計画、すなわち、@大英博物館へのサンプル返還とインタビュー、Aウィーン大学での二度目の文献調査、Bスレイマニヤ博物館(イラク)での調査に関して、日程および参加者の確認等が行われました。これらの調査に関しては、次号のニュースレターにおいて報告が行われますので、どうぞご期待ください。
                            (井啓介)


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