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研究活動

二国間共同研究 第一回ワークショップ    期間:2014年8月26日〜27日



2014年7月から始まった二国間共同研究の活動として、8月26〜27日に第一回目のワークショップ「最古の巨大都市と水」(Water for the World’s First Megacities)をロンドンで開催した。ユニバシティ・コレッジ・ロンドン(UCL)を会場とし、出席者(敬称略)は、英国側からM.アルタウィール氏(相手国側代表者・UCL)、J.テイラー氏(大英博物館)、J.メルケル氏(UCL)、J.ジョゼリ氏(ダーラム大学)、日本側からは小口高氏(東京大学)、小口千明氏(埼玉大学)、高井啓介氏(東京大学)、渡辺千香子(大阪学院大学)の合計8名だった。

第一日目は、アルタウィール氏が開会のあいさつとしてプロジェクトの趣旨を説明した後、古代メソポタミアの考古学について概説した。続いて、渡辺が研究プロジェクトのこれまでの歩みと今後の見通しについて説明した。小口(千)氏は地圏材料(岩石、土壌、レンガなど)の塩類風化について発表し、小口(高)氏は1990〜2011年にシリアで行った地形環境研究(環境考古学)について発表した。午後のセッションでは、ジョゼリ氏が行っているイラクにおける古代河川の流路復元の研究について説明され、堆積土サンプルの分析方法について討議した。続いて、テイラー氏が粘土板文書について説明した後、全員で大英博物館に移動し、閉館後の粘土板収蔵庫で粘土板の実物を手に取って見ることができた。第二日目は、主にジョゼリ氏の研究と共同で行うプロジェクト活動として、イラク南部の古代河川跡をオーガーで掘削して採取するサンプルについて、粘土板研究の観点から検討した。短い時間ながら、充実した意見交換を行うことができた。次回は、2015年2月に再びロンドンで会議を開催、同年11月には日本で成果公表の公開シンポジウムを開催する予定を立てた。
                               (渡辺千香子)