From: "M. Okuno-Fujiwara" Date: Sun, 07 Jan 2001 08:13:12 +0900 To: itme-auction@e.u-tokyo.ac.jp Subject: Re: 提言第一稿 Reply-To: itme-auction@e.u-tokyo.ac.jp 池田様、鬼木先生、関係各位: IKEDA Nobuo wrote: >> >�Hラスト・ワン・マイルの解決法として極めて重要な問題であるという論点、 > >は入れてはどうでしょうか。世の中では光ファイバーばかりが注目されています >が、家庭用としては50Mbps出る無線で十分だし、はるかに低コストなのですか >ら。 鬼木先生への返信メイルにも書きましたが、上記の件は大賛成です。 >サンク・コストの問題については、「理論的には、免許料は料金決定の方程式に >入らない」ことをきちんと説明すればよいのではないでしょうか。この程度のこ >とも、郵政省やマスコミは知らないのですから。実際の料金も、アメリカを見て >も転嫁が起きていないことは明白です。むしろ問題は、転嫁できないために、過 >大評価したオペレーターの経営危機が生じることですが、これは「基本的には自 >己責任だが、winner's curseが起きにくい制度設計を考える必要がある」という >程度の言及でよいのではないでしょうか。 「理論的には、免許料は料金決定の方程式に入らない」というのが、私には分かりま せん。論旨を明確にするために、完全情報で、談合が存在しない世界を考えます。そ うすると、電波は希少資源ですから、それを使って得られる競争料金(つまり電波の キャパシティ(X)を最大限使ったときに利用者が支払う料金:p)が得られます。 従って、消費者から(消費者余剰をとれないと考えても)最低限p・Xの料金が取れ るわけです。(これを以下ではフェア・バリューと呼びます)。独占を排除するため に、周波数オークションを幾つかの帯域に分けて、一者独占を排除すルールを作って おくと、(完全情報の下では、政府の総収入はp・Xになるはずです。 以上は事前の議論ですが、事後に何が起こるかを考える際に、ふたつに分けて考えた 方が良いと思います。第一は、サンクコストの問題です。サンクコストとは、釈迦に 説法ですが、支払ってしまったコストのうち、回収不可能な部分です。しかし、フェ ア・バリューに対応する部分はリセール可能ですから、それを超過する部分がサンク していることになります。そんなことが起こるのは、入札者が馬鹿な投機的行動を取 ったか、winner's curseでフェア・バリューを超えてしまった部分について起こるこ とです。前者の場合、フェア・バリューを超えた価格付けは、利用者を競争企業に追 いやってしまうことになるので、あまり心配すべきでない(ドイツの例は特殊例)と 考えるべきかと思います。 第二の事前の議論は、仮にサンクされていなくとも、オークション支払いは固定費用 であり、限界費用はほとんどゼロに近くしかもほぼコンスタントである。従って、現 費用で価格付けをすると、平均費用以下の価格しかつかず、事業体が倒産する可能性 があるという議論でしょう。しかしこれも、実際に出現するのは寡占市場であり、そ こでベルトラン型競争を行えば、平均費用に等しい価格が出現することが知られてお り、その意味も、事業体はゼロ利潤(正常利潤)を得ることになるというのが、教科 書的回答かと思います。 以上、皆様のご飯論をお待ちします。 奥野 <><><><><><><><><><><><><><><><><><><><><><><><><><><><><><><><><><> Masahiro Okuno-Fujiwara, Faculty of Economics, University of Tokyo Tel: +81-3-5841-5647, Fax: +81-3-5841-5521 (Faculty of Economics)