Date: Mon, 08 Jan 2001 02:05:11 +0900 From: Tatsuo TANAKA To: itme-auction@e.u-tokyo.ac.jp Subject: Re: 提言第一稿 Cc: tatsuo@glocom.ac.jp Reply-To: itme-auction@e.u-tokyo.ac.jp 田中です。 私も混乱しているのかもしれませんが・・・。 池田さんは価格は限界費用で決まると考え、奥野さんは価格は平均費用で決まる と考えています。 IKEDA Nobuo wrote: > >また、これを回収可能な固定費と考えても、教科書的にいえば料金は限界収入と > >限界費用で決まるので、いずれにせよ免許のコストは「価格決定の方程式には入 > >らない」と思うのですが・・・ "M. Okuno-Fujiwara" wrote: > 完全情報の世界で、事前にベルトラン競争(競争入札)を行えば、固定費用分を損するこ > とになるまで入札価格は下げません。逆に、事後的には、寡占が成立していますし、次の > リース期間までは新規参入のない寡占状態が続く訳ですから、(一時的なシェア拡大競争 > が起こることはあっても、長期的に)損をするような価格がつくわけがないと思います。 > 従って、私は価格は平均費用に落ち着くと思っているのですが・・・・  ここで、奥野先生の議論での最後の一文がわかりません。損をする価格がつく わけはないのはそのとおりですが、平均費用に等しくなるとは限らず、平均費用 以上の価格がついてもかまわないのではありませんか。自由参入がなく、密接な 代替財もない寡占市場ではそのほうがむしろ自然ではないでしょうか。  以下、内容的には同じ事ですが言い換えます。 "M. Okuno-Fujiwara" wrote: > 第二の事前の議論は、仮にサンクされていなくとも、オークション支払いは固定費用 > であり、限界費用はほとんどゼロに近くしかもほぼコンスタントである。従って、現 > 費用で価格付けをすると、平均費用以下の価格しかつかず、事業体が倒産する可能性 > があるという議論でしょう。しかしこれも、実際に出現するのは寡占市場であり、そ > こでベルトラン型競争を行えば、平均費用に等しい価格が出現することが知られてお > り、その意味も、事業体はゼロ利潤(正常利潤)を得ることになるというのが、教科 > 書的回答かと思います。 ベルトラン寡占市場で平均費用に等しい価格が出現するためには、参入が自由に 行われる、あるいは非常に密接な代替財があるという仮定が必要ではないでしょ うか。参入がなく、密接な代替財もないとすると、平均費用を上回る価格がつく のがむしろ通例ではないか、と。 そうだとすると、落札額が上昇して平均費用 が上昇しても、価格は上昇しない。つまり転嫁は起こらない。 逆に言えば、「自由参入」、「密接な代替財」など、価格を平均費用に押し下げ る要因が、*電波獲得後の市場*で働いていれば、転嫁は起こりうることになり ます。あるいは「同質財でありながら価格切り下げ戦略がとれる」というような 状況でもよいです。このうち「自由参入」は免許の数が限られているので起こり にくそうですが、後の二つはいかにもありそうです。この意味で転嫁は起こりう ると思います。