Date: Tue, 09 Jan 2001 04:20:21 +0900 From: Tatsuo TANAKA To: itme-auction@e.u-tokyo.ac.jp Subject: Re: 提言第一稿 Cc: tatsuo@glocom.ac.jp Reply-To: itme-auction@e.u-tokyo.ac.jp 田中です。 この話題、もう少しだけ。 スイッチングコストはなしと仮定して結構です。したがって消費者価格=供給者 価格として議論します。 > その際、供給者がけ取る価格はスウィッチングコストは受け取れませんから(消費者 > の自己負担分になりますから)、供給者価格、つまり単位(これが何を意味するかは > 文脈によって代わりますが)当たりの供給者の受け取り価格は > > 平均変動費用= > (設備などの維持費用+正常利潤額)/サービス規模たとえばユーザ数 > > でしかないことになります。これは上で述べた文脈で言うと正常利潤に他なりません > から、オークションでの超過価格付けは(少なくとも市場参加者が合理的に行動する > 限り)利用者価格には転嫁されないと言うのが、私の結論です ここで、正常利潤額(の割引現在価値)が入札額になるというのが奥野先生のス トーリーと了解します。以下のように述べていますので、 On Mon, 08 Jan 2001 10:07:32 +0900 "M. Okuno-Fujiwara" wrote: > (4)その結果、電波リース・オークションでは、事後的に電波所有者になろうとする事業者 > 達が、当該電波から得られる利潤の割引現在価値で入札額が決定されることになるはずです。 > それは、(2)で述べたように、単なる正常利潤の割引現在価値分です。 奥野先生のロジックでは正常利潤額が先に決まり、これにしたがって入札額が決 まります。このロジックがわかりません。  ここでの正常利潤とは何でしょうか。私の理解するところでは、正常利潤とは、 自由な参入退出あるいは密接な代替財の十分な供給があって、価格が平均費用ま で引き下げられたあとの利潤です。奥野先生のおっしゃるように経済学の慣例で はこれはゼロです。  しかし、この平均費用への引き下げメカニズムは、入札額がいくらであっても 生じ、達成される正常利潤は入札額とは無関係です(だからこそ正常利潤は慣例 でゼロとされる)。つまり、入札額が100億円でも、500億円でも、落札後 は平均費用への価格引き下げメカニズムが同じように生じ、正常利潤は同じ値 (すなわちゼロ)になる。ただし、価格が引き下げられて向かっていく先の平均費用 の水準は、当然入札額が100億円のときとより、500億円の方が高くなる。 したがって、結果として入札額が価格に転嫁されることになります。つまり転嫁 は起こる。  #なお、このままでは落札価格によらずに常に正常利潤が確保されますか   ら、落札価格の均衡値は決まりません。すなわち、企業は入札価格をど   んどん上げていくでしょう。落札額の決定は、(ぼんやりした言い方で   すが)需要曲線の限界につきあたることでなされることになろうと思います。 以上