Date: Wed, 10 Jan 2001 03:06:18 +0900 From: Tatsuo TANAKA To: itme-auction@e.u-tokyo.ac.jp Subject: Re: 提言第一稿 Cc: tatsuo@glocom.ac.jp Reply-To: itme-auction@e.u-tokyo.ac.jp 田中です。 やはりわからないです(汗)。 ただ、この価格転嫁の話題はそろそろ打ち切り、別の話題、あるいは提言の賛同 者集めなどに移った方が効率的と思います。以下、忘れないうちということで一 応返信しますが、再返信はなしでもかまいません。まずは、付属文書を書いてみ ますので、それを見てまたコメントしてください。 > 私が、参入退出がなくとも、また、代替財の供給が充分になくとも、正常利潤に落ち > 着くと思うのは、電波のキャパシティが充分にとれるだろうと推測するからです。( > これが違えば、当然結果は異なることになると理解しています。)キャパが充分にあ > れば、ベルトラン競争によって価格が引き下げられ、すでにサンクしてしまった落札 > 額を考慮に入れず、限界費用(プラス正常利潤)まで価格引き下げ競争が続くだろう 電波のキャパが十分というのがわからないです。通常は、ある地域のある周波数 帯に3個〜6個程度の免許を設定し、それを事業者がオークションで取り合いま す。参入が無く、代替財もなければ、落札した事業者の間での普通の寡占均衡(ベル トランかクールノーかわかりませんが)になりますから、価格は寡占レン トを含む高い水準(寡占価格)になるはずです。それがキャパが大きいと、そう ならずに限界費用(+正常利潤)まで価格引き下げ競争が続くというのですよね。 このときのキャパとは何でしょう。帯域は固定、事業者数も少数に固定されてい る状態で、大きいキャパとはなにをさすのでしょうか。 > ちょっとこの部分の文章の意味を解しかねているのですが、私の趣旨は次のようなも > のです。上記の、所有電波を需要者に提供したときに得られる利潤は、限界費用(+ > 正常利潤)であり、限界費用は費用に等しいから、結局得られる利潤額は、正常利潤 > 額でしかない。つまり、オークションの際に合理的な(潜在的)事業者が考えるのは > 、電波を落札しても、正常利潤の割引現在価値分の利益しか得られないと言うことで > す。そうだとすると、非合理な参加者やwinner's curseの問題を除けば、オークショ > ンの落札額は(経済学の言葉で言えば)ゼロだということになります。 結局得られる利潤は正常利潤(つまりゼロ)であるという点は同意します。しか し、それでも転嫁がおきるかどうかについては意見がわかれるということは、正 常利潤に落ち着くメカニズムとして、奥野先生と私とで違うものを考えていると いうことだと思います。「キャパが大きければ」ということの意味がわかりませ んので、違いの原因はこれ以上わかりません。  ただ、上では奥野先生が考えるところを要約されているので、私も考えるとこ ろを要約しておきます。以下は内容的にはこれまでの主張の繰り返しですので、 すでに話はわかったという方は、読み飛ばしてくださっても結構です。 通常は、参入も無く密接な代替財もない寡占均衡では、クールノーにしろベルト ランにしろ限界費用で価格が決まると考えますから、サンクコストである落札額 と独立に価格が決まります。ゆえに、落札後の市場での利潤(寡占利潤)も決ま る。オークションのときには、企業はその確定した利潤(の割り引き現在価値) を知っているわけですから、その額で落札することになります。 しかし、参入があるか、密接な代替財があるか(あるいは同質財なのに価格引き 下げ競争が行われるか)などの理由で価格が平均費用まで押し下げられるとする と、価格は平均費用に等しくなります。平均費用は落札額の費用を含んでいるの で、価格は落札額に依存することになります。オークションのときには、企業は この価格と落札額の間の依存関係を知り、落札額を決めることになります。 以上