Date: Fri, 12 Jan 2001 08:06:43 +0900 From: IKEDA Nobuo To: itme-auction@e.u-tokyo.ac.jp Subject: Re: 提言原稿第1.5版 Reply-To: itme-auction@e.u-tokyo.ac.jp 鬼木様 基本的には、このまま第1提言の本文としてよいのではないでしょうか。分量 も、わかりにくい問題なので「本文」としてはこれぐらいていねいに説明したほ うがいいと思います。記者発表用には、別に1ページの「要約版」を作ればいい でしょう。ただ、いくつか疑問点もあります: 「電波オークションの問題点」の中で、最大の争点である価格転嫁の問題につい て、付属資料にゆだねるような表現になっているのは弱いと思います。これにつ いては、以下の点を明記すべきだと思います: ・米国では、有料で免許を取得した業者と無料で取得した業者の料金に差は見ら れない。オークションによって新しい業者が参入し、市場が競争的になれば、料 金はむしろ低下することが経験的にも観察されている。 ・理論的にも、免許料はサンク・コストであり、料金決定の方程式に入らない (付属資料参照)。それが転嫁できるかどうかは、落札価格ではなく、価格競争 の程度や需要の価格弾力性などの市場の構造に依存するので、落札価格と料金と の間に論理的な関係はない。 ・ただ転嫁が困難であるということは、異常な高値で落札した通信業者が損失を こうむることを意味する。巨額の債務を負った業者の経営が破綻すると、金融機 関など経済全体に影響が生じるので、入札業者の自己資本額や最高落札価格など に規制が必要かもしれない。 それから、「重大な問題点」として「半永久的な使用権」の弊害が指摘されなが ら、その解決策が示されていないのも、揚げ足を取られる原因になりかねませ ん。この部分は、こんな感じにしてはいかがでしょうか: > なおオークションによって配分する権利は、従来のような排他的・半永久的な使 > 用権に限られるものではなく、一定の期限を設定する「リース」や、周波数帯を > 共有する方式もありうる。今後、電波の利用法がパケット交換主体になると、パ > ケットの総量を制限する「オープン・アクセス」でよいとする意見、さらに免許 > そのものが不要だとの主張もある(付属資料参照)。こうしたオークションの制 > 度設計については、別途提言を行う予定である。 それから、「英・独のあと落札価格が下がったのは資金難のためだ」という説 は、両国の間に行われたオランダの価格が低かったことを説明できません。原因 はともかく、「オークションの価格が必ず莫大な額になるわけではなく、英独は 特殊ケースだ」といっておけばよいでしょう。 あと重箱モードでいえば、「稀少」と「希少」が混在しているのはどちらかに統 一したほうがいいのと、4ページで「次世代携帯電話(3G)」というカッコつきの 表記が2回出てくるのが気になりました。 -- Ikeda, Nobuo GLOCOM, International University of Japan. http://www.glocom.ac.jp World Wide Vision Initiative. http://www.wwvi.org