Date: Mon, 08 Jan 2001 20:55:10 +0900 From: IKEDA Nobuo To: itme-auction@e.u-tokyo.ac.jp Subject: Re: 提言第一稿 Reply-To: itme-auction@e.u-tokyo.ac.jp 池田です。 Hajime Oniki wrote: > (2) 「電波オークション」と言うだけでは、具体的に、将来像として > 何を考えているのか分からないのではないでしょうか。 いま重要なのは「電波オークション」を行うことであり、その対象がリースかス トックかということではないでしょう。従来の裁量的な配分ではなく、公開入札 によって「市場メカニズムで電波を配分する」というコンセプトは明らかです。 「リースオークション」と特定すれば、そういう概念になじみのない人は混乱す るし、疑問を持つ人は賛成しないでしょう。私も以下のような疑問を持ちます: ・この「リース」は現状とどんな違いがあるのか。今でも法的には、免許は10〜 15年の時限つきであり、一種のリースである。これが自動更新されることが慣例 になると、リースもストックも同じことになる。 ・逆に「免許が切れたら自動延長を認めず、すべてオークションにかける」と明 文化したら、強い反対を受けるだろう。倒産してもいない企業の不可欠な生産要 素(免許)を政府が取り上げて競売にかけるというのは世界にも例を見ない制度 で、社会的な合意を得ることは困難である。 ・他方、こうした問題を避けるためにリース期間を20年とか30年とかにすると、 「居座り」を防ぐ効果はほとんどなくなる。 前にものべたように、周波数の再配置はオークションとは別の問題であり、 Cramtonらのペーパーに書かれているように、解決の方法はいくつも考えられ、 世界的にも答えは出ていません。その選択肢の一つにすぎない(しかも強い反対 の予想される)「リース」という答を、問題提起の段階である第1提言で特定し てしまうことは好ましくありません。 -- Ikeda, Nobuo GLOCOM, International University of Japan. http://www.glocom.ac.jp World Wide Vision Initiative. http://www.wwvi.org P.S. さっき送ったドラフトの注のうち、(*1)が二つ重なっていました。最初の (*1)はCoaseの1959年の論文です。