Date: Mon, 8 Jan 2001 23:51:43 +0900 To: itme-auction@e.u-tokyo.ac.jp From: 小檜山賢二 Subject: RE: 提言第一稿 Reply-To: itme-auction@e.u-tokyo.ac.jp 小檜山です。 >「政府の進める「高速インターネット」を実現するうえで、最後の1マイルと呼ばれ >るアクセス系の問題は最後まで残る難問である。光ファイバーの加入者線への普及が >そう簡単に進まない現在、10Mbps〜50Mbpsが可能な無線インターネットは、さしあた >り広帯域インターネットのインフラとしては最短距離にある。このカードはすでに1 >万円程度で市販されており、基地局も3万円の"AirMac"を取り付けるだけでよい。周 >波数さえあれば、月数千円で10Mbps程度は実現でき、「5年以内に3000万世帯に高速 >インターネット」という目標も不可能ではない。」 誤解があるといけないので確認します。 ここでいう10Mbps〜50Mbpsは、LANでいう10BTとか100BTとおなじで、 バス速度です。つまり、この基地局につなぐ複数の加入者が共用することになります。 したがって実際にどの程度の速度になるのかは、ケースバイケースです。 「5年以内に3000万世帯に高速インターネット」という目標も不可能ではない。 については、IEEE802.11aでいろいろ検討されています。 平面的にサービス領域を連続的に作るとすれば、干渉を避けるために 12〜16チャネル必要となっています。 1チャネルの帯域幅は20MHzです。ということは少なく見積もっても200MHz 程度の帯域が必要ということになります。 一地域3社とすれば、この3倍600MHz必要ということになります。 ただし、この数字はパケット的な使用法でどの程度緩和されるかは 検討されていません。 このように、既に様々な検討がされており、具体的な数字を出すならば 相当の検討をしておかないと、足下をすくわれる可能性があります。 今回はあまり、具体的な数字を出さない方がよいと思います。 それから、 「さしあたり広帯域インターネットのインフラとしては最短距離にある」 を否定はしませんが、あくまで「さしあたり」です。つまり、 ワイヤレスは速度ではファイバーにとてもかないません。 このため、ワイヤレスを「固定通信」に継続的に使うことには 反対です。 免許条件を「移動」として、勝利の移動への利用への道を残しておくべきと思います。 その方が、電波の価値も大きくなると思います。 今井先生のおっしゃる「周波数の利用効率」には様々な側面があります。 ディジタルになったからといって、 夢のような利用効率を実現できるわけではありません。 ただし、今の携帯電話ぐらいの利用効率をすべての周波数で実現できれば 周波数の不足などなくなることは確かだと思います。 従って、今井先生のいわれる 「電波の希少性は制度に起因する見かけ上のもので、 制度を変え新技術を活かすことことによって電波資源自体 も増大し、驚くほどの多様な活用が可能になる」 については依存ありません。 池田さんの命令で書いた周波数利用に関する駄文を以下に示します。 先日の発表を手直ししたものです。 図面は除きましたので、それほど重くないと思うので 全部を載せておきます。 ************************************************************ 1.ワイヤレスアクセスシステムの動向 (1)IMT2000のインパクト 次期携帯電話システムとして、全世界で開発が進むIMT2000のアクセス速度 は、移動時384kbps、静止時2Mbpsといわれる。現時点での一般的な使用にお ける加入者線速度の上限は、ISDNの128kbpsである。光ファイバが敷設されれ ばその速度は100Mbps以上も可能となると思われるが、その実現には長い時間と莫 大な投資を必要とする。一方、XDSLの利用も日本では思うように進んでいないし、光 ファイバと同様その利用は、都市部など需要の多いところになるだろう。衛星による インターネットアクセスには大きな可能性があるが、容量的な限界がある。つまり、 日本全体から展望すると、IMT2000が最も高速であるという領域が圧倒的な割合にな る可能性が強いのである。  IMT2000のサービスが始まると利用者はどのような使い方をするだろうか。勿 論基本は電話なのだろう。しかし、電話サービスの場合利用者から見れば、料金と音 質・サービスエリアなどが満足できれば、PDCでもcdmaOneでも別に構わない。 一方、データサービスの場合は通信速度が大きな要素となる。ISDNの3倍も高 速の移動通信サービスが出現するのである。IMT2000のサービスが始まるとデー タ通信の利用者は、確かに移動通信サービスとして加入するものの、実態としては最 も多くの時間を家庭からの高速加入者線として利用することになるのではないか。そ して、インターネットなどデータ通信利用者にとっては、パッケットは大きな魅力で ある。 1)通信速度の点である時期・大部分の地域(人口比ではない)でワイヤー系を上回る 2)当然移動通信としても利用可能 3)特定加入者だけを対象にしたりはしない、基本的にユニバーサルサービス的要素 を有している 4)当初からパッケットサービスを予定している  これらの点を考えるとIMT2000は、次世代のアクセス系に大きなインパクトを与え そうである。このように、IMT2000のサービス開始を起点として、ワイヤレスア クセスとワイヤーアクセスが対等に扱われる時代がやってくる。ワイヤー系を主とし て、ワイヤレスが補助を行うという考えは捨てた方がよい。 (2)ワイヤレスLANの躍進  今ワイヤレスLANが注目されている。ワイヤレスLANは以前より存在していたのだ が、そのマーケットは大きいとはいえなかった。その原因は通信速度とコストにっ た。屋内利用では、ワイヤタイプのLAN の速度は10Mbpsか、100Mbps最近では ギガビットということがいわれるまでになっている。これに対して、ワイヤレス LANは数メガビット程度にとどまっていたからである。  そんなワイヤレスLANが注目を集めている原因は、1)10Mbps以上の速度が可能と なった、2)機器の小型化がすすみ、PCMCIAカードで利用できるようになった、3) 価格の低廉化が進んだ、等を挙げることが出来る。  このような動向を受け。インターネット用高速アクセス系として、ワイヤレス LANを屋外で使おう気運が高まった。ワイヤー系の設置が難しい屋外であれば、10 Mbps〜30Mbpsの通信速度が可能になれば、超高速アクセス系としてコスト・設置 に要する時間などの点で、十分ワイヤー系に対抗できると考える人が多いからであ る。。  このような利用法を可能にするためには1)周波数の利用規程の変更、2)10M bps〜30Mbps伝送を可能とするワイヤレスLANの開発という二つの要素が必 要であった。  周波数の利用においても、規制から自由使用へと大きな流れが変わりつつあること を感じる。自由空間という共通の伝送路を使用するワイヤレスシステムでは、その利 用法に何らかの決まりを必要とすることは今後も変わりがないだろう。しかし、 ISM(Industrial, Scientific and Medical)Bandのように自由に使える周波数が増大 する傾向になるのではないだろうか。問題が生ずれば、利用者