Date: Sat, 06 Jan 2001 20:56:21 +0900 To: itme-auction@e.u-tokyo.ac.jp,Jitsuzumi Toshiya From: Hajime Oniki Subject: Re:提言第一稿 Reply-To: itme-auction@e.u-tokyo.ac.jp 奥野様  鬼木甫(大阪学院大/大阪大/関西大)です。  以下、小生が賛成する点(I)と、必ずしも全部賛 成しない点(II)に分けて書きます。(*)は、提言に 追加・修正予定、の意味です。IIについては、他の 方のご意見も待ちたいと考えます: I.  (1) >�Aヨーロッパの3Gオークションの評価については、競争促進や新ビジネス促進を >あげる >前に、まず「周波数割り当ての透明化に大きく前進した」ことを強調してほしいの >ですが >、それは事実ではないのでしょうか。  そのとおりと思います。米国でも同じでした。(*) (2) >�B電波オークションの利点が1から5まで掲げられてある後に、「リセールを認め >ない場 >合と比較して、上記と同様の議論が成立するからである」という文章があるのです >が、読 >者にはちょっと意味が取りづらいと思います。「リセールを認めないと、電波利用 >に関心 >を失った事業者が所有し続けるなど、オークションを導入するメリットが消滅・減 >退して >しまうからである。」とでもいった文章の方が良いように思います。文章の内容は >お任せ >しますが、ご一考願えますか?  たしかに分かりづらいところです。(*) (3) >�DWinner's >curseについては、「オークション時の勝敗の差」と定義するよりは、「電波 >価値を事前評価が高すぎる企業が落札する」という定義の方が適切だと思います。 > >�Fいずれにせよ、ここと直後の部分は、価格転嫁されても、それは入札収入という >形で政 >府収入になり、財政再建に役立ち増税を減らせる。いわば国民は、税の代わりに高 >価格を >払うことになる。これに対して、オークションをせずに従来型の免許制度で行うと >、電波 >を手にした事業者は独占的な価格設定を行うから、国民は税も払い高価格も受け入 >れざる >を得ないと言う「踏んだり蹴ったり」状態になり、特をするのは、免許を受けた事 >業者だ >ということになる。という趣旨を強調していただくと良いと思うのですが。 > >�C<(価格転嫁の問題)」と>という部分は、<(価格転嫁)の問題」と>とすべ >きでは >ないでしょうか。また、高落札額の問題も同様です。  同意です。(*) II. (4) >�@旧来の割り当て方式に対する批判と言うところで、「例えば、大部分のテレビ用 >周波数 >がメディアの系列会社に与えられるなど」という文章を入れたいと私は思います。 >提言を >マスメディアが取り上げてくれなくなるリスクと比較して、どちらがよいか即断し >かねる >のですが、この点に私は怒り心頭に発しています。  「周波数の割当」と「放送局の系列化」のどちらが 歴史的に先に生じたかの問題があると思います[> ●●池田さん、御存知でしたら乞御教示]。他方、こ れまで政府は新規テレビ局用の周波数の割当には (周波数が余っているのに)きわめて消極的だったの で、この点を批判することが考えられます。 (5) >�G提言の中に、「すでに免許を与えた電波で、その免許終了期限が3年以上のもの >につい >ても、2003年度末に免許を終了させ、その段階でオークションなど新たな仕組 >みで電 >波を再配分することを、現時点で公表する」という項目を付け加えてはどうでしょ >うか? >そうすれば、移し替えを考える必要があるのは、今後3年間になり、3年後にはよ >り効率 >的に電波全体を管理できるように思うのですが。  免許にはいろいろ種類があり(たとえば航空会社、 新幹線用、タクシー無線から予備校の放送教育用ま で)、それぞれに設備投資と雇用が付いているので、 よほどの非常時でないかぎりこの種の全般的「モラト リアム」「ビッグバン」は困難と思います。範囲を限定 (たとえば携帯電話用)すれば可能かもしれませんが。 今後の研究会で検討しては如何ですか。(ちなみに小 生は、電波資源配分制度の改革には、早くて10年以 上かかると思っています。) (6) >�Hラスト・ワン・マイルの解決法として極めて重要な問題であるという論点、談合 >の問題 >、相互接続の強制と接続料規制の問題、すべての電波を買い占めて独占しようと言 >うイン >センティブの問題、などが抜けているようにも思うのですが、如何でしょうか。  たしかに重要問題ですが、今回はトピックを絞るため に割愛しました。ただし、「電波の独占的買い占め」に ついては、第1稿の註(2)で触れてあります。 (7) >�E価格転嫁の問題については、できるだけ理論武装をした方が良いと思います。落 >札額が >サンクされてしまうというのが、田中さんなどの御意見ですが、「サンクされるの >は落札 >額が回収不能だという場合」です。しかし、ここではリセールを明示的に主張して >いるの >ですから、サンクされるのはリセールで回収できない(つまりwinner's >curseや予測の誤 >りに基づく、正常価格からの超過額)部分だけになるはずです。私は、できれば >「専門家 >の間で諸説が分かられている」というのは、読者に対する説得力を失わせるので、 >われわ >れの意見をこのMLで火曜日までに決定し、それを最終案に繁栄したいのですが、 >如何で >しょうか。(>田中さん、今井先生、その他の方々、どう思われますか?)  a. 「意見集約が望ましい」点については賛成です。(*)  b. 理論武装(案)を提言付属資料として早目に作成    予定です。  c. 田中さん意見、ヨーロッパで池田さんがインタビュ    ーした人の意見の「サンクコスト」は、「固定費用」    のことだと思います。「サンクコスト」は、主として物    理的な理由から、設備投資のように、再販価格・ス    クラップ価格が取得価格を大きく下廻る場合の回復    不可能部分で、固定費用の一部になります。他方、    生産物・サービスの価格から「独立している」と通常    言われている(つまり限界費用に影響しない)のは、    固定費用で、ストックオークション代金(Winner's cur    seとそれ以外も含め)の利子・償還分(リセールのと    きは、リセール時点までの分)や、リースオークション    の賃借料は固定費用に入るわけです。したがって問    題は、「固定費用が(オークションで)増加したときに、    生産物価格がどうなるか。」になるわけです。(●●こ    の点について、モデル等を設定して分析しているペー    パーをどなたか御存知でしたら、乞御教示)                               草々 ========================================================= 氏名: 鬼木 甫(大阪学院大学経済学部教授/大阪大学名誉教授 /関西大学客員教授) 連絡先: 〒564-8511 大阪府吹田市岸部南2-36-1                 大阪学院大学経済学部 Tel: (06)6381-8434(オペレータ内線5701、メッセージ預託は内線1359) Fax: (06)6835-4422  Tel: (06)6835-4417 (自宅) PC:  Windows98(文書ソフトはMSWord2000、一太郎9、WordPerfect7) E-mail: oniki@alum.mit.edu Web: http://www.osaka-gu.ac.jp/php/oniki/ =========================================================