TRIZ 論文/解説

技術革新のための問題解決技法TRIZ/USIT
〜 その思想・方法・知識ベース・ソフトツール 〜

  中川 徹 (大阪学院大学)
  日本創造学会論文誌、第8巻、2004年号、49-66頁 (2005年 1月刊)

    [掲載: 2005.11.30]

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編集ノート     (中川  徹, 2005年11月29日)

本論文は、上記のように日本創造学会論文誌第8巻に掲載されたもので、本年10月29日に同学会より「日本創造学会論文誌論文賞」をいただいたものです (第8巻に対する 2件のうちの一つ) 。

この論文のもとになったのは、2004年2月27-28日に北陸先端科学技術大学院大学で行なわれた「第1回知識創造支援システムシンポジウム」 (主催: 日本創造学会、 北陸先端科学技術大学院大学) に招かれて話しました、同題名の招待講演です。その講演資料は、本『TRIZホームページ』にすでに和文 (2004. 3. 3) および英訳 (2004. 8.26) で掲載しています。また、それを本ホームページでの (初めてTRIZを学ぶ人たちのための) 「TRIZ紹介」の最新記事として扱いました。

この論文に記載した「概要」は以下のようです。

[概要]

TRIZ (「発明問題解決の理論」) は、旧ソ連の民間でアルトシュラーとその弟子たちが50年かけて開発した、技術思想であり、科学技術を技術の立場から整理する方法論であり、創造的な技術開発の思考法、発明のための技法であり、これらの観点から技術を整理した膨大な知識ベースの体系であり、同時に、それを実装したソフトウェアツールをも含む。TRIZは冷戦終了後に西側に伝えられ、現在、米・欧・日・韓で企業への導入が進みつつあって、技術革新のための強力な方法として注目されている。本稿は、TRIZの全貌を、思想・方法・知識ベース・ソフトツールというレベルごとに整理して論説する。特に、本稿で筆者は「TRIZの思想のエッセンスを学び、問題解決の方法としてはTRIZを簡単化・統合化したUSIT法 (「統合的構造化発明思考法」) を使い、TRIZの知識ベースを活用すること」を推奨しており、このやり方を「着実な導入戦略」と呼んでいる。

昨年2月に招待講演をしましたときは、大部分の参加者がTRIZについて聞いたことがないものと想定して、できるだけ分かりやすくTRIZの全貌を適切に紹介することに努力しました。特に、多面性をもち、多年の開発の歴史をもって、膨大な体系を成しているTRIZを、その最新の成果を踏まえて、きちんと整理して示すことを工夫しました。また、参加者の大部分が大学関係の研究者であることをも考慮して、小生の大学でのゼミの成果をいくつか盛り込みました。この講演に好評をいただき、それをベースに日本創造学会論文誌に投稿した次第です。

日本創造学会論文誌には査読 (2名) があり、この論文は難産でした。「紹介」の面を持っており、「レビュー」的な要素を持っていて、学術的な「原著論文」と言えるか?という問題でした。著者として小生が主張したのは、おおよそ以下の点です。

このような経過を経て採録された本論文が「論文賞」をいただいたのは、まことにありがたいことでした。なによりもうれしいのは、永年の (日本独自の) 創造性研究の歴史を持つ日本創造学会が、TRIZを「注目すべき重要な創造技法」として認識したことです。また、日本におけるTRIZ/USITの研究が、「海外のものの単なる紹介」ではないと評価してもらえたことです。日本において (また西側諸国において) TRIZはまだ学術界にきちんとした地歩を築けていませんが、今回の日本創造学会の論文賞がその一つの足がかりを与えてくれたのだと思っています。TRIZは、今後、産業・技術界だけでなく、学術界においても、しっかりした寄与をしていかなければならないと思います。

以上のような概要と経過をもつ本稿ですが、日本創造学会の許可を得て、以下にPDFファイルで掲載いたします。掲載許可をいただきました日本創造学会に感謝いたします。

日本創造学会 (Japan Creativity Society) [会長: 高橋 誠、理事長: 国藤 進] Webサイト: http://wwwsoc.nii.ac.jp/jcs2/

 

[目次]

1. はじめに

2. TRIZの思想 (そのエッセンス)

3. TRIZにおける問題解決の方法 (技法)

3.1 新商品の開発のための予測技法
3.2 問題 (課題) を定義する方法
3.3 問題のシステムを分析する方法
3.4 「矛盾」を解決する方法
3.5 理想をイメージする方法
3.6 解決策を生成する方法
3.7 創造的問題解決のプロセス

4. TRIZの知識ベースとソフトウェアツール

4.1 「40の発明原理」
4.2 「矛盾マトリックス」
4.3 「物理的効果」の知識ベース
4.4 「機能目標から実現手段を探す」知識ベース
4.5 「進化のトレンド」の知識ベース
4.6 TRIZの知識ブースの位置づけ
4.7 TRIZのソフトウェアツール

5. TRIZの導入・普及と今後の発展について

参考文献

 

論文 (A4 18ページ) (PDF形式 337KB) ここをクリック

 

本ページの先頭 論文 (PDF) 2004.2 招待講演論文 2004.2 講演 論文英文 日本創造学会サイト

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最終更新日 : 2005.11.30.     連絡先: 中川 徹  nakagawa@utc.osaka-gu.ac.jp