TRIZ研究ノート
技術者の創造性の発揮と超発明法TRIZについて
  上田   宏 (ミノルタ株式会社)
  関西設計・製造ソリューション展専門セミナー基調講演テキスト集 (1999年10月12日)
  掲載: 1999年11月15日  [補足13を追加掲載: 99.12.13]
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編集ノート:  (中川, 1999年11月 9日)

   本稿は国内の読者から寄稿いただいた最初の本格的な記事です。ミノルタ(株)の上田 宏氏から寄稿いただいたもので, 表記のような展示会の基調講演のテキストです。 内容は大変豊富で, バラエティに富んでいます。 歴史的な発明や自社の発明について, TRIZを「後付け」で用いて説明しています (特に, 「技術的矛盾」の形に定式化して, TRIZソフトツールを用いて, ヒントが得られることを検証しようとしたものです)。「後付け事例作成後記」には, この体験からの評価を記しています。TRIZと他の発明技法を比較して論じているのも本稿の特徴です。読者の皆さんの参考にしてください。

   本稿は, もともとMS Wordの大容量の文書でいただきましたが, 読者のダウンロードの便宜を考え, 著者の了解と, 三菱総研の協力を得て, HTML形式に変換しました。原テキストと体裁が異なりますが, 内容はもとのままです。講演集のテキストのため, 表現が簡略化されていますが, 著者の言わんとするところは十分に理解できるものと思います。

   寄稿いただきました 上田宏氏と, ファイル形式の変換に協力いただきました三菱総研に感謝します。

   著者の電子メールアドレス:    <hirosi_ueda@ngw.minolta.co.jp>    上田 宏 (ミノルタ)

追記 (1999.12.11  中川)  著者上田氏より, 補足資料13 「田口メソッドとの比較」の原稿(99.11.19)の追加の依頼があり, 受領(99.11.30)。


"技術者の創造性の発揮と超発明法TRIZについて"

1999年10月12日 ミノルタ(株)人事部次長 上田宏
目次
    1. 技術者の創造性の発揮と超発明法TRIZ
    2. 超発明法TRIZ要約
    3. TRIZ発明原理VSオズボーンのチェックリスト
    4. 発明のTRIZ後付け事例 I (世界の歴史的大発明の事例)
    5. 発明のTRIZ後付け事例 II (日本の大発明の特許事例)
    6. 発明のTRIZ後付け事例 III (異業種の共通発明原理の例)
    7. 発明のTRIZ後付け事例 IV (光学機器分野の特許事例その1)
    8. 発明のTRIZ後付け事例 V (光学機器分野の特許事例その2)
    9. アルトシューラー・マトリックスと40の発明原理 [zipファイルをダウンロードして, Microsoft Excelで見て下さい]
    10.  発明のTRIZ後付け事例作成後記
    11.  参考資料 :  創造性(発想)の技法
    12.  補足資料 :  技術者の能力の二面性(デユアリテイー)と技術者教育
    13. 補足資料 : TM(田口メソッド)とTRIZの比較相関   [本項目は 1999.11.19追加原稿]
(1999・10・12関西設計・製造ソリューション展専門セミナー基調講演テキスト集より)
参考文献:
 
本ページの
先頭
1. 本文 2. TRIZ要約 3. オズボーン法
   との対比
4. 後付け1 
世界的発明
5. 後付け2 
日本の発明
6. 異業種での共通性
7. 自社特許事例1 8. 自社特許事例2 9. 矛盾解消の
マトリクス
10. 後付け事例
  作成後記
11. 創造性の
各種技法
12. 技術者能力の
二面性
13. 田口メソッドとの比較




 
1.  技術者の創造性の発揮と超発明法TRIZ
1999年10月12日 ミノルタ(株)上田宏

    1. 技術者の創造性育成の意義

    21世紀企業の市場価値は財務資産に加えて知的資産(インテレクチュアル・キャピタル)が重要で、 Knowledgeマネージメントが企業格差の決めてであり、技術者の知的生産性の向上がなを一層期待 される。技術者の知的生産性の向上は技術力を使って具現化するエンジニヤリング(具現性)に加え新しいものを創造するクリエイテイブ(創造性)の発揮を図る事にある。
    技術者の知的生産性=エンジニヤリング(具現性)×クリエイテイブ(創造性)

    2. 創造性の定義

    "過去の知識経験を解体結合して新しい効果を実現すること"…素材の改善結合(オズボーンの定義)

    3. 創造的環境の育成 −創造を生む意欲(気付き)と実行性を身につける−

    1. 発想障害(メンタルブロック…・頭のサビ)の関の排除の習慣付け

    2. *認識の関(知覚的障害)…・自分勝手に条件をつける、思い込み
      *文化の関(社会的障害)…・知識、ルール、慣習を鵜呑みにする
      *感情の関(心理的障害)…・批判、恥を気にする。ネガテイブな感情⇔プラス思考
    3. 創造的所産を尊ぶ風土…・特許、改善の奨励、アイデイア発展会
    4. 創造技法の学習と実践…・BS法(批判厳禁、自由奔放、量を求む、他人のアイデイアの結合改善) ゴードン法、、NM法、KJ法、シネクテクス法、系統図法、入出力法、特性列挙法、欠点・希望点列挙法、  チェックリスト法,、強制連想法、焦点法、ポジショニング法、…超発明法TRIZ

    4. 創造性発揮のポイント

    創造を生む特性の発揮―J.P.ギルホード
    1. 問題の感受性…・困る事、感激する事(ホメオスタシス…自然治威力が湧く)、好奇心が有る事
    2. 思考の流暢性…・アイデイアを沢山出す、量が質を生む
    3. 思考の柔軟性…・異なった角度からアイデイアを出す
    4. 思考の独自性…・ユニークなアイデイアを出す
    創造のステップ発想−ウエルトハイマー ひらめきの3B・・ベッド・湯川秀樹、バス・豊田佐吉、バース・アルキメデス
    1. 構造化………・問題の全体構造を客観的に明らかにする
    2. 中心転換……・ヒント、*ひらめきによる認知構造の組替え。問題解決決め手を構造の中から掴む
    3. 再体制化……・状況を新しい見方に応じて新しい構造を見直す
    創造的思考の観点―単純模倣でなく模倣のヒントから新しい効果を生む創造模倣をする―ゴードン  
    1. 馴質異化……・見慣れた物を新しい角度から見直して発想する 類比(アナロジー、似た物連想)
    2. 異質馴化……・一見、関係無い物の共通点を見出す発想の仕方 シネクテクス(血液とボイラー)
    創造は森を見て木も見る ⇒ 拡散思考(森)×集中思考(木)=抽象的思考(意味ある回り道)×具体的思考
       =好奇心×集中力=音楽脳(右脳)×言語脳(左脳)=知恵を引張り出すテクニック(TRIZ )×目的意識

    5. 技術者の創造性発揮の手段としての超発明法TRIZの意義

    1. 技術者の創造性発揮の原点は創造模倣であり、創造模倣の成果はデータベースの活きた知識数と ひらめきの良さに因る。TRIZは250万件もの特許の統計的分析をもとに発想思考と知識を体系化 したもので,技術者が創造的アウトプットを上げるためのヒントを得る有効なツールとして奥が深い。
    2. 能力の発揮の育成は気付きと実行性を揚げていく事だが、TRIZは技術者の創造性発揮のための 過去の発想技法を越えた体系化された発想技法で創造性育成の本格的な教科書を持ち、実行性が高 く、技術者の能力開発及び創造性発揮の成果を得る手段として期待できる。
    3. 創造性の発揮はモノ(製品の改良)にも、コト(やり方)にも役立つが、財を生む特許に繋げる。特許を取る事が富士山の登頂とすれば、従来発想技法が5合目まで、TRIZは8合目まで連れてくれるバスで便利だが、それでも残りの一番厳しい道のりは登山者の自助努力なしでは済まない。




 
2. 超発明法TRIZ要約
1999年10月12日 ミノルタ(株)上田宏

TRIZ(発明問題解決の理論)は旧ソ連で1946年にゲンリッヒ・アルトシュラ−が「技術の改良発展には分野や時代を超えて共通する要素が多く、そのエッセンスを多数の事例(250万件の特許)の統計的分析に寄り発明原理として集約すると共に、その原理を検索し易くする事により、誰でも発明家に成れる。」という創案をした事に始まる。以来、TRIZは多くの人の支援を得て体系化し母国ロシアで発展を続け、冷戦終了後に西側に知られるように成った技術革新(問題解決)の方法論である。

最近は米国でTRIZのソフトウエアー化が進展して急速に普及し始め、日本でも昨年から本格的な導入が始められTRIZをベ−スにしたソフトウエアーを三菱総研(米国インベンション・マシーン社の知識活用と革新的設計手法ITDのTOPE3.0J)、産能大学(アイデイエーション社のIWB)が販売及び指導に勉めている。

このソフトを使うと我流の試行錯誤で問題解決するのと比較して筋の良い情報(TRIZ手法、科学法則、特許例のイラストと説明文のDB・・デターベース)を実際的問題解決のヒントとして得ることが出来る。
 

TRIZは今も進化を続けその手法は多岐に渡るが、主には3つのテクニックで問題解決のアプローチをする

  1. あらゆる分野の特許を分析し特許が解決した工学的問題の解決策を一般化すると40の発明原理に集される。工学的問題はある特性を改良しようとすると、その副作用により別の特性が悪化してしまうとい技術的矛盾から成る問題が多い。40の発明原理の内の推奨原理を改良−悪化の39個ずつのパラメーターからなる矛盾解消マトリックス(アルトシュラー・マトリックス)より選び問題を解決していく。
  2. … 発明原理 Principles

     
  3. 創造的で理想的な解決を実現した特許は科学的な法則・原理・現象を利用したものが意外と多い。

  4. TRIZは工学的問題解決にもっと科学を使う事を進めている。問題の所望の機能を実現するため、その機能をキーワードにした逆引き辞書的に工学的効果(科学的原理、法則,現象)を見つけ、その効果を利用した特許例等のデーターベースをヒントにして問題を解決していく。
    … 効果 Effects

     
  5. 特許の分析より技術システムも生物学的システムと同様にS字曲線を呈する事が解かり、特定のパターンに従って進化させて行く思考の展開は技術トレンドと標準解(プリデイクシオン・ツリー、65個)を生む。技術システムの二つの物質間の技術作用(相互作用の強さ、方向、時間、構造)を改善する問題(物質-場モデルで表現)に適応される。改善の標準解としては、新しい物質の導入、改良物質の導入、物質と 物体の細分化等で、技術トレンドを参考にしながら改良案を作成していく。
  6. … 予測 Pridiction
TRIZ三つのテクニックによる発明ヒントの検索方法と問題解決の例
 
  テクニック 検索方法 (TRIZは検索に工夫あり) 発明のヒント (ヒントは使う人が生かす) 問題解決の例
1. 発明原理
Principles
技術的矛盾解消マトリックス使用
改良のパラメ-タ39個(質量、長さ、面積、体積、力、圧力、形状)
悪化のパラメータ39個(″)
発明原理40個と事例
(1細分化、2分離、3局所性質、4非対象性、5組み合わせ、6汎用性、7入れ子構造、8つり合い、9先取り反作用、10先取り等40個)
指示棒の改良
(移動物体の長さ・・長く)
(移動物体の体積・・増す)
[7入れ子構造。4、17、35パラメーター変換]⇒[入れ子状伸縮自在の指示棒]
2. 効果
Effects
技術的所望の機能を挙げる
物質を動かす(気体、固体を動かす) 
物質を得る(気体、固体を生じる)
場を発生する(電場、磁場を創る)
科学的法則・原理と事例
(アルキメデスの原理、イオン化、クーロンの法則、ゼーベック効果、超熱伝導、逆ピエゾ効果、形状記憶効果等の利用例)
糸の通し易い針
(パラメーターを変化させる)
(寸法を変える)
(形状記憶効果)⇒
[温度で孔の変わる針]
3. 予測
Prediction
技術システムの2つの対象物の改良したい相互の技術作用(強さ、方向、構造、時間)からを選び、技術トレンドに沿った標準解(65個)のツリーで展開する。 技術作用の改良標準解と技術トレンドと事例
新しい物質の導入(固体、粒子、液体)改良物質の導入、モノーバイーポリ、物質と物体の細分化(機械的な場、重力、振動)等
シリコンウエハー保持グリップの改良
(物質と物体の細分化)
―場を導入する。
 ・気体の圧力場
 ・磁場の利用⇒
[マグネチックグリップ]



 
3.  TRIZ 発明原理VSオズボーンのチェックリスト
1999年10月12日 ミノルタ(株)上田宏
    TRIZ発明原理 人  物     オズボーンのチェックリスト
 1  分割原理    (5) 縮小分割したらどうか、取り除いたら 
  2  分離原理 
 3  局所性質原理  ○       
  4  非対象原理 
 5  組み合わせ原理 (9) 組み合わせたらどうか
 6  汎用性原理     (1) ほかに使い道はないか 
 7  入れ子原理  ○       
 8  つり合い原理     ○    
 9  先取り反作用原理  ○       
10  先取り作用  ○       
11  事前保護原理  ○       
12  等位性(等ポテンシャル)原理  ○  ○    
13  逆発想(リバース)原理  ○     (8) 逆にしたら 
14  曲面(回転楕円形)原理     ○    
15  ダイナミック性原理  ○  ○    
16  アバウト(部分的又は過剰解決)原理  ○       
17  多(新)次元移行原理  ○       
18  機械的振動原理     ○    
19  周期的作用原理  ○  ○    
20  有用作用の連続性原理  ○       
21  超高速作業実行原理  ○     (4) 拡大したら、長くしたら、多くしたら 
22  害を益に変換原理  ○     (7) 入れ替えたらどうか 
23  フイードバック原理  ○       
24  仲介原理  ○       
25  セルフサービス原理  ○       
26  代替(模倣品をコピー)原理  ○     (2) ほかにアイデイア借りられないか、類似は (6) 代用したら 
27  高価長寿命より安価な短寿命の原理  ○    
28  機械的システム代替原理     ○    
29  流体利用(空圧又は油圧機構)原理     ○    
30  柔軟な殻又は薄膜利用原理     ○    
31  多孔質材料利用原理     ○    
32  変色利用原理  ○     (3) (色、意味、形,音等)変えたらどうか 
33  均質性原理  ○  ○    
34  部品の排除/再生原理  ○       
35  パラメター変更原理     ○    
36  位相変相原理     ○    
37  熱膨張原理     ○    
38  高濃度酸素利用原理     ○    
39  不活性雰囲気利用原理     ○    
40  複合材料原理     ○    
*人=人間の考え方,物=物理的又は材料的な手段で、TRIZ発明原理40の内、人=27、物=18個

オズボーンのチェックリストは人間の考え方(9個)ばかりでTRIZ発明原理40に包含される。原理は容量が格別に多い。




 
4.  発明のTRIZ後付け事例 I(世界の歴史的大発明の事例)
1999年10月12日 ミノルタ(株)上田宏
歴史的大発明と発明者  [例1]グーテンベルグの印刷機 [例2]ノーベルのダイナマイト
発明の年代  15世紀  1866年 
発明の前の公知技術 文字を彫った版木にインクを塗って紙に印刷していた。  1847年イタリアのソブレロがニトログリセリン火薬を発明。 
発明の課題  版木に文字を掘るのは時間がかかる。早く印刷出来るようにしたい。  グリセリンは落とした時の衝撃等で爆発し易い。使わない時は安全で爆発しないようにしたい。 
発明の概要 版木を文字を1字ごとに分割し、 その文字版を束ねた植字タイプの原盤にインクをつけて印刷する印刷機 ニトログリセリンを直に容器にいれないで,多孔質の珪藻土に染み込ましたものを使い安全性を確保したダイナマイト
TRIZの発明原理による発明への応用 版木を掘り(作り)易くするには柔らかい材質の木を使う事になり動く物体の運動の持続性(耐久性)が悪化する。 ニトリグリセリンの使わない時でも発火性が高いと言う副作用を改善すると装置が複雑になる懸念がある。
改善のパラメーター:32作り易さ
悪化のパラメーター:15動く物体の運動の持続性
改善のパラメーター:31悪い副作用
悪化のパラメーター:36装置の複雑さ
発明原理:
1 分割原理
4 非対象原理
27 高価な長寿命より安価な短寿命の原理 
発明原理:
1 分割原理
19 周期的作業原理 
31 多孔質材料利用原理
発明へのアプローチ  1 分割原理 
版木全体に掘られた文字を1字毎に分割して並べて埋め込んだ版にインクを付けて印刷する印刷機

 判木を文字1字ごとに分割した文字を
 束ねた植字タイプの印刷機 
31 多孔質材料利用原理
多孔質の圭操土に染み込ませたニトログリセリンにより耐衝撃発火性を改良したダイナマイト




 
5.  発明のTRIZ後付け事例 II (日本の大発明の特許事例)
1999年10月12日 ミノルタ(株)上田宏
歴史的大発明と発明者  [例1]田熊常吉のタクマ式ボイラー [例2]石橋正二郎のゴム引き地下足袋
発明の年代  1912年 1864年
発明の前の公知技術 ボイラーの中にある沢山なパイプの水は熱せられて上に昇るばかりで冷たい水との交換が悪く熱水循環の悪いボイラーであった。  布製の足袋は作業性が良く動き易いが靴がわりに使うと湿気が入り持ちが悪い地下足袋であった。 
発明の課題  パイプによる熱循環効率の良いボイラーの開発  濡れた所でも使え、長持ちのする作業のし易い靴 
発明の概要 ボイラーのパイプの一つを太くして、その中にもう1本細いパイプを設け、直接火の当たらない細いパイプに冷えた水を下降させて水流を良くし熱効率を改善したタクマ式ボイラー。 下部一帯をゴム引きした地下足袋
発明の成果 燃費の良いボイラーの発明で日本10大発明と言われる 2億足/7年 売れる
TRIZの発明原理による発明への応用 ボイラーのエネルギーの損失を改善するには装置な複雑になる懸念がある。 地下足袋の耐湿性や耐久性の信頼性を良くするには布を厚く物質の量を増やさねばならない
改善のパラメーター:22 エネルギーの損失
悪化のパラメーター:36 装置の複雑さ
改善のパラメーター:27 信頼性
悪化のパラメーター:26 物質の量
発明原理:
7 入れ子原理
23 フィードバック原理             
発明原理:
3 局所性質原理
21 高速実行原理 
28 機械的システム代替原理 
40 複合材料原理 
発明へのアプローチ  7 入れ子原理
23 フィードバック原理
熱いパイプに冷えた水のパイプを入れ子にして熱水循環を良くする。

 熱効率を改善したタクマ式ボイラー
3 局所性質原理
40 複合材料原理 
地下足袋の布に加えて局所(地面に当たる所)を耐湿性の良い別材料(ゴム)に変える         



 
6.  発明のTRIZ後付け事例 III (異業種の共通発明原理の例)
1999年10月12日 ミノルタ(株)上田宏
共通の発明原理の内容 一つの物体別の機能の物体を付けて安定保持持続性を維持するには両者の間に異質な物質の層を介在させること(3 局所性質原理)で安定維持する。
特許 No. [例1]特公平7―64033 [例2]特許登録1,193,631
発明の名称 接合形光学部材及びその製造方法 被覆超硬合金
出願人 ミノルタ(株) 三菱金属(株)
発明の分野 ミノルタ一眼レフカメラの交換レンズ 三菱金属の切削工具スーパーダイヤコート
発明の目的  ガラス透明樹脂の接合形光学部品の接合の持続耐久性を上げる。 被覆硬質層と超硬合金基体からなる切削工具の耐摩耗性と靭性を上げる。
発明の概要
(特許請求の範囲の主旨) 
球面ガラスレンズに非球面形状の面形状を持った透明樹脂層を積層した接合形光学部材において
対候性の高い高硬度の非球面形状のエネルギー照射硬化型透明樹脂球面ガラスの間に、
もう一つのエネルギー照射硬化型透明樹脂を介在させて
経時接合安定性を得た接合形光学部材
超硬合金基体の表面に硬質層(膜)を被覆したものからなる被覆超硬合金において、
超硬合金基体と硬質層(膜)との間に、該合金基体より靭性に富むと共に軟質でしかも硬質膜から該基体に向かって硬さが連続的に増加する硬さ勾配を持った中間層を介在させて
安定持続性を得た被覆超硬合金工具
TRIZの発明原理による発明への応用 ガラス透明樹脂の接合の安定性を良くすると工程面等の生産性が悪くなる矛盾 超硬合金基体被覆硬質層との安定性を良くすると工程面等の生産性が悪くなるという矛盾が考えられる。
改善のパラメーター:13物体の安定性
悪化のパラメーター:39生産性
改善のパラメーター:13物体の安定性
悪化のパラメーター:39生産性
発明原理:
3 局所的性質原理(物体の均質を部分的に変える)
23フィードバック
35物体の凝集状態密度分布を変える
40複合材料
発明原理:
3 局所的性質原理(物体の均質を部分的に変える)
23フィードバック
35物体の凝集状態密度分布を変える
40複合材料
発明へのアプローチ  3 局所的性質原理(物体の均質を部分的に変える)
35物体の凝集状態密度分布を変える
40複合材料

1 高硬度の耐候性の高いエネルギー照射硬化樹脂(非球面)
2 硬化収縮歪みの小さいエネルギー照射硬化型樹脂
3 ガラス基材(球面)
3 局所的性質原理(物体の均質を部分的に変える)
35物体の凝集状態密度分布を変える


7.  発明のTRIZ後付け事例 IV (光学機器分野の特許事例その1)

1999年10月12日 ミノルタ(株)上田宏

 
発明の名称 [例1]TTL方式カメラ [例2]バイモルフ駆動素子を有するカメラ
公告 No. 特公昭48―796 ミノルタ(株)  特公平7―19016 ミノルタ(株) 
発明の前の公知技術 TTL方式カメラはレンズを通った被写体光を測光して露出を決めるので撮影中は測光が中断する。自動露出のための測光回路にはメモリーが必要であった。  カメラのシャターはスプリングをエネルギー源として歯車列のガバナーと電磁石シャッター羽根の開閉時間制御に使い、部品点数が多く大きくてコストも費やした。 
発明の課題  カメラをレリーズして撮影寸前の被写体光で露出制御するメモリー回路を廃止し、レンズを透った被写体光が撮影中変化してもリアルタイムに測光出来る自動露出方式に改良する。 
カメラの機械的な電気シャターは大きくカメラを小型にして安くするには適合し難いのでシャッター羽根を動かす駆動源を別に電気的効果の方式を探してその1次的、2次的課題を解決する。 

発明の概要 シャッター第1膜の膜面の反射率を感光材料の反射率と同程度に設定して、第1膜の膜面及び感光材料からの反射する光を測光し、シャッター第2膜の始動を制御して自動露出を行なうTTL方式カメラ 初期状態の電圧非印加状態からシャッター羽根を開く方向にバイモルフに電圧を印加して羽根を開かせた後に逆電圧を掛けて非印加状態に復帰させる駆動制御手段を有するバイモルフシャッター
TRIZの発明原理による発明への応用 メモリーを廃止してリアルタイム測光による測定精度の向上を図るとカメラの測光のコントロールの難しさが懸念される。 バイモルフにヒステリシスが有り、信頼性を改善すると、自動化のレベルアップのために高価になる懸念がある。
改善のパラメーター:28測定精度の向上
悪化のパラメーター:37コントロールの難しさ
改善のパラメーター:27信頼性
悪化のパラメーター:38自動化のレベル 
発明原理:
24仲介原理  26代替原理 
28機械システム代替原理
32色を変える原理
発明原理:
11事前保護原理
13逆原理
27高価な長寿命より低価な短寿命 
発明へのアプローチ  32色を変える原理
膜面の反射率を感光材料の反射率と同程度に設定して自動露出を行なうTTL方式カメラ
13逆原理
電圧を印加して羽根を開かせた後に逆電圧を掛けて非印加状態に復帰させる駆動制御手段を有するバイモルフシャッター




 
8.  発明のTRIZ後付け事例 V (光学機器分野の特許事例その2)
1999年10月12日 ミノルタ(株)上田宏
発明の名称 [例1]ワインダー付きカメラ [例2]ガラスコブの製造方法及び製造装置
公告 No. 特公平7―62753 ミノルタ(株) 特公平4―32772  ミノルタ(株)
発明の前の公知技術 一眼レフカメラはレンズの絞りを絞り込み、ミラーを上げた後シャッターで露光してからフイルムを巻き上げていた。連続撮影を早くしてコマ速度を上げるにはモーターのパワーを上げるばかりであった。  無研磨レンズに使うガラスコブはガラス丸棒や溶融ガラスの切断野方法で製造されていて、その表面に傷やひけを生じておりこれを熱して金型成形しても表面欠点が出て歩留まりが悪く、生産性が良く無かった。 
発明の課題  連続撮影時のシャッター回数(何回/1秒間)を上げるためにフイルム巻き上げを効率良く行なう  従来レンズ製造上の障害となっていた傷、ひけ、シャーマーク、砂目等のないガラスコブを製造するための方法と装置を提供する。 
発明の概要 フイルム巻き上げをシャッターレリーズと同時に、シャター露光開始までに、絞りやミラーの作動と並行して行なうワインダー付きカメラ 溶融ルツボで溶融されたガラス滴をのズル先端から滴下し、溶融ガラス滴の表面温度より低い温度になるまで落下を続けさせることによりガラスコブを得るガラスコブ製造方法と装置。
TRIZの発明原理による発明への応用 ワインダー付きカメラの矛盾:
   コマ速度を上げる設計をすると、
   装置が複雑になる。
無研磨レンズ生産工程の矛盾:
   工程の時間の無駄を改善するには
   不動物体の質量のバラツキが問題
改善のパラメーター:9速度の向上
改悪のパラメーター:36装置の複雑さ
改善のパラメーター:25時間の無駄
改悪のパラメーター:2不動物体の質量
発明原理:
10先取り作用原理       
28機かい滴システム代替原理       
4非対象原理       
34部品の排除再生原理

*⇒物質を分離する
   液体を分離する 

発明原理:
10アクションの先取り原理      
20有効作用の連続性原理      
26代替原理
* (効果:) 5組み合わせ原理 
発明へのアプローチ  10先取り作用原理
カメラの撮影サイクルの時系列の内、巻き上げを先取りして行なえる動作を探す。⇒
連続撮影時、シャター露光開始までの一眼レフの絞り込み等の副次作業中に、先取りして(シャッター露光後まで待たないで)、巻き上げ動作をする。 
20有効作用の連続性原理⇒ガラス溶融ノズルの温度を制御して次次と重量が一定の球状ガラス滴を受器に落とし無研磨レンズを作る。


9. アルトシューラー・マトリックスと40の発明原理

     (下記のzipファイルをダウンロードして, 解凍後 Microsoft Excelで参照下さい
   http://www.osaka-gu.ac.jp/php/nakagawa/TRIZ/jpapers/Ueda991109/ueda09.zip




 
10.  発明のTRIZ後付け事例作成後記
1999年10月12日 ミノルタ(株)上田宏

TRIZは現実の製品開発プロジェクトの問題解決に使い成功事例を作っていくのが本来の狙い であるが、それには時間が掛かるので、自社の過去の代表的な特許2、30件及び、歴史的に目 ぼしい大発明や異業種共通発明原理特許のTRIZ後付け事例作成を通して気付いた事を記す。

(1) 既存の発明を後付けで何かの発想技法を使って解くと言う作業はTRIZという発明法が出て来て始めて出来る事。TRIZの発明原理40個は発想技法の代表と言えるBS(ブレンスト ーミング)法の創案者オズボーンのチェックリスト9個全てを含み、今までの創造技法を大きく越えている事を確認できた。光学機器分野の特許TRIZ後付け事例では6、7割りが発明原理 からヒント解を得ることが出来た。

(2) TRIZの3つの手法である発明原理(Principles)効果(Effects)予測 (Pridiction)の内、 発明原理の使用頻度が一番高い。発明原理は250万件の特許を元にしたTRIZ手法の原点であり、発明の貴重なチェックリストでありることが理解出来た。発明原理は実用特許、 改善レベルの考案、VEのアイデア出しに適している。 効果は目的の機能を上げるだけで一番使い易いが、改善には比較的向かない。テーマが未開拓な分野の基本特許のヒント になるのに効果的。予測は技術システムの技術トレンドと標準解を知るのに役立つ。

(3) 発明は"問題を見つけだし、問題解決の道をつける"とすれば、問題の内容にもよるが問題解決する事の方が業種の専門性への依存度が少なく業種を越えて同じ原理で問題解決される事を実感した。問題が特定出来ればTRIZは発明に至る成功確率の高い有力なツール と考えられる。

(4) 発明当事者の意欲を引き出す動機付けは問題の価値付けにあり、TRIZは問題解決の手法で問題解決のヒントを得るには便利だが、問題の価値付けや自分の問題を明確にするためにも、VEの機能定義・整理の手法や機能モデルによる分析を併用した方が良い。

(5) 発明原理40個の内人間の考え方の問題解決法が27個(⇒人文、自然科学)、物理的又は材料的解決手段が18個(⇒自然科学)あり(広告代理店出身のオズボーンのチェックリストは人間の考え方ばかり9個),政治、経済や民事的な問題解決にも使える可能性を感じた。(現に米国で始めている。)

(6) TRIZは技術者の創造性発揮の育成のための始めて体系化されたテキストを持った創造技法で、知っていると知っていないでは技術者の創造性発揮に差が出ると考えられる。

TRIZは技術者の創造性能力開発の教材として社内教育を開始する事。

又、三菱総研等の既販TRIZパソコンソフトのデーターベースを導入して創造性の原点で ある創造模倣のヒントを得て技術者が創造性を発揮するツールとしての使用を習慣づける。

その結果、開発プロジェクトの構想設計での問題解決、発明案出、製品化段階での品質問 題解決、コストダウンVE案出し等の成功事例を積み重ねていく。




 
11.  参考資料: 創造性(発想)の技法
1999年10月12日 ミノルタ(株)上田宏
技法名(発案者) 技法の内容 技法の応用具体例
ブレーンストーミング法
(オズボーン)
 

チェックリスト法
(オズボーン)

発想障害の関((1)認識,(2)文化,(3)感情の関)に邪魔されない4つの規則((1)批判厳禁,(2)自由奔放,(3)量を求む,(4)他人のアイデアの結合改善)の元でアイデアを相互誘発する。
P.D.(問題記述)で問題の輪郭明確化
P.S.(問題解決)で創造のパターンを分類
若い女性向きカメラ
・鏡付きカメラ
・香水つき ⇒ フアッションカメラ
・警報付きカメラ・ブランド名入りカメラ

I 現状から目的 II 目的から現状 III 現状のみを考る
(1) 他に使い道が無いか (2) 真似られないか (3) 買えたら等

ゴードン法
(ウイリアム・ゴードン)
 
 
 

シネクテイクス法
(ウイリアム・ゴードン)

ブレーンストーミングの変形で、違いはテーマの出し方に有り、ブレーンストーミングが具体的にテーマを挙げるのに対して司会者の判断で問題の機能を表した動詞に抽象化する事から始め逐次具体化して行く。
 
 

*テーマの名詞に拘らずに動詞で抽象化し類似の異質情報を取出す類似思考

テーマの出し方  発想 
喫事を理解させるには  絵で見せる
物の使い方を理解させる 原理を説明する
書いた物で理解させる QA形式で
解かり易い取扱い説明書 記境轡廛薀孔

*(1)離脱(2)投入(入れ込み)(3)迂回(4)空想的思考(5)対象の自立運動:アイデアのほうからやって来る.          

シネクテクス法発展法
NM―H法
(中山正和)
 
 
 
 
 
 

NM-T法
(高橋浩)

シネクテイクスの類比思考を論理的におし進め発想(アイデアの仕上げ)まで持っていく手法。カードを使ってデーターの組み合わせ展開を容易にしている。
 
 
 
 
 
 

NM―H法と基本的には同じ。社会現象等の類比も使い、広く解かり易くした。

KWキワード抽出:布をくっ付けたり離したりする。
QAアナロジーを探す:草の実(オオオナノミの実)
QBバックグランド調べ:毛の先が曲がっている
QC着想捻出:ピンで刺す、ピン同士引掛ける。
ABD発想:ナイロンのピンとループを台紙に植込み布に縫う。

*・テーマ・キーワード・似た物・連想フック・アイデイア
 仕事能率・上げる・エレベーター・定員・増員

KJ法
(川喜田二郎)
データを情念的に分類して図解する。
データ間の複雑な相互関係が秩序ずけられ、現在の状況が把握され、今後の問題が浮かび上がる。さらにその図解を文書化する作業を通じてアイデアを生む
技羸擇貂逎:データを紙切に書き一面にばらまく
競哀襦璽彿埓:情念的に表札を付けユニットに束ねる
A型図解:(1) ユニットを空間配置 (2) 表札の中身を出して2段、3段展開の島作を作る。(3) 島と島との関係を記号ずける。(4) 島のランクを付け重要な物程太線で囲む。
B型文章化:靴鯡席顕宗 
特性列挙法
欠点列挙法
希望点列挙法
(ロバート・クロホード)
ブレーンストーミングを進めるリーダーの技法
・特性列挙・・名詞(物質),動詞(機能)形容詞(性質)をあげて意見を出す。

・欠点列挙・・欠点挙げて改善案出す。

・希望点列挙・・興あって欲しい考え。

ヤカンの改善
名詞蒸気穴、アルマイト、プレス、動詞持ち運ぶ、水を入れる、湯を沸かす、形容詞黒い、汚い,重い

つるが熱くなる、すぐ汚れる、やけどする。 
⇒やけど防止を考える、沸騰すると熱源を止る。  

強制連想法
(チャールズ・ホワイテング
目的に対して強制的に連想を結び付ける事によりアイデアを生む。素材を諸要素にバラして本質的部分と付属的部分に分けそれを組み合わせてアイデアを生む 箱とボールを用いて遊ぶおもちゃ
⇒箱:四角い、安定感が有る
⇒ボール:転がる、丸い、ヘソがある
⇒四角い物で弾性あるへソのあるおもちゃ
焦点法 任意素材を挙げて目的に自由連想する 流行:風邪、コレラ、マイコン⇒医者⇒接写できる⇒売れるカメラ
一対関連法 カタログ法、目的と別素材を関連ずけ連想 目的:冷蔵庫、別素材:飛行機・ハヤイ、カルイ、スマート等で連想
入出力法
(GE社)
入力、出力、及び製作条件を限定してその範囲内で入力と出力を結び付けるための自由な発想をし、思い付く様々な方法を列挙し最も有効なものを選ぶ手法。 自動日除けの開発・自由な発想 ・具体化
入力: 太陽エネルギー ・ガスや金属膨張 ・ガスの膨張で、
出力: 窓透明度変化・光電池で発電 ・光電池でモーターを
条件: コスト、窓の面積 起動して日除けを作動




 
12.  補足資料:  技術者の能力の二面性(デユアリテイー)と技術者教育
1999年10月12日 ミノルタ(株)上田宏
  エンジ二ヤリング(具現性) クリエイテイブ(創造性)
能力 間違いなく仕上げる処理実行力
(技術力で仕事をこなす能力)
次の一手を創案する能力
(新しい事を考え出す能力)
目標 品質(Q)、コスト(C)、納期(D)の最適化追求,効率の追求 付加価値創出による需要喚起の追求
素地 応用能力、技術力、技芸の才、遂行力 創造能力、発想力、ヒラメキの才、着眼力
和合性・アダプテイブ、チームワーク、確実性 独創性・オリジナリテイー、個の尊重、熱中性
仕事 詳細・生産設計、品質管理技術系ルーチン業務の遂行 研究、構想・概念設計発明考案、VE改善業務
  左脳(言語脳)型、 論理性 右脳(音楽脳)型、 感性
  育ての親 生みの親
技術者
教育
OJT
各種専門固有技術教育、語学教育 職場風土、環境作り
QC,VE,QFD品質問題事例学習 創造性開発基礎学習
TM(品質工学) TRIZ

[技術者能力の二面性の"エンジニヤリングとクリエイテイブ"は技術者の永遠のテーマだが、新しい事を考えるにはTRIZを使い、それを実現するためにその技術の確実性を評価するには日本生まれの実績のあるTM(田口メソード)が有り当面この二つの手法が"エンジニヤリングとクリエイテイブ"の両面を支援する代表的手法と考えられる。]
 

[参考]:

 


 
13.  補足資料 :  TMとTRIZの比較相関
1999年11月19日   ミノルタ(株)  上田宏 
手法名 TM(タグチ・メソード・品質工学) TRIZ(トリーズ)
創案者 田口玄一(1924〜)
新潟県生まれ、1970年代青山学院大工学部教授の時に提唱、80年代に普及始まる。特に90年代米国で評価が高い。
アルト・シューラー(1925〜1998)
ロシア国、タシケント生まれ、1946年に創案。ロシアで発展後、80年代冷戦終了で西側に知られ90年代米国でパソコンソフトと融合。
用途  技術の機能達成の確実性評価
ロバストネス(最適化)
品質(Q)、コスト(C)、納期(D)の達成
問題解決法
クリエイテイブ(創造性)
付加価値創出
使用段階 技術開発、要素・構想設計、製品設計  研究、開発、構想設計、改善活動
手法のポイント  良品の品質レベル(機能の安定性…バラツキ)SN比を用いて調べ、パラメーター(制御因子)の水準をうまく定める  問題解決するに当たって適切な創造模倣の対象となるヒントに発明原理等の科学技術をフルに活用。
手法の概要 *二段階設計(パラメーター設計)
I 入力と出力の比例関係の直線性を確保し、外乱で乱れないようにする。乱れ具合を SN 比と言う尺度で表す。
II 次に直線の傾き、つまり感度を大きくして効率を高める。
(1) テーマ分析・機能の代用特性となる技術の信号因子とその出力をさがす。
(2)機能の明確化・機能の理想状態を定義
(3)計測特性の決定・入力と出力の直線性に対するバラツキをSN比、傾きを感度で捉え高めることを狙う。
(4)因子の選定・設計者が選べる制御因子と選べない誤差因子に分ける
(5)直行表に因子を割り付ける
(6)データー取得
(7)SN比感度の算出
(8)要因効果図作成
(9)最適条件決定
(10)確認実験
* 損失関数:出荷後使用期間内に社会に      与えた損失損失評価
250万件の特許の統計的分析から
*40の発明原理に集約し、創造模倣の出来る対象を編み出した。
又矛盾のパラメーター(39個)を考え、発明原理の検索を容易にした。
(Principles)


*多くの科学効果や物理法則を索し易 くするために所望の機能をキーワードに 逆引き辞書的に活用   

(Effects)


*技術システムの二つの物質間の技術作用を改善する問題を物質−場モデルで捉えらえて技術のトレンドとその標準解(新しい物質の導入、改良物質の導入、類似物体1つ導入複数導入、共通系で導入、異なる物体1つ導入、…)をヒントに問題解決して行く。

(Pridiction)
手法の発明性 機能性を評価するのに計測代用特性とSN比を使う事で計測評価可能とした事。評価方法が合理的で時間短縮になる。 特許の統計的分析から40の発明原理に集約し、創造模倣の出来る対象を編み出した。又矛盾のパラメーター(39個)を考え、発原理40個の検索し易くした。
SN比を品質のバラツキ評価に利用。 特許に発明原理が有る事を見出した。
共通性
直接目標に向かわないで意味有る回り道をする
品質を良くしたい時は直接品質を評価しないで、機能(代用特性)のバラツキを評価する。 直接テーマのアイデイアを出さないで広く発明原理、効果、特許事例等を創造模倣してヒラメキのヒントとする。

 
本ページの
先頭
1. 本文 2. TRIZ要約 3. オズボーン法
   との対比
4. 後付け1 
世界的発明
5. 後付け2 
日本の発明
6. 異業種での共通性
7. 自社特許事例1 8. 自社特許事例2 9. 矛盾解消の
マトリクス
10. 後付け事例
  作成後記
11. 創造性の
各種技法
12. 技術者能力の
二面性
13. 田口メソッドとの比較
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最終更新日 : 1999.12.11     連絡先: 中川 徹  nakagawa@utc.osaka-gu.ac.jp