15号館から16号館へリポート作成の手引き


 リポートの評価については,教材の理解による題意の把握が,最も基本的で重要視される点です。課題は一般的な事柄ですから,どのようにも書けます。しかし,通信教育のルールとして,共通の教材による教育の標準あるいは基準化,原稿枚数の制限などがあります。教材をよく読み,キーワードにしたがって要領よくまとめてください。時々,見事な独自の論説文,新聞・雑誌・インターネット・その他の専門書等からまとめたリポートなどが送られてきますが,評価の対象とはなりません。教科書の理解が評価の対象として重要です。
 教科書が理解できているか,上手に要約しているかなど,リポート評価のチェックリストにある項目に留意して作成してください。


リポート課題についての作成手引き 

第1回 リポート課題 : 「日本の金融ビッグバンとアメリカの財政再建について述べよ。」

 金融ビッグバンは,失敗に終わりました。 東京外国為替市場のシェアは,ニューヨークやロンドンに遠く及ばず,東アジアのローカルマーケットになりつつあります。東京,ひいては日本が投資先として,魅力のない市場と見なされつつあります。それは,時代遅れの公債による裁量政策と低金利による産業・金融保護政策によります。
 このリポートでは,我が国の金融制度改革と先に改革を進めたアメリカについて比較検討してください。バブル経済と日本の商慣習を理解したり,アメリカとの比較が必要です。

 リポート作成のキーワードは,「バブルの生成と崩壊」,「フリー・フェア・グローバル」,「レーガノミクス」,「CAP」,「pay-as-you-go」です。




第2回 リポート課題 : 「金融バブルとBIS規制について述べよ。」

 金融バブルは,国内政策より対外政策目標の優先から発生しました。バブル経済の進行は,資産価格インフレを発生させたばかりではなく,世界金融市場で日本のシェアを飛躍的に高めました。しかし,シェアの高まりとリスク管理の調整はアンバランスでした。BIS規制はそのような状況から,日本のシェア拡大とリスク管理に対処するために設定されました。この規制は,バブル経済が終了した後,現在までも負の影響を及ぼし続けています。
 このリポートでは,バブル経済の引き金,BIS規制の設定,バブル経済後の日本経済への影響についてまとめてください。

 リポート作成のキーワードは,「金融バブル」,「BIS規制」,「バッシング」,「貸し渋り」,「早期是正措置」です

使用テキスト:里麻克彦著,『入門 国際金融工学』,中央経済社