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研究活動

平成26年度合同研究会           期間:2015年1月24日



平成26年度の「イラク古環境」と「スレイマニヤ共同研究」の合同研究会は、1月24日土曜日の午後に開催されま した。国士舘大学の岡田保良先生と小口和美先生がホストとなってくださり、東京都世田谷区の梅ヶ丘キャンパスに あるイラク古代文化研究所の展示室が会場となりました。参加者は2つの研究グループを併せて14名でした。本年度 の活動は多方面に展開されていますが、まずはその報告がそれぞれのメンバーから行われました。

  研究代表者の渡辺千香子氏(大阪学院大学)から、今年度の研究活動の概要の説明がなされたあと、引き続き辻彰 洋氏(国立科学博物館)より前年度までに採取された粘土板の珪藻の調査分析と今後の調査の展開についての報告が ありました。続いて安間了氏(筑波大学)と昆慶明氏(産業技術総合研究所)が粘土板の粒度分析と粒子組成をめぐ る諸問題について報告をしてくださいました。申ギチョル氏(総合地球環境学研究所)の同位体分析についての報告 も、これまでの研究会にはなかった新たな視点が付け加わる刺激的なものでした。活動報告の最後として、井(慶 應義塾大学)が文献学の視点から、初期王朝期ラガシュ出土のシュメール語の粘土板に記録されている農地の塩害の 状況とそれに対する対策について短い報告を行いました。

  続いて、今回の研究会のホストとなってくださった国士舘大学の岡田先生と小口先生が、これまで国士舘大学が長 年イラクで行ってこられた発掘調査の歴史について、また、発掘で出土した土の建築物について、貴重なスライドと ともにご講演くださいました。

  最後に、今後の共同研究の課題と方向性に関して討議を行いました。まずは、ジャーファー・ジョゼリ氏(ダーラム 大学、共同研究者)がイラクで進めている古代の運河と水路を確定しようとする研究に関して出席者で情報を共有しま した。そして、Jaafarさんに依頼してイラクで採取をしてもらう古代河床のオーガー・サンプルの分析をどのように 行っていくかについての議論がなされ研究会は幕を閉じました。            (高井啓介)