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[講義アウトライン・教材(鬼木)]

大阪学院大学 経済学部

情報経済論(2000年度)

講義概要(詳細)

大阪学院大学経済学部

情報経済論講義概要(2000年度)

目次

  1. 講義の概要
    1. 目的
    2. 講義内容
  2. 講義方式と教材
    1. 講義方式
    2. 教材について
  3. 学習上の留意点
    1. 単位取得について
    2. 加点について
  4. テスト・評価
    1. テスト方式
    2. 質問を歓迎――加点票
    3. 加点用受講票
  5. 教室における規律
  6. 参考図
  7. [インターネットWWW使用開始のためのステップ]

  1. 講義の概要
    1. 目的

       最近における「情報化」、すなわち情報技術の進歩とその成果の応用は、わが国社会経済活動の基盤を大幅に変革させつつある。情報技術の進歩はとどまるところを知らず、二十一世紀には、個人や組織を緊密に結びつける「インターネット」と「マルチメディア」が成熟し、その基盤である「情報ハイウェイ」が整備されると予想されている。他方、現在の日本経済・社会は行き詰まりの状態にあるが、「情報」はその打開路の一つかもしれないと考えられている。

       本講義では、これらの変革の現状を知り、その基盤である情報や情報産業の問題を理解することを目的とする。まず、生物・社会の歴史からそこでの情報の働きを学び、現代社会で情報が果たしている役割を理解する。次いで、情報技術の発展とその現状を概観し、進んで、情報産業(半導体・コンピュータ・電気通信・放送等)の構造とその現状を明らかにし、これらの産業における政策問題、競争市場と公的規制の関係を考察する。「インターネット」はこれらの中心テーマである。最後に、現在の日本経済・社会の「問題」との関連で、日本型組織・日本型意思決定についての情報的特色の問題にも触れる。

    2. 講義内容

      (註:[]は旧教材の所在を示す。本年度は新刊テキストの使用を予定。)

      1. 「情報のはたらき」を理解する――( → 教材I-AB)
        1. 「情報」とは(?)――人間社会の基本要素[「テキスト」1章2]
          • 情報の定義
          • 情報メディアと「体化された(embodied)」情報
          • 情報の広汎な存在とその働きの認識の歴史
          • 経済学と情報
        2. 生物の進化と社会の進歩の情報的側面[「テキスト」1章3]
          • 生物と情報
          • 動物・植物の区別と情報
          • 脊椎動物には「情報センター」と「情報ハイウェイ」がある
          • 哺乳類は「学習」ができる
          • 人類は「社会的情報」を持ち、「情報を組織的に交換・蓄積」する
          • 文明社会は「情報メディア」を持つ
          • 生物の進化と社会の発展
      2. 経済活動と情報
        1. 経済主体の行動と情報――不確実性とリスク克服の努力[「テキスト」1章4]( → 教材II-A)
          • 個別経済主体の行動と情報
          • 不確実性の経済学(economics of uncertainty)
          • 不確実性と情報
          • 「ショッピング(商品探し、職探し)」の経済分析
        2. 「経済システム」と情報――競争と協調の挧み合い[「テキスト」1章5]( → 教材II-B)
          • 経済システムと情報
          • 市場メカニズムと計画経済(「社会主義論争」)
          • 競争と規制(市場原理と計画原理のバランス:I)
          • 企業規模と企業の境界(市場原理と計画原理のバランス:II)
          • 不完全情報(情報の偏在・非対称性)から生ずる市場の失敗
          • マクロ経済学と情報
        3. 「財」としての情報 [「テキスト」1章6]( → 教材II-C)
          • 知的財産権の成立
          • 知的財産権保護のプラス面とマイナス面
          • 知的財産権保護のための「組織コスト」
          • 財・サービス間のインターフェースにかかわる知的財産
      3. 情報技術の進歩と社会経済の発展
        1. 情報技術とその進歩[インターネットWWWで配付]
          • 情報と情報処理
          • 半導体と大規模集積回路(LSI)
          • コンピュータの歴史
          • パーソナル・コンピュータ(PC)の構造と機能
          • 電気通信(テレコム)技術
          • 放送技術の進歩――ディジタル放送
          • 新しい情報通信手段(インターネットなど)
          • デジタル技術のパワー
        2. 社会経済の発展と情報――「情報化」をめぐる政策問題[「テキスト」1章7]
          • 社会経済システムの「運営技術」
          • 情報技術の発展と「情報化」の意義
          • 「情報化」はどのように実現されるか
          • 「情報化」に関する政策問題
      4. 情報産業の成長と政策問題
        1. 情報産業の特色
          • 急速な技術進歩――「スピードの経済」
          • ひとり勝ちの構図――「規模の経済」
          • 産業成長の「臨界点」
          • 「相互参入(融合)」現象
        2. 新しい政策フレームワークの必要
          • 従来の競争政策――製造業に適合――はもはや有効でない。
          • 情報分野の「独占」と「ロックイン効果」
          • ベンチャー型創業の活力
        3. パーソナル・コンピュータ(PC)産業[インターネットWWWで配付]
          • パソコン産業の特色
          • 日米のパソコン産業の歴史と現状
          • パソコン産業の構造と日米格差の生成理由
          • パソコン産業と企業組織
          • パソコン産業における独占禁止と不当競争防止
        4. 電気通信(テレコム)産業[インターネットWWWで配付]
          • 電気通信産業の歴史と制度
          • 1985年、1997年の改革と現在の状況
          • 諸外国における電気通信産業
        5. 放送産業[インターネットWWWで配付]
          • 歴史と現行制度
          • 放送産業の構造
          • ディジタル放送制度への移行
          • 衛星放送
          • 有線テレビ放送(都市型ケーブルテレビ)
        6. インターネットと高速・広帯域通信
          • インターネットの急成長
          • 電子メールとWWW(World Wide Web)
          • インターネットのガバナンス
          • 電子商取引(EC: Electronic Commerce)と電子マネー(Electronic Money)
        7. 電波資源の管理[インターネットWWWで配付]
          • 電波(周波数)資源の経済学的性質
          • 米国の「周波数オークション」
        8. 望ましい情報産業環境――「ひとり勝ち」と新規参入の「矛盾」は解決できるか(?)
          • 公正競争・公平競争(イコール・フッティング)とは(?)
          • 情報産業活動の水平区分と上下区分
          • 新しい「競争原理」

  2. 講義方式と教材
    1. 講義方式

       講師による教室での講述を主とするが、学生諸君による積極的な質問や問題点・誤りの指摘をとくに重視する(→ III.B)。教室内で講義中に(他の出席者にも分かる形で)出された質問等に対しては、出した学生に加点票を支給する(→ IV.B)。講義終了後の個別質問は自由だが、加点票は支給しない。

    2. 教材について
      1. 講義項目のみを記した概要を教室で配付する。
      2. 教科書として下記を使用する。
        鬼木甫著『ネットワーク情報経済学入門』、富士通ブックス、1999年刊行予定(本概要では「テキスト」と略称)。
      3. 「テキスト」でカバーされない講義内容や関連する資料を、インターネットのWWWで配付する。
      4. 上記から明らかなように、本講義の教材をすべて入手するためには、インターネットのWWWを使用する必要がある(この点は、4月1日付の掲示により周知)。大阪学院大学では、"OGUNET"を通じて使用できる。そのためには、各自で、インターネット使用のための「ユーザ名」と「パスワード」を申請・入手するか、あるいはこれらを申請・入手ずみの友人から教材コピーを入手できるよう手配しておくこと。
      5. 本概要や教材を入手するためには、インターネットWWWのアドレス
          <http://www.osaka-gu.ac.jp/php/oniki/>
        にアクセスし、そこから
          「Japanese → 講義アウトライン → 大阪学院大学経済学部 → 情報経済論 → 教材」
        の順で画面を辿って、「教材」画面に到達し、内容を入手してプリントすること。教材は講義の進行とともに順次上記に備え付けるが、どこまで備え付け済みかは、上記II.B.1で述べた教室での配付物中に記す。なお、教材中の図・表等は、教室でコピーを配付する。したがって、インターネットWWWで入手する必要があるのは、最低限、教材の文章部分である。(本「概要」もインターネットWWWの上記アドレスに備え付けてある。)
      6. 上記の他、講義内容に関係する資料(新聞記事など)を随時、紙コピーの形式で配付することがある。

  3. 学習上の留意点
    1. 単位取得について

       本講義は、情報経済論の知識を「まじめに学習して、自己の知識を豊かにし、かつ将来の仕事や生活に役立てたい人」向きの科目である。反対に、「なるべく手間をかけないで単位数だけを揃えたい人」には向かない。そのような人は、本講義の単位取得を避けるようすすめたい。とくに期末テスト時に、講師に対し個人的な事情を申し述べて単位取得を希望しても一切応じられないので、あらかじめ留意されたい。

    2. 加点について

       本教科では、「積極的に勉強し、すぐれた成果を示した学生」を評価する。そのため、期末テストに加え、いくつかの加点の機会を設ける。


  4. テスト・評価
    1. テスト方式

       学期末の「正規のテスト期間」に筆記テストを実施する。「暗記学習の弊害」(*1)を防ぐため、期末テスト時に持込を認める(持込の範囲は講義時に指示)。しかし、持込を認めることはテスト内容が容易であることを意味しない。逆に、テスト時の設問は多量であり、内容も難しい。また、客観テスト(複数選択肢から記号等で回答)と文章テストを併用することがあるが、その場合、客観テストの選択肢数は20個以上であり、内容をよく理解しないと正答を選ぶことはできない。文章テストも難しく、組織的に学習・理解していないと書けない設問が出る。なお、設問自体の事前発表は行わない。

      (*1)
      暗記で覚えた事項は、日時の経過とともに大部分忘れてしまう。暗記に費やされる時間と労力は、貴重な「人生」の浪費である――皆さんが大学入試時に暗記したことを、現在になって思い出せるか否か、試みてみてほしい。
    2. 講義時の質問を歓迎――加点票

       教室での講師からの質問に対しすぐれた答をした場合、講義について自発的に良い質問をした場合などには、テスト結果に加点する(加点票を使用、下記VI「見本」を参照。期末テスト時まで保存し、答案の余白に貼りつけて提出すること)。講義時以外の質問も差し支えないが、加点票は支給しない。

    3. 加点用受講票

       教室で前方部分に座って聴講している学生に、加点用受講票(カラー出席票を使用する)を配付することがある。(1枚2%加点、期末テストの答案余白に貼りつけること)

    4. 講義時間後に、有志学生に「その日のノート」のコピーの提出を求めることがある。これに応じた者には、加点票を支給する。

  5. 教室における規律

     他人に迷惑をかけないことはすべて自由。他人の迷惑になることは厳禁。具体的には、

     上記の違反者、とくに当方で注意をしてもなお私語を繰り返す学生には退席を命ずる。


  6. 参考図
    加点票見本
    情報経済論(1998、鬼木)NO.   
    加点票(期末テストの   %)

    本票は学期末まで保存して学期末テストの余白に
    貼りつけること(紛失時再発行なし)。
                                月  日


    ――――――――――  ――――――――――
    (学生名)         (講師サイン)

  7. インターネットWWW使用開始のためのステップ
    1. 大学教務課カウンター向かって右側の「エクステンション・センター」に申請(印持参のこと)して、大阪学院大学ネットワークOGUNET用の「ユーザ名」と「パスワード」を入手する(無料)。なるべく、OGUNET講習会を受ける。

      注:すでに入手済の場合は不要。また自分で学内外のプロバイダー等に加入している(有料)場合は、それを使ってもよい。

    2. 大学内のOGUNET端末(利用場所は8−4−01、3号館(JR岸辺駅近くの建物)、キャンパス建物内の各所のロビーなど)に行き、

      1. コンピュータとディスプレイの電源を入れ、

      2. ユーザ名・パスワードを入力して

      3. Windows98が立ち上がったら、

      4. 「スタート(通常画面左下にある) → プログラム → Netscape Communicator → Netscape Navigator」のメニューをマウス主ボタン(通常は左ボタン)でクリックして、Netscape Navigatorブラウザを立ち上げる。

    3. 次に、

      1. Netscape Navigatorブラウザ画面の「場所:」に、
        www.osaka-gu.ac.jp/php/oniki/
        をタイプ(半角英字使用)し、リターン・キーを押す。(多くの場合、最初に大阪学院大学のホームページが出るので、その画面の「場所:」に /php/oniki/ を付け足すなどすればよい。)「"EcInfCom: Oniki"」の画面が出る。

      2. 「大阪学院大学内からのスピード・アクセス → 講義アウトライン → 大阪学院大学経済学部 → 情報経済論 → 教材」
        の順にマウス・クリックによって画面を辿り、表中の教材ファイル名をクリックして目的教材を画面に表示する。

      3. 画面に表示されている教材を印刷するには、上部のメニュー行から
        「ファイル → 印刷」
        の順に選択(マウス・クリック)して、最寄りのプリンタに教材を出力(プリント)させる。出力用紙(A4)は各自用意すること。

    4. 注意

      • 全くの初心者は、講習会に出席し、あるいは友人にガイドを頼んで、最初に一通りのステップを身につけるとよい。自分だけではじめて挑戦する際には、この手引をよく読み、細心の注意のもとにマウスをクリックしながら、着実に一歩一歩進めること。「ゲーム感覚」でマウスを適当にクリックしていると、すぐに迷路に入ってしまうので注意。自分の所在が分からなくなったら、画面左上の「戻る」を何度か繰り返してクリックし、元に戻ってやり直す。WWWの使用は、旅行や訪問時に目的地に行く経路を辿るのと同じである。最初は、地図などの「ガイド」をよく読んで道を間違えないように注意する必要があるが、二回目以降はスムーズにできる。


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Hajime Oniki
ECON, OGU
01/13/2000
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