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[講義アウトライン・教材(鬼木)]

大阪学院大学 経済学部

ミクロ経済学(1998年度)

講義要項(詳細)

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大阪学院大学経済学部
ミクロ経済学(1998年度前期)講義概要

1998年4月13日

担 当: 鬼木 甫(おにき・はじめ)
研究室: 5号館 0501号
E-mail: oniki@iser.osaka-u.ac.jp
Web: www.osaka-gu.ac.jp/php/oniki/
来校日: 学期中 毎週(月)(水)

[注意:下記を必ず読むこと。とくにVIII(提出物)に注意。]

  1. 講義の目的

    1. われわれの社会生活・日常生活の経済問題(とくに「ミクロ経済問題」)の背景や構造を理解し、合理的な解決法を見つける能力を身につけること。

    2. ミクロ経済問題の例:

      1. 「1997年4月に3%の消費税率を5%まで引き上げたことの経済効果は何か。その結果、得した人と損した人は、どのように分かれたか。

      2. 最近数年間に日本の製造業の工場が多数海外に移転している(製造業の空洞化)が、その効果は何か。たとえば、大学卒業生の労働市場はどんな影響を受けるか。

      3. 昨年は「さんま」が豊漁で出荷が5割程度増え、その結果、小売価格は例年の半分以下になった。他方、夏のレタスが不作で、収穫は例年の30%、値段はうなぎ昇りで、一時は庶民には手が届かなかった。「米」についても、9月上旬に平年作の1%増収が伝えられただけで、自由米の価格は15%も下がっている。食料品の価格をもっと安定させることはできないのか。

      4. 1997年12月の「地球温暖化防止会議」で、日本は他の先進国とともに、大気中への二酸化炭素(CO2)の排出量削減を約束した。これを実施するために、どのような方策が考えられるか。原油に「炭素税」を課するのは、他とくらべて良い方策か。また同会議で、先進国はCO2の「排出権」を国家間で取引することを主張し、途上国はこれに反対した。いずれが正しいのか。

    3. 本教科では、抽象的な経済理論よりも、上記(2)のような具体的な経済問題を考えることに重点をおく。教室での講義でも問題解説に重点をおき、期末テストでも、「具体的な問題への解答」を求める。

    4. したがって、評価の重点も、「与えられた経済問題に関連する諸事項を、筋道を立てて考えることができる」ことにおく。諸事項の「暗記」や、経済理論・グラフ・数式の使用などは重視しない。「ものごと」を直観的に、あるいは系統的に正しく理解し、自分が理解したことの内容をきちんと記述できればよい。

  2. 講義内容・方式

    1. テキストとして下記2冊を使用。各自購入のこと。T:『スティグリッツ・入門経済学』J. E. スティグリッツ(藪下他訳)、東洋経済、1994年。S:『スタディガイド・スティグリッツ入門経済学』L. W. マーチン(藪下他訳)、東洋経済、1996年。

    2. 上記Tに沿って講義・説明する。Tの約3分の2をカバーする予定。とくにTおよびS中に載せられている問題への解答に重点をおく。(なお、T、Sの略称は授業でも使用する。)

    3. 講義内容に関係する資料(新聞記事など)を随時配付し、それを材料とする問題を考える。

  3. テスト・評価

    1. 本教科では、「積極的に勉強し、すぐれた成果を示した学生」を評価する。そのため、期末テストに加え、下記のように、いくつかの加点の機会を設ける。

    2. 学期末の「正規のテスト期間」に筆記テストを実施。「暗記学習」の弊害(*)を防ぐため、期末テストを「持込自由」にしている。しかし、これは単位取得が容易であることを意味しない。逆に、テスト時の設問は多量であり、内容も難しい。客観テスト(複数選択肢から記号等で回答)と文章テストを併用する。客観テストの選択肢数は20個以上であり、内容をよく理解しないと正答を選ぶことができないので注意。文章テストも難しく、組織的に学習をしていないと書けない問題である。なお、設問自体の事前発表は行わない。

      (*)
      暗記で覚えた事項は、日時の経過とともに大部分忘れてしまうものである――皆さんが大学入試時に暗記したことを、現在になって思い出せるか否か、考えてみてほしい。
    3. 教室での講師からの質問に対しすぐれた答をした場合、講義について自発的に良い質問をした場合などには、テスト結果に加点する(加点票を使用、下記VII「見本」を参照。期末テストの余白に張りつけること)。また学期末の「優秀ノート表彰」により、応募者に加点する。

    4. 教室で前方部分に座って聴講している学生に、加点用受講票(出席票)を配付することがある。(1枚2%加点、期末テストの余白に張りつけること)

  4. 単位取得上の注意

    本講義は、ミクロ経済学の知識を「まじめに学習して、将来の仕事や生活に役立てたい人」向きの科目である。反対に、「なるべく手間をかけないで単位数だけを揃えたい人」には向かない。そのような人は、本講義の単位取得を避けるようすすめたい。とくに期末テスト時に、講師に対し個人的な事情を申し述べて単位取得を希望しても一切応じられないので、あらかじめ留意されたい。

    参考までに、前年度(後期)「ミクロ経済学」の採点結果を以下に示す。

    前年度(後期)「ミクロ経済学」の採点結果
     合計(内訳)
    95-9794以前
    185人20%161人22%24人13%
    227人25%197人27%30人17%
    228人25%182人25%46人26%
    177人19%145人20%32人18%
    23人2%19人3%4人2%
    不受験81人9%37人5%44人24%
    登録者計922人100%741人100%180人100%

    [グラフ:前年度(後期)「ミクロ経済学」の採点結果]

  5. 教室における規律

    他人に迷惑をかけないことはすべて自由。他人の迷惑になることは厳禁。具体的には、

    上記の違反者、とくに当方で注意をしてもなお私語を繰り返す学生には退席を命ずる。

  6. 本科目の単位取得を希望する学生は、下記VIIIに自署・捺印の上、5月末日までに教室で講師(鬼木)に提出のこと(未提出者には単位取得を認めない)。

  7. 加点票見本

    ミクロ経済学(1998、鬼木)NO.
    加点票(期末テストの   %)

     本票は学期末まで保存して学期末テストの余白に
     貼りつけること(紛失時再発行なし)。

    月  日


    ───────────  ──────────

    (学生名)          (講師サイン)

    − − − − − キ リ ト リ − − − − −

  8. 提出用票

    大阪学院大学経済学部
    鬼木 甫 殿

    平成10年度「ミクロ経済学」聴講にあたり、「講義概要(1998年4月13日付)」の項目III〜Vを熟読・承知の上で登録しました。

    No.           

    氏名         印

    − − − − − キ リ ト リ − − − − −


(本ページは参考用:昨年度の分です。本年度も施行予定――改めて公示を配付します。)

1997.11.19

大阪学院大学経済学部・ミクロ経済学(平成9年度)
「優秀ノート表彰」について(公示)

 本講義について、下記のように「優秀ノートを表彰」しますので、多数の応募を期待します。

  1. 概要:下記2の予選に応募した者から候補5名程度を選び、3の方式でノート・コピーを提出した者から、4の基準で選考し、5のように表彰。

  2. 予選:応募希望者は12月10日(水)の授業の自身のノートのコピーを同日午後1時までに「5号館5−01(鬼木研究室)のメールボックス」に投函・提出のこと。10名以上を選抜し、1月の授業時に予選通過者の氏名を発表(提出コピーは返却せず。)(注意:ノートは10日当日分のみをコピーすること。誤って学期初からのノート全部のコピーを提出した者は、テスト粗点から減点するので注意。)。

  3. 本選:上記予選通過者は、全授業(2〜3回程度の欠席は可)の自身のノートのコピーを最終講義日の翌日までに同上場所に投函・提出。(ノート本紙は受け付けないので注意。必ずコピーを提出すること。コピー費用は応募者負担。提出コピーは返却しない。)

  4. 選考基準:

    1. 欠席があまり多くないこと。

    2. 黒板に書かれたことを筆写し、かつそれに加えて、講師が口頭で説明したことを書き込んでいること。口頭説明分は、たとえ断片的な語句だけでもよいから、なるべく多く書かれている方がよい。

    3. 字の巧拙は基準にしない。「一応読める程度」に書かれていればよい。しかし、ノート内容が分かりやすく配列されているか否かは、基準に加える。

  5. 表彰:

    1. 優秀(1〜2名):テスト粗点へ加点35〜50%

    2. 佳作(3〜8名以内):テスト粗点へ加点10%

    氏名は掲示で公表。


(本ページは参考用:昨年度の分です。本年度分は6月に配付予定。)

[MIC-800]

大阪学院大学経済学部
ミクロ経済学[1997年度テスト範囲]

1997年12月

担 当: 鬼木 甫(おにき・はじめ)
研究室: 5号館 0501号
来校日: 学期中 毎週(月)(水)

No. T(テキスト) S(スタディガイド)
ページ 章・節 テーマ 要約
(ページ)
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ページ
問題:
ページ(種類、No.)
6-18 1章1 自動車産業 1-6 (4-10) 6-9 11-15(正(誤)1-4, 選(択)1-3,(穴)埋(め)1-5, 10, 復(習)1-5, 練(習)1, 2, 4)
18-31 1章2, 3, 4 経済学入門
46-60 2章1, 2, 3 考え方ガイド 1-4 (20-21) 23-25 26-31(正1-5, 選1-5, 埋1-5, 7-9, 復1-2, 練5, 発(展)2-3)
61-72 2章4, 5.1 機会集合、予算制約、生産可能性曲線 6-10 (21-26)
88-99 3章1.1 取引・交換の利益 1, 2 (40-42) 44-45, 46-47(数) 48-53(正1-4, 選1-3, 埋1-5, 復1-6, 練1-4, 発1-4)
99-110 3章1.2 比較優位 4-6 (42-43)
136-148 4章1, 2, 3 需要・供給曲線 1-6 (62-64) 68-69(数) 70-75(正1-5, 選1, 2, 埋1-10, 復1-6, 練2-5, 発1-3)
148-166 4章4, 5, 6, 7 需要・供給の法
則、曲線のシフト
7-11 (64-67)
172-192 5章1.1-1.3 需要供給の弾力性 1-7 (86-91)   93-97(正1-5, 選1-5, 埋1-10, 復1-8, 練3-4, 6, 発なし)
10 195-209 5章2 需要・供給分析(課税政策、市場規制) 8-9 (92)
他テーマ マイクロソフト独占市場と(米司法省による)提訴
財・サービスと資産の価格(フローとストック)
バブルと不良債権、証券会社の倒産
温暖化防止京都会議、炭素税、排出権取引

(上記は講義時に特に触れたもの)

註)「数」は数式を使用。テスト答案での使用を歓迎。


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Hajime Oniki
ECON, OGU
04/12/98
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