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[講義アウトライン・教材(鬼木)]

大阪学院大学 経済学部

ミクロ経済学(2000年度)

講義要項(詳細)

大阪学院大学経済学部
ミクロ経済学(2000年度後期)講義概要

2000年10月1日

担 当: 鬼木 甫(おにき・はじめ)
研究室: 5号館 0501号(内線5701)
E-mail: oniki@iser.osaka-u.ac.jp
Web: www.osaka-gu.ac.jp/php/oniki/
来校日: 学期中 毎週(月)(水)

[注意:下記を必ず読むこと。とくにIX(提出物)に注意。]

  1. 講義の目的

    1. われわれの社会生活・日常生活の経済問題(とくに「ミクロ経済問題」)の背景や構造を理解し、合理的な解決法を見出す能力を身につけること。

    2. ミクロ経済問題の例:

      1. 「1997年4月に3%の消費税率を5%まで引き上げたことの経済効果は何か。その結果、得した人と損した人は、どのように分かれたか。

      2. 最近数年間に日本の製造業の工場が多数海外に移転している(製造業の空洞化)が、その効果は何か。たとえば、大学卒業生の労働市場はどんな影響を受けるか。

      3. 旧年は「さんま」が豊漁で出荷が5割程度増え、その結果、小売価格は例年の半分以下になった。他方、夏のレタスが不作で、収穫は例年の30%、値段はうなぎ昇りで、一時は庶民には手が届かなかった。「米」についても、9月上旬に平年作の1%増収が伝えられただけで、自由米の価格は15%も下がっている。食料品の価格をもっと安定させることはできないのか。

      4. 1997年12月の「地球温暖化防止会議」で、日本は他の先進国とともに、大気中への二酸化炭素(CO2)の排出量削減を約束した。これを実施するために、どのような方策が考えられるか。原油に「炭素税」を課するのは、他とくらべて良い方策か。また同会議で、先進国はCO2の「排出権」を国家間で取引することを主張し、途上国はこれに反対した。いずれが正しいのか。

      5. 最近企業のリストラが進行し失業率が上昇しているが、労働市場の需要・供給は一般の財・サービスのそれとどのように異なっているのか。日本の「終身雇用制度」は、ミクロ経済学の立場からどのように特色づけられるか。

      6. (米)マイクロソフト社は(米)独占禁止法に違反したという理由で、本年6月に(米)ワシントン連邦地裁で「会社2分割判決」を受けたが、同社はどのような理由で市場独占力を濫用したとされているのか。

    3. 本教科では、抽象的な経済理論よりも、上記(2)のような具体的な経済問題を考える能力を身につけることに重点をおく。教室での講義でも問題解説に重点をおき、期末テストでも、「具体的な問題への解答」を求める。

    4. したがって、評価の重点も、「与えられた経済問題に関連する諸事項を、筋道を立てて考えることができる」ことにおく。諸事項の「暗記」や、経済理論・グラフ・数式の使用などは(できるに超したことはないが、当講義の評価基準としては)重視しない。「ものごと」を直観的に、あるいは系統的に正しく理解し、自分が理解したことの内容をきちんと記述できればよい。

  2. 講義内容・方式

    1. テキストとして下記を使用する。各自購入のこと。N・グレゴリー・マンキュー著(足立英之他訳)『マンキュー経済学T ミクロ編』、東洋経済新報社、2000(Tと略称)。

    2. まとめ・問題練習のために、同書中の「要約・問題」(Sと略称)を使用する。

    3. 上記Tに沿って講義・説明する。Tの約3分の2をカバーする予定。とくにTおよびS中に載せられている問題への解答に重点をおく。(なお、T、Sの略称は授業でも使用する。)

    4. 講義内容に関係する資料(新聞記事など)を随時配付し、それを材料とする問題を考える。

  3. テスト・評価

    1. 本教科では、「積極的に勉強し、すぐれた成果を示した学生」を評価する。そのため、期末テストに加え、下記のように、いくつかの加点の機会を設ける。

    2. 学期末の「正規のテスト期間」に筆記テストを実施。テスト問題文のかなりの部分は、上記Sから採用する予定。

    3. なお、「暗記学習」の弊害(*)を防ぐため、期末テストを「持込無制限」とする。しかし、これは単位取得が容易であることを意味しない。逆に、テスト時の設問は多量であり、内容も難しい。客観テスト(複数選択肢から記号等で回答)と文章テストを併用する。客観テストにおいても、内容をよく理解しないと正答を選ぶことはできないので注意。文章テストも難しく、組織的に学習をしていないと書けない問題である。なお、設問自体の事前発表は行わない。

      (*)
      暗記で覚えた事項は、日時の経過とともに大部分忘れてしまうものである――皆さんが大学入試時に暗記したことを、現在になって思い出せるか否か、考えてみてほしい。
    4. 教室での講師からの質問に対しすぐれた答をした場合、講義について自発的に良い質問をした場合などには、テスト結果に加点する(加点票を使用、下記VII「見本」を参照。期末テストの余白に張りつけること)。また場合によっては、学期末の「優秀ノート表彰」により、応募者に加点する。

    5. 教室で前方部分に座って聴講している学生に、加点用受講票(出席票)を配付することがある。(1枚2%加点、期末テストの余白に張りつけること)

  4. 単位取得上の注意

    本講義は、ミクロ経済学の知識を「まじめに学習して、将来の仕事や生活に役立てたい人」向きの科目である。反対に、「なるべく手間をかけないで単位数だけを揃えたい人」には向かない。そのような人は、本講義の単位取得を避けるようすすめたい。とくに期末テスト時に、講師に対し個人的な事情を申し述べて単位取得を希望しても一切応じられないので、あらかじめ留意されたい。

  5. 教室における規律

    他人に迷惑をかけないことはすべて自由。他人の迷惑になることは厳禁。具体的には、

    上記の違反者、とくに当方で注意をしてもなお私語を繰り返す学生には退席を命ずる。

  6. 加点票見本

    ミクロ経済学(2000、鬼木)NO.
    加点票(期末テストの   %)

     本票は学期末まで保存して学期末テストの余白に
     貼りつけること(紛失時再発行なし)。

    月  日


    ───────────  ──────────

    (学生名)          (講師サイン)


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Hajime Oniki
ECON, OGU
7/11/2000
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