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[講義アウトライン・教材(鬼木)]

大阪学院大学 経済学部

ゼミナール(1998−1999年度)

要項(詳細)

大阪学院大学経済学部
ゼミナールII、III(情報経済論)[1998−99年度概要]

担 当: 鬼木 甫(おにき・はじめ)
研究室: 5号館 0501号
E-mail: oniki@iser.osaka-u.ac.jp
Web: www.osaka-gu.ac.jp/php/oniki/
来校日: 学期中 毎週(月)(水)

  1. ゼミナール(ゼミ)・テーマ

    情報通信の経済分析――パソコン、インターネット、ディジタルTV、マルチメディアをめぐる動きを考える

  2. ゼミの目的および概要

    パーソナル・コンピュータ(PC)は、1980年代に生まれたが、急速な技術進歩と産業構造変動を経験しながら、インターネットやディジタルテレビを生み出し、21世紀のマルチメディア産業に向けて成長が期待されている。これらの情報通信産業では、ハードウェアやソフトウェアの進歩と標準化・公的規制が絡み合い、グローバル市場でダイナミックな競争が繰り広げられている。たとえば「Windows 95は独占商品だが、どうしてそうなったのか。それは望ましいことか。」「電子取引・電子マネーの普及で、将来、コンビニ・スーパーや銀行は縮小するのか。またどの業界が伸びるのか。」といった問題が沢山生じている。本ゼミナールでは、情報通信産業の歴史と現状を学ぶ。

  3. ゼミの方法

    第1年度は、書物や雑誌・新聞記事などを資料として、輪講形式(各自輪番で資料から報告)で進め、途中必要に応じて教師の講義・実習(PC・インターネット)を加える。第2年度前半は、教師との個別相談を通じて参加者各自が発表テーマと内容概略を決める。同後半は、各自が自分のテーマについて調べた結果をゼミで発表する。卒業までに、卒業論文(ゼミ・レポート)を作成・発表・提出する。

  4. 評価と単位取得の要件

    ゼミの評価は、「積極的な参加と貢献」に依る。(1)第1年目の全体と第2年目の後半の授業日数のうち、それぞれ80%以上の出席が要件。(2)講師や発表者に対する積極的な質問・討論をとくに評価(欠席分の補填になる)。(3)発表予定日の無断欠席など迷惑行為は除名理由になるので注意。

  5. ゼミ論文について

    1. 各自が選んだテーマ(主題)について、卒業時までに論文1件を仕上げる。

    2. テーマの選択は、「情報経済論」に関するものであれば自由。ただし、事前に担当講師の同意を要する。後述の用紙により、期日までに届出のこと。

    3. 論文の長さは、本文400字×20枚(A4。横書。図・表、他者作成の資料、他者Webなどのコピーはページ数に含めない。)以上、100枚以内。ワープロ使用を歓迎する。(他メディア――たとえばカセット・テープ、ビデオ・テープ、自己作成のWWWページ(のプリント)など――の使用も可。ただし、事前に講師の了解をとり、相当ページ数を知っておくこと。)

    4. 論文内容は、資料等のまとめ、比較、批判、自己の考えの開陳など、自由。ただし、下記の制約あり。

      1. 資料は必ず2件以上を使用のこと。(例:書物2冊、書物1冊と新聞記事数件、書物1冊と他者Webページのコピー数件、視聴テレビ番組(録画必要)と他者へのインタビュー記録、など。)

      2. 資料については、引用元を明記すること(無断引用は厳禁)。

    5. 論文内容の概略を、ゼミIII(平成10年度後半)において各自少なくとも1回の発表をおこなう(これは単位取得要件)。

  6. 情報経済論分類項目(同名講義概要より)


    1. 情報の定義と機能
      1. 「情報」とは(?)――人間社会の基本要素
        1. 「情報」の定義
        2. 情報メディアと「体化された(embodied)」情報
        3. 情報の広汎な存在
        4. 「情報」の働きの認識の歴史
      2. 生物の進化と社会の進歩の情報的側面
        1. 生物と情報
        2. 動物・植物の区別と情報
        3. 脊椎動物には「情報センター」と「情報ハイウェイ」がある
        4. 哺乳類は「学習」ができる
        5. 人類は「社会的情報」を持ち、「情報を組織的に交換・蓄積」する
        6. 文明社会は「情報メディア」を持つ
        7. 生物の進化と社会の発展
    2. 経済活動と情報
      1. 経済主体の行動と情報――不確実性とリスク克服の努力
        1. 個別経済主体の行動と情報
        2. 不確実性下の経済学
        3. 不確実性と情報
        4. 「ショッピング(商品探し、職探し)」の経済分析
      2. 「経済システム」と情報
        1. 経済システムと情報――競争と協調の挧み合い
        2. 市場メカニズムと計画経済――「社会主義論争」
        3. 競争と規制――市場原理と計画原理のバランス:I
        4. 企業規模と企業の境界――市場原理と計画原理のバランス:II
        5. 不完全情報(情報の偏在・非対称性)から生ずる市場の失敗
        6. マクロ経済学と情報
      3. 社会経済の発展と情報
        1. 情報技術の発展と「情報化」の意義
        2. 日本にとっての「情報化」の意義
        3. 「情報化」はどのように実現されるか
        4. 「情報化」の統計データ作成・同計量分析
    3. ディジタル技術とその応用
      1. 情報と情報処理
      2. アナログ情報のディジタル化とエラー処理
      3. 情報処理と大規模集積回路(LSI)
    4. コンピュータ産業――日米比較
      1. コンピュータ・システムの概要
      2. パーソナル・コンピュータ(パソコン、PC)の構造と機能
      3. コンピュータの歴史と現状
      4. PC産業の特色
      5. 日米のPC産業の現状と歴史
      6. PC産業の構造
      7. 日米間のPC産業構造の差の生成理由
      8. PC産業と企業組織の日米比較
    5. テレコム産業――国営・独占・規制から市場と競争へ
      1. テレコム技術の進歩
      2. わが国電気通信産業の歴史
      3. わが国電気通信産業の組織――1985年の改革
      4. NTT分離・分割とその後
      5. 米国・英国の電気通信産業
    6. 放送産業――ディジタル化のインパクト
      1. アナログ放送の歴史と現状
      2. 放送産業の問題――ケーブルテレビの現状
      3. ディジタル放送のインパクト
      4. 米国、英国、EU諸国の放送産業
    7. 電波資源(情報通信公共資源)の配分と競争
      1. 経済資源としての電波周波数
      2. 公共資源の配分・割当方式
      3. 米国の「電波」オークション
    8. マルチメディアとネットワーク――融合と発展のトレンド
      1. インターネットの急成長
        1. 草創期
        2. RFCによる基礎作り――「標準化と民主主義」
        3. Web(WWW)の急成長
        4. インターネットは将来社会の情報基盤
      2. マルチメディアと高速広帯域通信
        1. 広帯域電話通信網とサービスの類型
        2. 経済の成熟と高齢化社会の到来
        3. 広帯域通信網への需要源
        4. 広帯域網インフラの建設
        5. 電話網建設の歴史は広帯域網建設の参考になるか

  7. 前年度ゼミ参加者が選んだテーマ


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Hajime Oniki
ECON, OGU
12/01/98
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