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『情報ハイウェイ建設のエコノミクス』
第7章 広帯域通信時代の競争と規制

本章においては、長期的すなわち数年あるいは十数年以上の期間を考慮した電気通信産業組織を考察する。二十一世紀には、光ファイバーとATM交換方式を主体とする新世代通信網(広帯域通信網、BISDN)が実現されると考えられているが、そのとき、どのような電気通信産業組織がユーザおよび事業者に利益をもたらすかという問題を考える(*1)。本章の主たる内容は、電気通信産業の上下分離による競争促進と規制合理化の提案である。また本章V節では、わが国電気通信産業が現在の体制から「長期的に望ましい」体制に移行するために当面必要となる施策について説明する。

(*1)
アナログ方式の電話サービス(PSTN)は、すでに成熟・普及した技術であり、現在は次の段階の通信網が形成される時期になっている。数年前においては、狭帯域のディジタル・ネットワーク(NISDN)が次段階の通信技術であるとされ、わが国では、1989年からNISDNのサービスがNTTによって開始された。BISDNはNISDNを含み、さらに映像や大量データの高速伝送・交換を可能にする技術である。現在普及が進んでいるインターネットも、BISDN上で実現されることによって、その威力をフルに発揮することができる。

[初出論文] 

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Hajime Oniki
ECON, OGU
05/05/98
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