○現状の問題点:
TRIZ/USITには、技術者向けに書かれた書籍や、ホームページが多く、
現状では、決して、初心者や社会一般に向けてオープンな環境とは言えない。
○解決に向けて:
上記より、TRIZ/USITの初心者向け、先ず、学生向けのホームページや書き物が必要であると考えられる。
内容について、どのように記載すればよいのだろうか?
・『TRIZビギナーに向けたもの』:
私たち自身がTRIZを学んできた背景から考えてみると分かったのだが、
私たち自身、 「TRIZがどのような可能性を持ったものか/どのような技法なのか」を想定できないままで学び始めていた。
その問題点としては、TRIZ技法が初心者・TRIZを始める者に対しての体系をなしていないことが考えらる。
また、初心者向けへの体系化が難しい技法であるのかもしれない(膨大な抽出データなどがあるため)。
よって技術的なことに関しては、私たち自身が未熟で行き届かないところも多くあるので、
私たち自身が感じたことをきちっと書くことや、「技術者から」ではない、「TRIZを学ぶ学生」として、
できるだけ簡単な言葉や表現で書くことが大事であると考え、記述した。
・『TRIZビギナーに向けて、何が必要な情報か(私たちの経験から)』:
私たち(2005年度卒業研究生)は、実践的に問題解決を行っていくことでTRIZ/USITの習得・理解を深めていった。
TRIZに、実践的に触れて学んできた中で、「TRIZを始めるときに知っておくとよいだろう情報」や、
「TRIZ習得」を促進させるような情報を、TRIZを大学で学んだ私たちが提供できないだろうかと考えた。
また、それを簡易に羅列したりするのでは、真実味や、身近さが感じられないのでないかと感じ、
私たちらしさでもある「学生らしさ」、「TRIZを学んでいる学生からの生きた情報」を提供できればと考えた。
・『TRIZ学生ホームページ』:
大学生が、授業や、私たちのようなゼミナールでTRIZ・USITについて学ぶことで、何が得られるだろうか?
また、私たち自身は何ができるようになったのか? 私たち自身が、TRIZの何がおもしろいのか?
など、私たち自身について分析し、私たちがTRIZから知ったこと・得た影響を中心に、技法の説明なども記載した。
前者によって、これから学び始める学生や初心者に対し、TRIZ・USIT・問題解決の力の習得が促進され、
私たちが卒業間近で感じたことを早い段階・時期から感じてもらえることで、習得の幅も広がると期待し、ホームページを作成した。
私たち、卒業研究生たちが卒業研究・ゼミナールで取り組んだTRIZ適用例の紹介も兼ねることを加えた
「学生向けTRIZホームページ」について
今回、私がホームページを作成するにあたって、さまざまなことに困難した。
問題は、TRIZ/USITの技法について、その膨大なTRIZのデータを把握するのは難しいことや、
また、私たち自身がゼミナールできちっと理論として学んだのではなく、
自ら問題解決の実践を用いて学んだという経験習得的な学習方法が私の前に立ちはだかったのである。
きちっとTRIZ技法全体を把握しきらないまま始めたこのホームページ作成の作業では、自分の知識だけでは記述しきれないことが多かったことも事実である。
そのような箇所については、中川ホームページを参考に自分で噛み砕き、記述させていただいたり、
全体を通して、先生に監督をお願いしたりし、数多く指導もいただいた。
しかし、それらを「学生向け」として発信できるように対応させ、言葉を選んだり表現を選んだりすることは、予想以上に難しいものであった。
「学生向け」にするに至って、何をまず伝えることが大切なのかなど、深く考えたが、それにはTRIZのベースにある考え方を知ること、
すなわち、TRIZのベースに存在する「柱となる根本的な思考」を知ることが大事であろうと感じた。
また、この学生ホームページを書くにあたって何度も行き詰ってしまうことがあった。
しかし、「どのようにして構成するか」という原点に戻り、構成を考え直し、同研究生たちがどのようなTRIZへの姿勢を持っているかを研究し、
閲覧者に明示できればということに至り、それらをきちんとまとめることに努めた。
○ホームページ作成の基本方針
「学生である私たちが、学生に対して、TRIZを習得するための基礎を提供したい」
・「初心者学生には、何が分かり、何が分からないのか」をきちんと考えて記述する。
・私たちがはじめ、もっと欲しかった情報は何か?
・「学生だからこそ書ける「学生向け」」を実現する。
・私たち学生がTRIZを学んで感じることは何か?
・私たちにしか話せない「TRIZ」に関することはないか?
・私たちがTRIZを始めて、何ができるようになったのか?
何を得たのか、何が分かったのか。
・これからどのように役立っていくだろうか?
・「何を知っておくとよいか」
・「TRIZを使うノウハウ、ハウツー」とは何か。
・私たちが、何に「興味」を持ったのか?
(まず自分たちの興味、おもしろみ、関心どころなどを知り、書く。
・解決までの流れを記述する。
・技術的な詳細や段階についても必要ではないか?
・TRIZの自由度 など
○興味・関心について
上記、「興味」について同研究生たちに「自分がTRIZに持っている興味、おもしろみ」などをみんなに持ち掛け、話し合った。
その「座談会」での雰囲気もそのまま伝えられたらと感じ、「TRIZ 学生の座談会」と題して、
語り合っているその文章のままで、ありのままの研究生の姿をホームページに掲載した。
ありのままで掲載するほうが、素直な関心であり、既存する書き物とは違い、
また、私たちが新しくTRIZや問題解決に挑戦し始める学生に対して伝えたいものであると感じたためである。
そして、その資料をまとめなおして、少し補足を加えることで「学生たちの持つTRIZへの関心」についてまとめた。
「座談会」やその内容については、ページ内の本文を確認。
○座談会のまとめの項目
・私たちの興味
・TRIZってどのようなもの? 学べば何ができるようになるのだろう?
・TRIZってどんな人向き?
・TRIZを学ぶために、TRIZを使うために必要なことは?
・TRIZを学んだ私たち学生が、現状、TRIZから得たものって何だろう?
・TRIZ学生の私たちが持っているTRIZのおもしろみって何だろう?
また、最初から、どのような興味や関心を持って、TRIZを選んだのか?
○創造的問題解決の技法を用いた事例の分析―私たちの研究成果からの学び―
それぞれの問題解決の事例について、自分たちの研究の解決策へ至ったポイントは何だったのかを話し合った。
自分以外の人からも自分の研究について話してもらうことで、問題解決策に至るまでのさまざまなポイントが浮かんできた。
これは、私たちがそれぞれ、創造的問題解決の技法を用いて問題解決をしていった際、
直接解決策に向けて大きく影響を及ぼしたポイントである。
それぞれの研究をこうして分析することで、TRIZがその問題に対して、どのようにはたらきかけていったかを知ることができた。
それは、そのまま、『TRIZを用いるときの』、また、『創造的問題解決の技法を使用するとき』のひとつのノウハウに繋がる部分なのかもしれない。
○問題解決のイメージ作り
「問題解決する」とは、どのようなことなのかを、頭で思い描いてもらうことが大事ではないだろうかと感じ、
TRIZの思考法に沿って、問題解決のイメージを持ってもらえるように考えた。
ここでいうイメージとは、ベースにある根本的な思考と言う意味である。
まず、TRIZの根本にある思考とは、人間の思考の普遍的な「過去の経験を生かす」というものであると位置づけた。
普遍的なので、普段では感じにくいものであると思い、それを体験してもらえるようにと、
クイズを用いて、閲覧者自身がクイズを解きながら「過去の経験を生かす」ということを実感してもらえるようにと掲載した。
※クイズ、内容については、そのページを参考にしてもらいたい。
私たちが持ちえるであろう、この「普遍的な思考」を意識することは、これからTRIZを始める人にとって、事例を学び、
またTRIZを用いて問題に挑む際に、それらを習得し、解決を導くために、有効な基礎になるだろうと考えられる。
それは、TRIZを実践で学んだ私たちが、話し合った『座談会』のページからも分かるように「時間が経ち分かってきた」ことや、
話し合った中で「TRIZとは、普段は意識しないことを、意識して思考できることがおもしろいのではないか」ということがあったためである。
それが現状の私たちの興味や関心の一部になっているのだから、最初からそれを、少しでも意識してTRIZを学べるならば、
関心や興味が身近なものになり、理解が深くなると期待できためである。
○ゼミナールでの研究風景
私たち中川ゼミでの研究の風景を掲載した。
それぞれの研究に対して討議し、ホワイトボードに書いたその研究のさまざまな分析の黒板イメージを中心に掲載することで、
どのような形で私たちがTRIZに触れているのかなどを提供した。
目的は、私たちが触れているTRIZについて、学ぶ風景を知ってもらい、これから学ぶ学生に、授業風景のイメージを持ってもらうためである。
○私たちのゼミナールでの研究と事例
私たちがゼミナール段階で、共同で考えた問題と解決策を掲載しました。
・「落し物/忘れ物の事例」
・「迷子探しのシステム」
・「テーマパークの支援システム」
※内容については、各ページを見てください。
私たちのゼミナール段階での問題解決例を掲示し、
どのようにして考えていくことで問題が解けていっているか、解決までの流れなどが分かるようにした。
「時間軸で考える」や、「空間的に考える」、「実際には実現していないが、想定されるさまざまな問題を解消する」なども手法として用いた。
その手法の説明や実用例としての意味を兼ね、掲載した。
○TRIZ/USITの解説と資料
ここでは、TRIZとUSITについてのさまざまな技法を詳しく説明した。
内容に関しては、中川先生のホームページや教科書を読み、まとめたものである。
少し読みやすくしようとしたものであるが、解決策生成の部分などについては、もとから、かなりまとめられていた資料であったので、
言葉をそのまま使わせていただいているものも多い。
内容が膨大なため、解釈が至らないところもあるため、下手に間違ったことを書かないようにと考慮したためである。
もっと詳しい手法の詳細などが知りたい方は、「中川徹TRIZホームページ」を参考にしていただきたい。
USITを中心にし、USITのフローチャートを用いて、流れに沿って説明するようにしている。
また、問題/状況に応じて、それらが決して、その通りの流れで進むわけではなく、
さまざまな手法や考え方を自由に用いることがさらに、アイデアを膨らませるということも記述した。
※フローチャート、技法の詳細等は、そのページを見て確認してください。