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研究活動

国際シンポジウム 「クルド自治区(イラク共和国)における近年の考古学的調査」                 

【東京会場】                         実施:2013年10月24日



2013年10月22日から28日まで、イラク共和国クルド自治区ならびにイギリスから計4名の考古学関係者を招聘し、2度のシンポジウムを含む一連のイベントを行った。
本稿は、東京で行われた第1回目シンポジウムを中心に、その前半部分を報告する。 ゲストの4名は、スレイマニヤ考古局長カマル・ラシード氏、スレイマニヤ博物館長ハシム・ハマ・アブドゥッラ氏、同博物館保存技術者ハイマン・ヌーリ・ファタハ氏、ロンドン大学(UCL)考古学部講師マーク・アルタウィール氏である。一行は22日に成田空港に到着し、翌23日、筑波大学西アジア文明研究センター等研究施設の見学、考古学的研究調査協力に関する打ち合わせとウェルカム・パーティーを経て、24日(木)に筑波大学東京キャンパス文京校舎122講義室にて、シンポジウムを行った。
シンポジウム会場には、近年、急速に調査が進んできたイラク・クルディスタンにおける発掘調査への関心の高さを反映して、50名を超える西アジア考古学関係者が集まった。ゲスト・スピーカー4名の講演では、先史時代からイスラム期に至るまでのスレイマニア地区の考古学的重要性、ユネスコの援助を受けてのスレイマニヤ博物館の大規模な再建計画とその進展、イギリスを含む欧米各国によるクルディスタンにおける近年の盛んな考古学的調査についての報告が行われた。また、企画者の一人である渡辺千香子氏もスレイマニヤ博物館において同氏の調査チームが実施した博物館所蔵粘土板の研究調査について報告した。
なお、招聘は、科学研究費基盤研究B「テル・タバン出土楔形文字文書によるハブル川流域の歴史研究」(研究代表:山田重郎[筑波大学])、ならびに同「イラクの塩害と砂漠化の環境史」(研究代表:渡辺千香子[大阪学院大学])によって実施し、実施にあたって筑波大学西アジア文明研究センター(代表:常木晃)から多くの御支援をいただいた。記して御礼申し上げる。
                                        (山田重郎)

                

【京都会場】                         実施:2013年10月26日




国際シンポジウム(京都会場)は、2013年10月26日(土)午後、京都ガーデンパレスにて開催されました。前日から大型の台風が接近していたため、どうなることかと心配しましたが、昼頃までには天気も回復してシンポジウムを予定通り開催することができました。
プログラムは、⑴「クルディスタンの編年学」(カマル・ラシード氏)、⑵「スレイマニヤ博物館の近代化」(ハシム・ハマ・アブドゥッラ氏)、⑶「スレイマニヤ博物館収蔵の粘土板に関する分析」(筆者)のほか、⑷「シュメール農業における種子、収量と面積単位」について前川和也氏(京都大学名誉教授)の発表がありました(詳しい内容については、前川氏の記事をご参照ください)。東京会場よりもシンポジウムの規模が小さく、終始和やかな雰囲気でした。また会場が京都御所に隣接していたため、イラクから招聘した3名のみならず、英国から出席されたアルタウィール氏にもたいへん喜ばれました。

                                          (渡辺千香子)
 

 左:国際シンポジウム京都会場の様子
 右:来日メンバー(左からアルタウィール氏、ラシード氏、ファハタ氏、アブドゥッラ氏)

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