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太平洋学会会員近著

(著者アルファベット順)

Ron Crocombe and Marjorie Tua'inekore Crocombe ed., "Akono'anga Maori: Cook Islands Culture," Institute of Pacific Studies in Association with the Cook Islands Extension Centre, the University of the South Pacific; the Cook Islands Cultural and Historic Places Trust and the Ministry of Cultural Development, Rarotonga, 2003. ISBN 982-02-0348-1

【著名なクロコム博士夫妻によるクック諸島の文化についての詳細な解説。】


平間洋一編『戦艦大和』講談社選書メチエ269、講談社、2003年5月、1,600円+税。
ISBN 4-06-258269-4


【6章からなり、平間洋一、戸高一成、岩崎繁美、ジョセフ・C・クラーク、マリコ・A・クラークの5人が執筆している。編者は序文で、「なぜ大和を造ったのか」「技術上どのような特徴があったのか」、また大和が「いかに世界最強の戦艦であったのか」といった大和建造の問題を明らかにしたい。次いで大和が国民の期待に添えずに、無惨な最期を遂げなければならなかったか運用上の問題、特に大和の沖縄特攻を中心に分析した。また、米国の歴史学者による、米海軍から見た大和という新視点も加えた―と述べている。巻末に索引がついているのは素晴らしい。】


平間洋一・杉田米行編著『北朝鮮をめぐる北東アジアの国際関係と日本』明石書店、2003年9月、2,600円+税。
ISBN 4-7503-1766-7


【8月の北朝鮮の核をめぐる6カ国協議(北京)の直後というタイミングで本書が出版された。平間・杉田両氏を含めて11人が異なる立場から執筆しているが、特に平間・杉田両編者の主張の相違が大きいことも本書を興味深いものにしている。平間氏が日米同盟を堅持し北朝鮮には「圧力」を以って臨むべきであるという立場であるのに対して、米国と対等な強調関係を築くためには日米は日米安保条約を破棄すべきとの杉田氏は、「対話」を重視すべきと主張する。本書あとがきには、この二人の論争が「追補」として収録されており、この「追補」だけでも本書に極めて大きな価値を与えている。】


平間洋一『日露戦争が変えた世界史 「サムライ」日本の一世紀』芙蓉書房出版、
2004年4月、2,500円+税。
ISBN4−8295−0341−6


【まず日露戦争を黄色人種が白色人種に勝利した戦争ととらえ、その勝利のヨーロッパ諸国、アジア諸民族、アラブ社会への広範な影響を述べ、続いて日露戦争後における米国での排日の嵐、コミンテルンの中国政策を経ての日本の戦争突入、さらに、日本の敗戦に続くアジア各国の独立を描く。そして、日露戦争から百年後の敗者は、コミンテルンの筋書き通りに戦争に巻き込まれた日本であり、ソ連も冷戦に敗れたことを考えると、現在の勝者は居丈高に反省を求め、自虐史観に苛まれた日本からODAという貢ぎ物を享受している中国だとしている。百年くらい経たないと歴史は見えてこないというのが著者の史観の中心にある。】


小林正典『旅ばか日誌 ビテイ骨をすり減らしながら』里文出版、
2005年2月刊、2,400円+税。
ISBN 4−89806−222-9 C0026


【著者は、フジタグアムタモンビーチホテルの創業に携わり、その後、読売ジャイアンツが春のグアムキャンプで利用したこともあるこのホテルで総支配人を長く勤めた。定年退職後もグアムに留まって各方面に活躍中だが、余暇を利用して世界中を旅している。ツーリズムのプロが経験する「旅」と、その目から見た旅先の文化、歴史等々が、軽妙闊達に叙述されており、訪問先はロシア、雲南、タイ、ベトナム、モロッコ、モンゴルと広範で、太平洋諸島ではヤップ島が第2章に収録されている。】


栗林徳五郎『うたの本  太平洋の塩  クリスマス島の塩田から』テワコーポレーション(株)、2003年3月、500円(税込み)

【1997年、日本政府は塩の事実上の自由化に踏み切ったが、それ以前に、クリスマス島の塩の日本への輸入を願って詠んだ百首が中心となっている。クリスマス島の天然の塩への深い思いと、日本の官僚に対する痛烈な批判の書。】


中島洋『サイパン、グアム  光と影の博物誌』現代書館、2003年4月、2,200円+税
ISBN 4-7684-6855-1


【北マリアナを訪れる日本人観光客のための観光情報月刊誌に13年にわたって連載したものの中から55編が収録されている。スペイン統治、ドイツ統治、日本統治、米国統治を経て、その間、第2次大戦の激烈な戦火を浴びたサイパン、グアムの歴史と豊穣な文化を描く。】


中原厚『詩集  黒い一匹の人魚の歌』文芸社、2002年7月、900円+税。
ISBN 4-8355-4133-2


【海中に転落すると、五分も生きていられないという海域は、船乗りの死に場所として、これ以上に相応しい所はない。荒れ狂う空と海の、濃霧に閉ざされる空間、常に死と隣り合わせの「航海」とは何であったろうか。くにをすて、いえをすて、女房をすてて、ついに見た流氷と海獣の墓場。さらに、南洋を放浪する途半ばで出会った「海賊」。さようならも言わず、別れた空の色。それら人生の『時』の流れ。(著者の「後記」から)】


西岡義治『メラネシア記  南太平洋の秘境を歩く』新樹社、2003年5月、2,500円+税
ISBN 4-7875-8521-5


【熱帯雨林、海、そして民族芸術。美しい島々のエコツーリズム。南太平洋に散在する国々、パプアニューギニア、ソロモン諸島、ヴァヌアツ、ニューカレドニア、フィジーを歴訪して自らの目と足でたしかめた自然や人々の生活、民俗の現状と未来をたんたんと語る。メラネシアへのエコツーリズムに必読。巻末におもな観光機関リストが付されている。】


大角翠編著『少数言語をめぐる10の旅』三省堂、2003年3月、2,500円+税
ISBN 4-385-36145-2


【現代日本を代表する言語学者たちが、少数言語のたいせつさ、おもしろさを、フィールドの回想録をまじえながら、ときにユーモラスに、ときに感動的に説き語る。(本書の帯から)】


島岡宏・白井元康編『国際関係を生きる−教育する国際学−』晃洋書房、
2004年3月、2,000円+税  
ISBN4−7710−1514−7


【今日直面する人類的課題は、人間不在を思わせる。人びとは、国際関係を「生きている」のか、「生かされている」のか。教育する国際学は、「国際関係を生きる」新たな“ものさし”として、21世紀の地球人に、グローバル・スタンダードにかわるローバル・スタンダーズの視座を提供する。グローバルに対比される概念としては、グローカルが知られるが、本書では、ローカルに内在する「普遍性」に立脚する“ローバル”の概念を提示する。ローバルな“ものさし”は唯一ではなく、複数存在する(Lobal Standards)。】


篠遠喜彦+荒俣宏『南海文明グランドクルーズ』平凡社、2003年3月、2,000円+税
ISBN 4-582-51229-1


【ペルーのカイヤオ港から、タヒティ、ボラボラまでの豪華客船による航海の中で篠遠博士と荒俣宏氏が行なった講演と、両氏の対談が収録されている。構成は、「南太平洋、島めぐり」と「太平洋考古学の現状」と題する二つの対談の間に、四つの講演、「南太平洋の不思議」「ペルー、イースター島、妄想」(以上荒俣氏)と「南太平洋のへそ、イースター島の話」「ポリネシア考古学40年」が収められている。】


須藤健一監修、倉田洋二/稲本博編集『パラオ共和国―過去と現在そして21世紀へ―』おりじん書房(長崎県大村市)、2003年4月、20,000円+税。

【A4判、総ページ数750ページの大冊。一部「パラオ共和国の現在」、二部「パラオの先史と近代の歴史」、三部「第一次世界大戦と日本時代」、四部「太平洋戦争とパラオ」、五部「アメリカの信託統治とパラオ」、六部「パラオ共和国の二十一世紀」、七部「パラオの未来像」の七部と、終章「日本とパラオの関係」からなる。23人の執筆者には倉田洋二氏のほか、辻原万規彦、三田貴両氏など、本会会員が名を連ねている。】


友田好文『地球はそれほど大きくない』冬至書房、2003年4月、3,800円+税
ISBN 4-88582-424-9


【はじめは「画集」にしようと思ったが、絵かきでもないのに画集は変だ。それに画でないものもある。芸術家でもないのに「作品集」もないものだ。油彩もある、スケッチもある、てびねりもあるし、木彫もあるし、プラモデルもある。何年もかけてできた船上重力計もあるし、重力の地図もある。(著者の「はじめに」より)】


友田好文『コーヒーブレイクに地球科学を』海猫屋、2004年7月刊、2,300円+税
ISBN4−902164−01−9


【目次を見ると、第3章 地震発生の原因説・むかしから今へ、第4章 「カオス・混沌・偶然」から秩序へ、などと並んでいるが、『漱石全集』の中の「子供との対話」から十数行が引かれていたり、太宰治の『佐渡』の一節が出てきたりして、楽しく読める。マントルとか、地球磁場とか、重力などと聞いただけで怖気づく人にはお勧めの「地球科学」の本だ。】


矢崎幸生『ミクロネシア信託統治の研究』お茶の水書房、1999年9月、8,000  円+税
ISBN 4-275-01777-3


【かつて日本が国際連盟の委任を受けて統治した「南洋群島」は、現在は、北マリアナ諸島自治領、パラオ共和国、ミクロネシア連邦、マーシャル諸島共和国となっているが、第2次大戦後は、米国を受任国とした国際連合の戦略信託統治を経た。本書は、スペイン、ドイツ統治にまで遡り、ミクロネシア信託統治を詳述する。各国(地域)の憲法についての解説もある。】