大阪学院大学 外国語学部ホームページ
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坂本 美穂子(外国語学部英語学科1997年卒業、財団法人広島平和文化センター国際部平和連帯推進課勤務)

財団法人広島平和文化センター国際部の平和連帯推進課に勤務しています。(財)広島平和文化センターは、広島市の外郭団体で、広島平和記念資料館の運営や、修学旅行生を対象とした被爆者による証言講話の実施、また国際交流のための行事など、平和や国際交流・協力に関するさまざまな業務を行っています。私は、現在の部署で主に書簡やEメール、ホームページの翻訳や、海外からのお客様の案内などのほか、「平和市長会議」に関連する業務を担当しています。

この「平和市長会議」とは、世界の126カ国・地域の1982都市(2008年1月1日現在)からなる市長のネットワークで広島市の秋葉市長が会長を務めています。核兵器廃絶と世界恒久平和を目指して活動を行っているNGOであり、2020年までの核兵器廃絶を目標とした「2020ビジョンキャンペーン」を世界的に展開しています。活動内容は多岐にわたりますが、例を挙げますと、核兵器の廃絶に真摯に取り組むよう日本国政府をはじめとする各国政府に要請文を送付したり、加盟都市の市長などで代表団を形成して国際会議に出席したりしています。昨年秋、「平和市長会議」の理事都市が参加して2年に一度開催する理事会がフィレンツェで行われ、私も事務局の一員として初めて海外での会議に参加しました。開催都市(フィレンツェ市)との事前協議や参加都市への案内・通知、現地での調整など初めてのことばかりで緊張しましたが、周りの方々に支えられ、非常に良い経験になりました。「平和市長会議」に関する詳しいことは、ぜひホームページをご覧ください。(http://www.mayorsforpeace.org/)

私は大学時代、ゼミで米国のマイノリティや移民文化の研究を行い、卒論のテーマは前国務長官のコリン・パウエル氏でした。今の仕事もアメリカの政策などが関係するので、当時身につけた背景知識や情報収集の仕方などは現在も役に立っていると思います。インターネットが日常生活の一部となっている現在では、必要とする情報にたどり着くまでわざわざ図書館に行って膨大な量の書籍の中から調べなくても、ネットを検索するのが一般的だと思います。実際、私も仕事ではネットを駆使しています。でも、ネット上ですぐに欲しい情報が見つかるとは限りません。あきらめずに自分の求めている情報にたどり着くその過程が非常に重要だと思っています。私は、そうした過程があるから、きちんと自分で情報を見分ける力が身につくということを、ゼミでの2年間で学んだと思っています。

学生時代、語学力が役に立つ職場で働けたらなぁ、と漠然と考えていましたが、特に通訳や翻訳家になりたいと思っていたわけではありませんでした。今、語学を活かす仕事に就き改めて痛感していることは、英語力を磨くことはもとより、日本語力を磨くことがいかに重要かということです。伝える相手にとって最もわかりやすい表現はどのようなものかを考えながら、普段何気なく目を通している新聞や雑誌を丁寧に読んでみると、知っているようで実は知らなかった単語がたくさんあることに気づきます。そういった、小さな疑問を見過ごさず自分のものにしていくことが、語学力を身につける一番の方法だと考えています。今後もさらに努力を重ね、周りの方々から信頼される職員となるよう励んでいきたいと思います。