大阪学院大学 外国語学部ホームページ
社会で活躍する卒業生の体験談や、留学中の学生からの現地リポート等が閲覧できます。

今村 純人 ― 辛い思いをいかに乗り越え、充実した留学生活に繋げたか ―

  初めまして。大阪学院大学3回生、現在オランダのフォンティス応用科学大学に留学中の今村純人と申します。私の暮らしているオランダの小さな街フェンローは、首都のアムステルダムから電車で2時間弱と、かなり首都から離れており、ドイツに行く方が近くて安いです。この街では10月ごろから肌寒くなり、今ではすっかり氷点下の気温が基本で、毎朝雪ではなく、周りの木々や落ち葉が凍って銀世界になっています。


  さて、8月から始まった留学生活も、残すところ2週間となり、1日1日を大切に過ごしています。フェンロー到着当初は初めての海外に加え、初めての一人暮らしというのもあって、とても苦しくて、何度も泣いていたのですが、今ではその生活にも慣れ、毎日を楽しく過ごしています。今回の記事では、正直に感じた留学のリアルについて書いていこうと思います。 主に、私が実際に経験した、「留学一ヶ月目の苦労と自己嫌悪」、「慣れるのに必要なこと」の2つについて書かせていただきます。


  1つ目の「留学一ヶ月目の苦労と自己嫌悪」についてです。初めてオランダに着いた時、私は「友達をたくさん作るぞ!」や「誰よりも充実した留学生活を送ってやる!」といった希望で溢れてフェンローに向かいました。フェンローの駅に着き、そこで待っていてくれたバディーの車に乗せてもらい、下宿先のCarpe Diemに到着し、自分の留学生活がスタートしたのだなと実感しました。しかし、飛行機便の関係でIntroduction days(日本の大学でいうオリエンテーション)に参加できていなかったのと、すぐに授業が始まるわけではなかったので、友人をどこで作るかで戸惑いましたが、それはこっちですぐに知り合った日本人学生に数人紹介してもらい、仲良くなりました。そのメンバーでパーティに行ったりして楽しかったのですが、部屋に戻って一人になると今まで感じたことのない孤独感と、うまく英語が話せない自分がとても鬱陶しくなって自己嫌悪になり、留学が始まって3日も経たずして「今すぐに帰りたい」と思っていました。この記事を書いている今でもその時のことを思い出すと苦し

くなるぐらい自分にとって過酷なものでした。こんなことで逃げ出したくなる私、希望で溢れていた私とは全く対照的で、自分以外の人はうまくコミュニケーションを取れているといった嫉妬などで、さらに自己嫌悪に陥りました。私の留学生活は勉強以前に、私自身のメンタルの弱さで壁にぶつかりました。   


  ここで、実際にどうやってそれらを克服したのか、慣れていくのに必要なことは何だったのかについても触れていきます。単刀直入にいうと、「時間」です。結局、時間が悩みを解決してくれます。家族や友人に電話しても、部屋にいるのは私一人という事実は変わりません。泣いては寝ての繰り返し。初めはこれでいいと思います。しかし、余計に虚しさを感じるだけということに気がついたのです。どこかでしっかりと自分の気持ちと向き合って、自分の理想の留学生活をもう一度思い出してみることが大切です。私の場合、友達をたくさん作るという目標があったので、どう行動すべきなのかをしっかり考えてみました。そこで、以前紹介してもらった学生のみならず、隣に暮らしている学生に直接声をかけ、パーティをしようと誘いました。それだけではなく、初めて会った人には挨拶だけではなく、ご飯の勧誘等もしてみました。これがシャイでホームシックに陥っていた私にとって、大きな一歩でした。海外の学生と仲良くなるにあたって重要なことは、どんな相手でも自分から話しかけに行く

「コミュニケーション力」と、自分の英語をいかに伝え、みんなと仲良くなるんだという「チャレンジ精神」だと私は考えます。相手は自分のことを何も知らない、だから日本で空気を読んで過ごしていた自分ではなく、ありのままの自分をいかに出せるかが留学生活を楽しいものにするか、つまらないものにするかを決めるといっても過言ではありません。   


  こんな苦しい思いをした私ですら、自ら動くことで自然と周りもついてきてくれるようになり、今は留学生活が楽しくてたまりません。帰国が目の前まで迫っていますが、オランダで出会った学生ともっと親睦を深められたらいいなと考えています。


最後に留学を目指される皆さんへ  

  色々とマイナスな話を書かせていただきましたが、私はこれらの苦しい経験をしたからこそ、日本にいた時の自分とは全然違う自分になれましたし、オランダに着いた時に思い描いていた「たくさんの友達づくり」も成し遂げることができました。これらの経験によって、将来たとえ壁にぶつかっても乗り越えられる自信にもなりました。読んでくださっている貴方が留学に行くことになって、ワクワクしていた気持ちが気づいたら何事もうまくいかず、ホームシックやカルチャーショックに陥っていたということがあるかもしれません。ですが、それは貴方だけではありません。誰しもが通る道なのです。多くのことを経験し、失敗しても大丈夫。それは成長の過程なのです。失敗しても怯まずに、どう繋げてステップアップするか考え、そして自分の気持ちとしっかり向き合うことが重要であると私は思います。これを読んでくださっている貴方が、帰国時には楽しかったと胸を張れるような留学生活を過ごせることを願っています。




                                         2022年12月(2020年度生)