大学教育マルチメディアコンテンツ開発研究会
第5回開催記録
1.日時 平成12年7月14日(金) 14:30-16:30
2.場所 大阪産業大学梅田サテライト 大阪駅前第4ビル22F
3.出席者(敬称略)
1)研究会メンバー:荒木、鬼木、井上、久保田、高増、北岡、倉本、木田、岩戸
2)特別参加:高村、山崎(以上、大阪産業大学大学院生)、高田(BBCC)
4.議題(資料1および資料2については、TOPページから参照)
4.1.当研究会の今後の運営について 資料1:会則
荒木代表より、アンケート用紙を配布し、意見提出を要請した。
会則については、運営委員会にて討議したもの。本日は討議時間無く、配布のみ。
4.2.新メンバー紹介 資料2:名簿
名簿により、出席者、自己紹介。
4.3.発表:情報社会におけるこれからの教育方法 資料3
主な質疑応答・コメント(敬称略)
久保田:各大学等で遠隔教育などをトライされていかがですか?
井上:技術的な制約もあり、なかなか大変。例えば、講義モード、質問モードなどの切り
替え機能があるが、この操作が面倒で、操作に気を取られると、講義がし難い。
だからと言って、一方的な話の仕方になると、後でビデオを見ても同じ、という感じ
になる。
つまり従来のスタイルのままで遠隔講義を行うと、遠隔側の学生は面白くない。
鬼木:お話を聞いていると、一部昔に戻るような感じもするが、単純に昔に戻れという話
では無いだろうと思う。これまでに比べて新しい要素は?
久保田:構成主義の考えでは、昔の徒弟制度を肯定的に見ている要素もある。つまり、
単に「知識」として覚えるだけでなく、その環境に身を置いて、現場で学ぶことの重要性
を指摘している。
学習方法の中にPBLというのがあり、特に医学の分野では、事例に学ぶというのが
ある。 PBL:Problem Based Learning
北岡:「知識」という言葉が出ているが、「知恵」とはどう違うのか?
本日の話を聞いて思い出したこと。アンコールワットの遺跡を見た経験があるが、遺跡
の中にいろいろなレリーフがあり、これは当時の知識全体を描いたものと思う。その中
にかっての教室の様子を描いたレリーフがあった。一番奥に座っている学生は居眠りを
して居た。
岩戸:構成主義のような考えを取り入れた時、学生の学習結果に対する評価方法は?
今の単位制度というのは、正に知識の切り売りのように感ずる。
久保田:ポートフォリオ形式などいろいろな方法が検討されている。
北岡:自分が講師をしている専門学校では、その方式を採用し、就職活動の時も会社側に
学んだことの説明資料として使ったりしている。
倉本:自分が博士論文執筆の際に研究した領域とかなり重複。その経験からのコメント。
「道具」の中には、ハードなものだけでなく、言語などの心理的道具も含まれる。
ビゴツスキーが最初に道具として上げたのは、言語だった。
井上:知識を外から与えることの意味もある。あれかこれかでは無いだろう。
北岡:2つの専門学校で講師をしているが、生徒の状況が異なる。
一方は、一度社会経験をしている生徒が多いが、他方はそうでは無い。学習態度が異な
る。後者は一方的な教え方になるケースが多い。
生徒には早くから人前で発表する訓練をしておく必要がある。
荒木:おおむね理解できたつもり。根底に心理学があるように感じた。
この方法での教育というのはどの程度実際面で進んでいるか?
また、学習者の発達段階の問題があると思うが、それについては、本日触れられていな
いように思う。その点はどうか?
あまり現実的になり過ぎるとかえって社会に出て役に立たないのでは?
学校には、一部遊びの要素もある。
久保田:昔のエリートだけが大学に行く状況では、良いが現在のようにかなりの進学率の
状況で昔と同じ考えで良いかどうか?
荒木:人間教育ということで良いのでは? 高等普通教育という認識に変えたらどうか?
高増:教員が教育技術を高めるインセンティブは?
久保田:難しい。任期制、学生からの評価など。
岩戸:大学の中で、教育者に対する評価が無いのでは?
久保田:米国の大学では、研究、教育の両面から評価される。
鬼木:その他に学内行政の要素もある。それらが報酬にも反映される。
高増:構成主義も実践するのは大変。やると学生は喜ぶかも。
ただし、大教室方式には必要悪の側面もある。
久保田:それ(知識を習得する)というようなことは学生の自主的な所にまかせてしまっ
てはどうか?
荒木:構成主義を採用するならば評価方法も変える必要在り。例えば、集団の中での個人
というような側面の評価など。
*:高増先生の講義で遠隔教育を受ける体験をしたが、高増先生の場合、学生に当てるの
で緊張した。
*:評価の問題だが、学生だけにまかせるのは問題。
倉本:学生は、単位を楽にくれる先生を喜ぶ。
荒木:ゼミの選択においても楽なのを選ぶ傾向あり。
久保田:教え方を変える必要があると思う。知識の習得のようなことはCD-ROMで勉強
して貰い、後で少人数で討議するなどの方法。
荒木:園部での実験でもそのようなことを志向している。いろいろな学習ソフトをVOD
形式で提供し、自習して貰う。ただしコンテンツの整備が大変。
大方の人の認識は、「情報=コンピュータ」という発想。
北岡:タイのラウカーヘン大学を見学したことがあるが、ここでは大教室でビデオで学習
していた。教室へ行かないと見えない。
久保田:タイは遠隔教育方式を積極的に採用している、過疎地の先生不足対策。
荒木:みなさんへの提案。この研究会で何かマルチメディア教育ソフトを試作して見ませ
んか?
久保田:関西大学では、早大と提携して、CSで結んで実験する。基本的な所はDVD(
事前に各校に配布しておく)で学ぶ。それを見て先生などと討議。
アンケート用紙から
井上:久保田先生の発表について
教育というのは何なのか? 学ぶということはどういうことなのか、原理的な問題を
考えるのに大変参考になりました。
方向性について考えるのに原理的な問題を考えておく必要がありますね!
木田:有意義な各方面からのご意見非常に興味深く拝聴しました。
4.4.その他(次回開催等)
以下は散会後の話も含む。
1)当研究会のプロジェクト候補
1−1)討議メモ(幹事作成)を元に構成等見直し、報告書としてまとめる。
1−2)適当なテーマを選定して実際のマルチメディア教材を作成して見る。
2)次回研究会テーマ
2−1)上記プロジェクトに関する議論
2−2)園部町で行われているマルチメディアモデルキャンパス実験について
当研究会で報告をして貰うかまたは見学会を行う。