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国民生活の向上と日本経済の生産性増大のために、ブロードバンド(BB)ネットワーク(光の道、広帯域通信網)の早期建設が望まれている。本稿は、事業者のビジネス意欲・創造力を発揮させるために公平競争環境を維持し、また公的手段による規制・援助を最小限に留めながらBBネットワーク建設を加速させるための方策を考える。つまり基本ポイントは、「自由競争と公的介入の矛盾」をなるべく上手に解決できるシステムを工夫することである。
この目的のため、事業者サービス業務の上下統合を尊重しつつ、「公的性格を持つ横断的組織(新設)」がBBアクセス・インフラの供給市場を価格面からコントロールするフレームワークを提案する。その結果、BBアクセス・インフラについて「実質的な競争環境(新規参入機会および自由な投資・サービス供給)」とユニバーサルサービス下(必要であれば)での低水準インフラ供給価格を実現し、BB需要の早期発現を誘導することができる。また裁量性の強い補助金直接給付や接続料規制などは、BBアクセスについて不必要になる。さらに必要資金を可能なかぎり民間金融市場で調達する方策を考え、早期建設に伴うリスクとリターンをBBインフラ建設事業者から資金提供者・国民全体(政府)に移転させる。 (改訂: 02/07/2011)
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Hajime Oniki