TRIZ/USITの学生による適用事例@
テーマパーク管理システム
テーマパーク内でのお客さんの分布状況を知り、混雑情報を発信する方法である。
このシステムの導入によって、テーマパーク内の人の流れや、
緊急時など場合によっては、子どもの安全を守るシステムである。
→親機子機システムの利用方法を拡張した例のひとつである。
→>>>親機子機システム(落し物/忘れ物)について
親機子機システムを用いた経営支援システム
基本的には、親機子機システムの規模を大きくしたものを用いる事例である。
以前考案した、親機子機システムをテーマパークで用いることでお客さんの分布を知ることが可能である。
また、迷子探しシステム(→>>>)のように、個人情報(個別機能)をもつ子機を用いる場合は、
それをうまく利用することで、さまざま情報が得られることに目を向けた。
混んでいる場所の把握と、人気アトラクションの集計やお客さんの足の運び方など、
得られる情報は数多く、これらを有効に利用するに越したことはない。
そこで、親機子機の改良について考え、その情報を得るために必要な改良は何かを考えた。
○親機子機システムを用いることで、どのような情報を得られるか。
・リアルタイムで混雑状況を把握でき、混雑を解消することができる。
→お客さんからの苦情が減る。お役さんに混雑していない場所情報を提供できる。
・より効率のよいアトラクション配置、サービス店舗、従業員の配置が可能になる。
・迷子や、近年不安の増える誘拐などの事件の抑圧につながる。
・人の流れのパターンを把握することで、効率のよい運営が可能になる。
・年齢別、男女別、カップル、家族連れなど、さまざまなグループ、さまざまな層による人気分布が分かる。
など
○上記、得られる情報を得ようとするとき、どのような機能をもつようにすれば、可能になるか。
・大親機、親機、子機システム
→親機
・・・子機に対して呼びかけ電波を送信する機能。
子機の電波を受信する機能。
設置は、パークの中心部に
ひとつではなく、エリアの中心部にひとつにする。
−−−エリア別の情報を得るため。
親機システム・・・受信したものを集計し、エリア情報として蓄える。
→子機
・・・親機の呼びかけ電波に対して、返信する機能。
個別機能をもつ。
・幼い子供用(個人別機能で、誰が持っているのか判別できる機能)
・小人用(男女2種)
・中人用(男女2種)※学生など
・大人用(男女2種)
・老人用(男女2種)
のようにいくつかの段階に分けることで層別の情報が得られる。
お財布機能(※以下に出てくる)
鍵付のもの、防水、熱に弱くないもの、対衝撃耐性、軽量のもの
子機システム・・・簡単なピット情報を受信電波に乗せて返す。
→大親機(親機の親となるシステム) ※設置例は「○設置例」を参考に。
・・・親機のエリア情報を集計し、分析する機能。
また、迷子システムを併用するとき、
その子機がパーク内に存在しているかを確認するアンテナ機能。
→リアルタイムの混雑状況をお客さんに提示するもの(情報掲示板のようなものなど)
・・・大親機(または各エリア)で集計された情報に基づいて、混雑じょうきょうなどを提示する。
○お客さんに持ってもらうためにはどうするか。
・お客さんが、店の運営のためにいやいや持ってもらうのではお客さんに対して失礼である。
→お客さんが持たなくてはならないように工夫する。
例えば、その子機を持ったお客さんに対して、サービスがある。
その子機を持ったお客さんは、乗り物に乗り放題になる。
お財布機能(お金の代わりになる機能)がついている。
など、お客さまにメリットを感じさせることで、子機の携帯を嫌がらないようにする。
・また、子機の形態にも気をつける。
→かわいらしいキャラクターなどがついたものにすることで、子供が装着を嫌がらないようにする。
→腕輪型、首掛け型、パーク側管理の鍵付などにする。
→パーク側管理の鍵付にする理由は、お客さんが任意に外すことをなくすため。
すなわち、悪意を持ったものにはずさせないようにする。
かつ、お客さんがそれを持って帰ることのないようにする。→リサイクル(使いまわし)
※安価なもので実現可能な場合は、必ずしもリサイクルを考えなくてもよい。
当日限りの有効なものにすればよい。
○設置例
子機・・・お客さんに持ってもらう(園内を自由に移動する)。
図:大親機、親機の設置例 |
●黒点・・・大親機 ●●●●●●色点・・・各エリア親機 また、効率のよい情報収集のために親機、 大親機が連携する(ネットワークをきちんと持 ち、機能することが大切である) |
発信する電波による考察
アンテナを空間的に把握し、電波について分析する。
アンテナの空間的な配置例図 例図:アンテナを中心にした円を等分し発信する電波送信
お客さんが自由に存在し、動くことを想定した電波の送信。
アンテナを中心に周囲を一度にサーチするものでも良いが、電波を返すだけの子機の性能を生かし、
上記右図の方法を用いることで、その子機の位置を把握するようにすればよい。
また下図は電波の時間的な要素を組み込んだ分析のグラフ。■は子機を持つ人の位置であり、縦軸上部のアンテナから発信された電波は、
子機が電波を跳ね返し、それがアンテナに返ってくた時、その発信時間と受信時間から距離を計算し、位置を把握する。
さらに、上図右の分割を細かくすることで、電波を発信した角度と踏まえて考えると、さらに精度のよい位置情報も得られる。
※TRIZの分析で使用するグラフなので、きちんと細かい情報まで書いたグラフではないことに注意!
図:アンテナと子機、電波の時間空間的距離の分析グラフ