時間・空間特性の分析  

この段階は、問題に関わるものや属性と問題の関連状況をきちんと把握するために行う。
何のどのような属性/機能がどんな特性(時間的なタイミングや、空間的な配置など)が問題なのかを明確にすることで
その問題の本質にある「解決すべき矛盾した原因部分」を見つける作業段階です。

  ・・・問題、あるいはシステムについて、時間的、または空間的にその特性を分析する段階。
   問題の状況を認識するためにも空間と、時間の二つの定性的なグラフを描くとよい。
 

 ここで描くべき、二つの定性なグラフは、縦軸に、システムの「機能」や、問題の「効果」を取る。
  二つのグラフを以下にA、Bとして分けて説明する。

A)時間的な特性を踏まえたグラフ
   横軸に「時間」を取り、問題(または理想)をグラフ化する。縦軸は上記に示した通り。
   このグラフも、フローチャート前項目の「定性変化グラフ」と同様に詳細まで書き込む必要はない(値などは必要ない)。
   定性的な依存関係が、グラフ上で簡単に分かるように書くことが大切である。
  
  例 林(02S)の適応例〜万引き対策の方法〜・時間的分析の一例
    

B)空間的な特性を踏まえたグラフ
   横軸に「空間」を取り、問題(または理想)をグラフ化する。縦軸は上記に示した通り。

  また、空間を把握するために書くことも空間的分析である。グラフではなく、空間の見取り図などを書く。
   この場合は、問題の状況をきちんと把握したり、分かりやすくシミュレーションを考えるときにも有効である。
  ※どちも、詳細まで書く必要はない。

 例 大森(02S)の快適な車両空間の問題・空間的分析の一例
  
 

  この考察は、物理的矛盾が起こっている時、問題を解きたい人に「それが不可能だ」と感じさせ、
  解決策が見つけにくくなることを、時間的、空間的に分離することで、それが「不可能だ」とは
  感じさせなくさせるためにする分析である。
   例えば、ある解決策が浮かんだときに、「このシステム上では現実不可能なので諦める」となるが、
   このように、空間的または時間的に分離して考えることで、
   「空間的にはここで可能だが、こちらでは不可能であるから、何とかならないか」
   「時間的にはこの時点では可能だが、ここの時点では不可能だ。何とかならないか」
   といったように、物理的矛盾を『分離原理』によって解決させることの基礎になる分析である。


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                          [作成 2005.12.14 肥田;最終更新 2005.12.27 肥田]