Particles法  

   理想の解決策に対して現状を認識し、問題解決の姿勢を構想させる段階である。
   問題の現状がどのような状態であるかを描き、また、理想はどのような状態なのかを描く。
   そして、その理想と現状の違いを見比べ、問題を解決するためにどのようなことをする必要があるのかを考えてゆく。

 

  ・・・まず理想解を考え、その後で理想解の現実法を検討する方法。
    (アルトシュラーによる「Smart Little People法」をUSITに取り入れたものである。)
    Particlesとは何かと言うと「研究者の任意の性質を持ち、任意の行動ができる魔法の物質/魔法の場」のことである。
      ここで「場」とは、力、相互作用、場所、エネルギーなどを総称して言う。
      簡単に言うと、私たちの好きなように変化し、行動してくれる万能の(魔法の)ものである。
     →このParticlesによって、どんな行動をしてもらうとよいか、どんな性質を持てばよいのかを考えてもらうのである。

 (1)スケッチを描く。
    @現在の問題状況を図(絵)に描く。スケッチする。
      例:下図(Particles法のスケッチ現状)
   
    A理想解のスケッチを描く。→TRIZで言う理想解とは、「完全に機能して、コストはゼロであり、存在しないもの」である。
                     すなわち、問題が解けた状態では、形のないものが解決するので、空間的に邪魔にならずに、
                     コストがなく、時間的、費用的にもまったく掛からない解決策のことである。
      例:下図(Particles法のスケッチ理想)

     (※「こんな問題があるので、これは無理」や「現実的に不可能」と決め付けて、描かないのはダメ!!
        例えどんな理想解であろうとも、この最初の段階から妥協して現実方法を考えて描くのはよくない。
        あくまで、理想解を描くことが重要である。)

   B「Particles」を図中に描く。
      問題状況と理想解を見比べて、両方の図で変化がある部分に「×印」を描きこむ。
      この「×印」がParticlesである(下図Particlesを描く)。

 Particles法のスケッチ(現状)

Particles法のスケッチ(理想)

Particles法のスケッチ
(Particlesを描く)

※例

「ギターの音を抑える方法」
より参照

  (2)Particlesに託した行動をAND/ORトリーに表現し、持つとよい性質の候補を書き込む。
     (1) で描いたParticles(図内の「×印」)にしてほしい行動を簡単な文で表現して、
     細かく要素ごとに分解していき、要素ごとに「してほしい行動」を段階的に簡潔に書いていく。

     「理想解」を簡潔に文章で表現し、最上部に書き込む。これを、要素に分解していく。
     このとき、分解した要素の行動の表現については、難しい技術表現は避け、日常の言葉で書くほうがよい。
     技術的用語を使うと、そのバックの技術概念が、その後の自由な発想を(知らぬうちに)制約する恐れがあるためである。
     また、下部になるいくつかの要素が、上部を構成するのに必ず同時に必要な場合は”
AND”を、
     どちらかが必要になる場合は、”OR”を、判断に基づいて記入していく。
   
     そして、その各行動要素の下に、それをかなえるためにParticlesが持っているとよい性質を列挙する(例:上図 の最下部)。
     ここではまだ、抽象的な表現の性質であっても構なわない。広く思いつくままに列挙するとよい
     これを列挙しているとき、思いついた断片的なアイデアは特に次の段階に結びつくものであるので、
    「性質」の表現に記入したり、記憶しておくこと、書き留めて置くことがとても重要な手がかりになる。
     例:
     
      ・上記時点の書留メモ(例
          ・音を反響させる部分をなくしてはどうか。  ・弦を振動させない奏法がある。→ミュートなど
          ・音を吸収するもの?を近くに置く       ・響く方向を限定させる??
                                                            など。
      ※例 「ギターの音を抑える方法」より参照


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                           [作成 2005.12.14 肥田;最終更新 2005.1.11 肥田]