大森の適用事例
「より快適な電車の乗り降りの方法」

ゼミで学んだ「創造的問題解決の技法」を活かして、
自分たちに身近な問題の解決を図ることを卒業研究のテーマにした。

私が選んだ問題は、「電車での通学・通勤をもっと快適にしたい」という課題である。
満員電車で乗客たちは、疲れとストレスを抱え、車内には殺伐とした雰囲気すら漂っている。
それを少しでも快適にする方法を提案したいと考えた。

 まず、「快適な通学・通勤電車」として、
「乗客たちが何を望んでいるか?」 について 考察した結果、
「スムーズに乗り降りできる」ことは、すべての乗客にとっての関心事であり、
その行動パターンを支配する要因だと分かった。

そこで本研究では、「乗り降り」の問題に焦点を絞ることにした。

 続いて、ほとんど毎日体験していることではあるが、
現状での乗客の乗り降りをより客観的に観察するために、実地調査と動画撮影を行った。

そして、持ち帰った動画像を繰り返し観察するとともに、
1秒間隔で取り出した静止画から、特に個別の人に注目して、その位置・動きと意図を読み取った。

その結果、多数の問題点が見つかった。
それらの諸問題の根本原因はつぎの二つである。

 ・乗車と降車という逆方向の「流れ」が同じ扉において起こる。

 ・「降りない乗客」の存在が、「流れ」に対する障害となっている。

この分析の結果、スムーズな乗り降りを実現する上でキーワードとなるのは「流れ」であると考えた。
乗客の移動の流れが一定方向で、障害がなければ、ずっとスムーズであろう。

 以上を踏まえた上で、解決策として考えついたのが「乗車・降車専用扉」である。

(a) 片側4扉のうち、2つを乗車専用に、残る2つを降車専用にする。

(b) 駅のホームにも、乗車専用位置と降車専用位置を明確にする。

(c) 車内の表示・アナウンスなどで、乗車・降車扉を明確にし、「降りたい乗客」を降車専用扉に誘導する。

(d) 「しばらく降りない乗客」用に、流れの影響を受けないスペース (緩衝域) を設ける。

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