TRIZ/USIT/CrePS 解説

創造的な問題解決の一般的方法: 「6箱方式」

中川 徹 (大阪学院大学 名誉教授)

横浜市立横浜サイエンスフロンティア高等学校 第141回和田サロン 講話
2014年12月 1日 (横浜市鶴見区)

掲載:2015. 1. 8; 更新: 2015. 4.12  [スライド4枚 漏れを掲載。英文ページに英訳スライドを掲載。]

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高校生の皆さん、大学生や社会人、技術者の皆さんに (中川 徹、2015年 4月8日)

以下の20枚のスライドは、横浜の高校で、有志の1年生の人たちに、60分で話したものです。

「発明」とか、「ひらめき」というと、大げさな難しいものと思ってしまいます。しかし、身近なことで、困った経験をしたときに、よく考えてみる、いろいろ工夫してみると、新しいことに気がつきます。それが、科学や技術や発明のための力を身につける最も確実な方法です。

ここの、「短くなった糸を結ぶ問題」を、スライドを読みながら考えてみてください。発明するための、考える筋道を分かりやすく書いています。実際に話を聞きながらだと、もっと分かりやすいのですが・・・。

 

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創造的な問題解決の一般的方法: 「6箱方式」

中川 徹

 

1. はじめに: 創造的に問題を解決するためには

 

 

 

 

2. 身近な問題でのやさしい事例

 

 

 

 

[訂正(2015. 4. 8  中川): 本ページを 2015. 1. 8 に掲載しましたときに、以下のスライド4枚(No.9-12)が掲載漏れになっていました。お詫びして掲載・訂正します。(PDF版は正しい)。]

 

 

 

 

 

 

 

3.  まとめ: 「6箱方式」

 

 

4. おわりに

 

 


編集ノート (中川 徹、2015年 1月 4日)

本稿は、横浜市が新設した横浜市立横浜サイエンスフロンティア高等学校 (略称: YSFH) で、同校常任スーパーアドバイザの 和田昭允先生に招かれて、12人ほどの高校生有志の人たちに話したものです。この高校は、世界的な視野を持ち、最先端の科学を担うような、若い人材を育てることを目標に掲げて、新設された高校です(より詳しくは、編集ノート後記を参照ください)。和田先生は、日本の生物物理学の草分けの方で、東京大学(理学部物理教室)の名誉教授、理化学研究所研究顧問の方です。私が卒業研究・大学院・助手をしました、東京大学理学部化学教室森野米三研究室の大先輩で、森野研同窓会で存じ上げています縁で、招待下さったものです。

「高校生の人たち(主に1、2年生)に刺激になるように、中川さんが今考えていることを、60分で話してほしい」という依頼でした。「放課後の「和田サロン」という機会で、ここでは、「サイエンスの考え方」について、高い視点と広い視野をもって話すようにしている。前期には1年生を20人ずつに分けて全員に一回ずつ同じことを話すが、後期は各回に自由なテーマの希望者だけの会にしている。クッキーを食べながらの会だから、講義でなく、質疑を交えて話してほしい」、という注文でした。この高校には、「課題研究」という正規科目があります。また、10月半ばには和田先生自身が「創造性とは何か?」というテーマでさまざまな創造性技法があることをこのサロンで話しておられます。そこで、私が最初に作ったスライド原稿は31枚ありました。先生から「生徒たちともっと応答できるように」という助言があり、スライドを20枚に削りました。

12月1日の月曜日の放課後で、その週の木曜日から学校の後期中間試験が始まるという日程でしたが、12人ほどの高校生(1年生が主で、2年生、3年生も)、2人の先生、そして和田先生が参加下さいました。スライドにはいくつも「小演習」が作ってあって、生徒たちの返答を聞きながら話を進めました。「スライドのプリントを話の後で渡す」と約束しておき、(ノートを取らないで)スライドに集中するように、また答えを先回りして見ようとしないようにしました。さすがと思うような、良い意見やアイデアの返答があり、楽しい「サロン」の話ができ、喜んでいます。

高校生のための話、解説として、いままでよりも要点を絞った話ができたことが、私にとって、そしてこのホームページにとっての大きな収穫でした。どうぞ参考にしてください。(この素材だと、80−90分あるともっと良かったのかもしれません。短い時間で分かりやすく話すのは難しいことです。)


 「和田サロン」の案内掲示 (概要)   ==> PDF版 

 

141 和田サロン

2014 後期 第9回
12月1日(月) 16:10〜

今回はゲストをお招きしての特別サロン

お話し下さるのは、大阪学院大学名誉教授の
中川 徹 先生です。

創造的な問題解決の一般的方法
「6箱方式」

技術、社会、身の回りなどのいろいろなことで、私たちは困難な問題に直面し、その壁を破る何か新しい解決策が必要になる。従来、壁を破るには、「ひらめき」が必要と考えられ、そのためにさまざまな「アイデア発想法」が考案されてきた。それらは、「できるだけ近道をしてアイデアを得る」ことをねらい、科学の基本の「抽象化の4箱方式」を、「分野ごとに作った多数のモデル(理論)のどれかに簡便にあてはめて、その答えをヒントとして使う(類比思考)」ことに陥っていた。

-- 創造的な問題解決の方法自身を、もっと全体的・体系的に考えて、最近、「6箱方式」という一般的方法を作り上げた。旧ソ連の民間で開発されたTRIZ (トリーズ、1946〜) 技法と、それに刺激を受けて米国で開発されたUSIT (ユーシット,1995〜) とをベースにして、日本で開発したものである。「群盲象をなでる」状態に、「象の全体像を示した」と考えている。

サロンでは、つぎのテーマで問題解決を演習し、「6箱方式」で整理・説明します。

[予習的課題] 「裁縫の最後で、気がついたら残りの糸が短すぎて、標準的なやり方(玉止め)で糸を結べない。このようなときに、糸を結ぶ方法を考えよ。」

 


東京大学理学部化学科(森野研究室)卒業。理学博士。
東京大学にて、分子分光学の研究。
富士通にて、ソフトウエア工学の研究、研究支援業務。
1998年大阪学院大学情報学部教授、TRIZの研究。
同年『TRIZホームページ』を創設し、編集者。
2012年以降、大阪学院大学名誉教授として、TRIZ/
  USIT/CrePS の研究・普及活動を続ける。

 

 


 編集ノート後記 (中川 徹、2015年1月4日)

横浜サイエンスフロンティア高校は、横浜市立の非常にユニークな高校です。以下にそのホームページなどのいくつかの情報を記述しておきます。

横浜サイエンスフロンティア高校 ホームページ:  http://www.city.yokohama.lg.jp/kyoiku/sidou2/koukou/sfh

和田昭允 「サイエンス高校 - 科学技術日本に向けてのチャレンジ」、(独)科学技術振興機構ホームページ、オピニオン、2010年1月8日、 http://scienceportal2.jst.go.jp/HotTopics/opinion/134.html

「横浜サイエンスフロンティア高等学校」、ハイ・パフォーマンスを生む現場を科学する 野中郁次郎の成功の本質、Vol. 75、リクルート研究所機関誌 Works No. 126 (Oct.-Nov. 2014) :  http://www.works-i.com/pdf/w126-seikou.pdf

 

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最終更新日 : 2015. 4. 8    連絡先: 中川 徹  nakagawa@ogu.ac.jp