山一証券創業者にみる企業家精神

 創業者小池国三氏の幼少の頃の夢は、貿易商になることでした。奉公先である甲州財閥の若尾逸平氏の下で、11歳から修行を積み、稀に見るその才能は15歳で開花して番頭に抜擢されました。
そんな国三氏が若尾家から独立を許されたのは28歳のときのこと。かねてより株式の仲買業にも興味を持っていた彼は小布施新三郎氏の店で見習いを始め、努力の甲斐あって3年後には「小池国三商店」を兜町に開業しました。
 “信用は商人の命”という自らの哲学を掲げ、即日即行、顧客第一主義を貫き、なんと開業5年にして東京株式取引所で取引額が5本の指に入る仲買業で名を馳せました。
 1909年には渡米実業団の一員として渋沢栄一氏らと共に渡米。ニュ-ヨ-ク、ウォ-ル街にて株式仲買人の地位の高さに触れ、帰国後は日本の証券市場の基盤を築きました。