TRIZ論文・適用事例
物理的矛盾を解決したTRIZの実地適用事例:
 フレキシブル・チューブを使った超節水型トイレ・システム
 Hong Suk Lee (朝鮮アイテム・ディベロップメント社),
 Kyeong-Won Lee (朝鮮工科大学)
 TRIZ Journal, 2003年11月
 和訳:福澤 英司(東陶株式会社)・中川 徹 (大阪学院大学),               2004年 1月 8日 
  [掲載: 2004. 1. 8.]     許可を得て掲載。無断転載禁止。
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編集ノート (中川  徹, 2004年 1月 8日)

本稿は, TRIZ Journal (http://www.triz-journal.com/ ) の2003年11月号に掲載されたTRIZの実地適用事例です。水洗トイレの節水対策という世界的に広く知られた身近な問題に対してTRIZを適用して, 簡単で有効な方法を提案しています。いままで悪臭防止のために必須であるとほとんどの人が考えていた「S字型排水管」を見直し, それが有用なのは水を溜めている時間帯だけであり, 排水するためには邪魔になるからそのときには無くすとよいと考えました。そこで柔軟なパイプを導入し, 3リットルの水で使えるようにしたものです。これはTRIZの基本的な考え方によって導かれたもので, 「物理的矛盾」を見出して, それを「時間で分離」し, 「可動化の原理」を使ったといえます。非常に鮮やかで分かりやすい適用事例です。

私はすぐに著者に翻訳の許可を貰い, 以前から三菱総研のTRIZの研究会で活動しておられた東陶株式会社の福澤英司さん(Email: Eiji.fukuzawa@toto.co.jp) に翻訳していただきました。それを推敲して, ここに掲載いたします。

なお, 福沢さんが「訳者あとがき」を書き, この問題の技術的背景の一部を書いて下さっています。ただ, 福沢さん自身はトイレなどの衛生陶器の専門ではないとのことなので, 読者のどなたかがさらに補足いただけるとよいと思っています。

また, この論文を要約して, 中川が 2枚のスライドにしました。このスライドを「訳者あとがき (2)」として掲載します。今日中川のゼミの3年生にこのスライド2枚を見せて説明しましたら, 受講カードにつぎの感想を書いてくれました。「トイレのS字パイプに代わるアイデアは面白かった。時間による分離など、まさにTRIZのお手本のようだった。」

本件の掲載を許可いただきました, 著者と関連機関に感謝いたします。

著者:  Hong Suk Lee (Korea Item Development Inc.)   Email: s-lotus@hanmail.net
          Kyeong-Won Lee (Korea Polytechnic University and Korea Item Development Inc.)   Email: lkw@kpu.ac.kr
所属機関:  Korea Item Development Inc. (韓国) http://www.innokid.com
                Korea Polytechnic University (朝鮮工科大学)   http://www.kpu.ac.kr
ジャーナル:  The TRIZ Journal  (Ellen Domb),    http://www.triz-journal.com

 
ページの先頭 論文の先頭 2. TRIZ/QFDによるアイデア出し 2.4 TRIZの物理的矛盾と解決策 3. 性能テスト 4. 信頼性テスト 参考文献 訳者あとがき(1) 訳者あとがき(2) 英文論文 TRIZ Journal




 

物理的矛盾を解決したTRIZの実地適用事例:
 フレキシブル・チューブを使った超節水トイレ・システム
 

Hong Suk Lee (朝鮮アイテム・ディベロップメント社),
Kyeong-Won Lee (朝鮮工科大学)
Hong Suk Lee:   KID社 (朝鮮アイテム・ディベロップメント社, www.innokid.com)。
Email: s-lotus@hanmail.net
Kyeong-Won Lee:  朝鮮工科大学機械設計学部。Email: lkw@kpu.ac.kr
概要
本論文は、TRIZを使って超節水トイレ・システムの革新的な概念的アイデアを見い出した、実地の事例研究について記述する。

品質機能展開(QFD)を用いて、TRIZにおける物理的矛盾を、汚水浄化槽からの悪臭を防ぐために水を溜める固定式陶器製S字型トラップに対して定義した。時間による分離原理でこの物理的矛盾を解決することにより、 トイレに水を溜めるためのフレキシブル・チューブの概念を得た。

実現したシステムでの使用水量は約3リットルと推定され、従来式トイレの場合の13リットルと対比される。

キーワード:  TRIZ (発明問題解決の理論)、QFD(品質機能展開)、節水トイレ、フレキシブル・チューブ、信頼性
1. はじめに

韓国は、最近国連から水不足の国の一つにリストアップされたように、水不足の問題が今や重要な社会問題になっている。水の消費量を劇的に少なくするためには、節水技術を開発し、これに関連する産業を活性化することが必要である。

さまざまな節水技術の中で、節水トイレの新技術は非常に重要である。なぜなら、トイレ洗浄のために使用する水の消費量は、家庭で使用する水の消費量のほぼ27%、また商業ビルでは50%以上に達しているからである。一般に、従来式便器では1回の使用で13リットルの水を使用する。

本研究は、節水トイレの新技術を導入したが、それは、TRIZを使って超節水トイレ・システムの革新的な概念的アイデアを見つけ出したことによる。

品質機能展開(QFD)を用いて、TRIZにおける物理的矛盾を、汚水浄化槽からの悪臭を防ぐために水を溜める固定式陶器製S字型トラップに対して定義した。

時間による分離原理でこの物理的矛盾を解決することにより、 トイレに水を溜めるためのフレキシブル・チューブの概念を得た。

このトイレは、フレキシブル・チューブと新メカニズムを使うことで、わずか3リットルの水量で済み、従来式トイレで必要な水量の1/4しか必要としない。

実現したトイレの信頼性は、実地の設置と、酸性の厳しい条件および16.5万回の作動耐久テストとによって確認された。

 

2. TRIZおよびQFD[1-4]を使った概念のアイデア出し

2.1 顧客ニーズから、問題および矛盾を生じるパラメータを見つけ出すこと

適切な問題を見つけて、TRIZがそれに優れた解決策を提示できるようにすることは, 実際に非常に重要だが、難しいことである。特に、顧客ニーズを満足するに際してTRIZの矛盾を生み出すような関連パラメータを発見することが、マーケッティングにおいて重要である。もちろん、集中・持続してその問題を考え、問題の原因を理解することによって、そのようなパラメータを発見できるのであろう。

QFD(品質機能展開)を使って顧客のニーズと設計パラメータを関連づけることは、TRIZにおける矛盾パラメータを発見・確認するのに有用である。

例として、超節水トイレ・システムに関して、TRIZを使って概念的アイデアを生成するプロセスを説明しよう。

2.2 便器が多量の水を必要とする構造上の理由

ご存知の通り、便器は多量の水を使用する。そこで多くの人々は、節水のために便器の水タンクにレンガを入れる。しかしそのような手段で節水できる水量は、たった1リットルであり、またレンガの挿入で便器の洗浄力が弱まる (汚物が完全に流れない)恐れがある。水洗便器の基本的な作動原理を図1に示す。 (なお、「サイフォン・ジェット」と呼ばれるわずかに修正されたタイプの便器があるが、その基本原則は図1と同様である。 さらに、列車や飛行機で主に使用される、吸引式または泡洗浄式の(節水)トイレがある。これらのトイレは別途に電源装置や化学薬品を必要とするため、一般家庭用には不向きである。)

[訳注: サイフォン・ジェット:  サイフォン効果 (吸引力)とジェット効果(噴出力)を利用して、便器容器内の汚物を搬送する、洗浄力をアップした便器。]
一般に、便器は1回の使用で約13リットルの水を消費する。便器は清潔に見え、また便器内を常に水で満たしているので、汚水浄化槽からの悪臭を防ぐ長所がある。この利点は、便器内に水を溜めるS字型のトラップを組み込むことで実現している。

しかしながら、そのような高さのあるトラップを越えて便を流すには、大量の水が必要となる。最近、いくつかの節水型便器や便器の水タンク内に組み込む節水装置が導入され、水量を約6〜7リットルに減少できる。しかし, それらのメカニズムは「レンガを挿入する」概念に似ており、理想的な解決法とは言い難い。

図1に示すように、従来式便器は、本体、排水管、および水タンクから成り立っており、(1)から(5)の動作サイクルを繰り返す。

Fig1 従来式便器の作動原理

したがって、有効で効率的な節水のための新しい便器を作ることが必要である。

2.3  トイレ・システムにおける顧客ニーズと主な設計パラメーターを調査する (QFDを使用)

トイレ・システムの顧客ニーズをメーカやセールスマンが調査すると、以下の項目が主にリストされる。

1.  汚物の除去
2.  便器容器の洗浄
3.  汚水浄化槽からの悪臭防止
4.  水不足時代における最近の洗浄のための節水
5.  洗浄時の騒音の低減
これらのニーズは、便器、Sトラップ構造、水タンク、便器への注水口/排水口などの主要な設計パラメータに関連している。

簡単なQFD分析を使ってこれらの関係をまとめ、それぞれのニーズを一つの主要設計パラメータ「Sトラップ構造」について評価すると以下のようである。
 
 

顧客ニーズ  設計パラメータ
 ・・・・  Sトラップ構造  ・・・・
1. 汚物の除去 ない方がよい
2. 便器容器の洗浄  ない方がよい
3. 汚水浄化槽からの悪臭防止 必要
4. 水不足時代における最近の洗浄のための節水 ない方がよい
5. 洗浄時の騒音の低減 ない方がよい

表1. トイレシステムにおける顧客ニーズと設計パラメータの簡単なQFD分析

このようにして顧客のいくつかのニーズから、トイレのSトラップ構造に対する矛盾した要求(「ない方がよい」/「必要」) が明らかになった。

 

2.4 便器容器の排水構造を、TRIZ[5-8]における物理的矛盾および理想解の観点から見る

便器の容器はその意図として、水で洗浄し、汚水浄化槽からの悪臭を防いだりする機能を果たしている。だが、それを達成するために多量の水を使用するという問題を持っている。したがって、その基本的なメカニズムを維持しながら、便器を改善することが必要である。これらを考慮して、便器の問題を定義していこう。

便器は悪臭を防ぐためにS字形状の排水管を持っている。便器に張った水が悪臭を防いでいる。しかしながら、汚物を排出するのに多量の水が必要になる。要するに、悪臭を防ぐためにS字形状の排水管構造を維持しながら、より少ない水で汚物を排出する方法が要求されている。

TRIZでは、問題を単純で平易な文で記述し、定義することを要求する。

そこで、現在の問題に対する理想解をつぎのように言い直すことができる:

便器にはどれだけの水が必要なのか?-- 汚水浄化槽からの悪臭を防ぐために、約 2.5 リットルの水が便器内に常時必要である。汚物を排出しかつ洗い流すために最小量(0.5リットル) しか必要としない理想的な方法があるならば、1回の洗浄で合計3リットルの水量しか必要としない。
最も理想的な方法は何だろうか?S字形トラップは汚水浄化槽からの悪臭を防ぐために必要だが、汚物を流す時には節水のため除去されなければならない。言いかえれば、トラップ構造は現われてそして消えなければならない。

したがって、Sトラップ構造はTRIZにおける物理的矛盾パラメータである。異なるニーズを同時に満たさなければならない場合に、物理的矛盾が生まれる。

物理的矛盾を解決するための典型的な方法は、「時間あるいは空間でそれらの矛盾要因を分離する」ことである。

現在の問題の理想解に基づいて、物理的矛盾をつぎのように定義できる。

「トラップ構造は、悪臭を防ぐために必要であり、同時に、より少ない水で汚物を排出するには除去されねばならない。」
この物理的矛盾の制御パラメータである 「Sトラップ構造」は、時間で分離できる。すなわち、そのようなトラップ構造が必要な時と、必要としない時とを、明確に区別できる。このような理想解に基づいて、つぎの結果を得るた。
「便器の排水口はトラップ構造を持っているが、汚物を洗い流す時はそのような構造を失う。そして、洗浄が完了すると、トラップ構造を回復する。」
このようにして、本件の物理的矛盾は時間に基づく分離によって克服でき、現在の問題を解決する手掛かりを提供する。

図2が、理想解を適用にして実現した、新しい節水便器の模式図である。この新しい節水便器は、本体とフレキシブル・チューブとで実現されており、(1)から(3)の手順を繰り返す。

この構造では、洗浄操作に連動して、トラップ構造の存在と消滅とをうまく実現化している。

図2  新しい節水型便器の作動原理

フレキシブル・チューブ構造を動かすための機械的メカニズムを設計する際に、いわゆる「小さな賢人たちのモデリング手法(MMD)」 (TRIZにおける創造的な問題解決技法の一つ) を適用した。この技法は、小さな賢人たちが追加の装置を使用せずに自分たち自身で働いているという状況を私たちに想像させるようにする。言いかえれば私たちは、望ましい結果を達成するのに小人たちが操作する構造を作り上げることができる。

この新しい便器では、私たちは、フレキシブル・チューブを下げたり上げたりするための電動ポンプやモータを付け加えることなく、ひとりでに作動する構造を想像することができる。水の重さがフレキシブル・チューブを下方へ動かし、つぎにバネまたは錘のような簡単な機械的構成要素で、フレキシブル・チューブが上方の元の位置に戻るのを手伝う。

したがって、フレキシブル・チューブは重力のみで上方へも下方へも動き、電気などの他の作動エネルギーを必要としない。


(a) 通常状態: チューブは上方に配置


(b) 排水: チューブは下方に配置

図3.  節水型トイレにおけるフレキシブル・チューブの下方と上方の配置

2.5 設計と製作

便器のボール (汚物と水が溜まる丸みを帯びた部分) は衛生陶器で作られており、またフレキシブル・チューブは温度変化に強く丈夫で抗菌性を持つ材料で作られている。わずか3リットルの水しか使用しないために、一般に小便用に使われているフラッシュ・バルブ [洗浄用の自閉水栓] を採用した。このようにして、(モータやポンプなどを別途に必要としない) 新しい節水型便器を実現した。フレキシブル・チューブは水の重さによって下がり、つぎに反対側の重りの重さによって自動的に引き上げられる。さらにこの製品は別途の水タンクを必要としないため、そのサイズは従来式便器の2/3まで小さくできる。水タンクなしの新しい節水型便器は、限られたトイレ空間しか持たない商業ビルにとっては最もふさわしい。さらに、一般家庭用の便器としては、3リットルの水タンクを持ち、同様のフレキシブル・チューブとその作動メカニズムを持つものも利用可能である。


(a) 商業ビル用 (3リットル トイレ、フラッシュ・バルブを備えたもの)


(b) 一般家庭用 (3リットル トイレ、水タンクを備えたもの)

Fig. 4.  超節水型トイレ・システム


 

3. 性能テスト

3.1 水の消費量測定

便器の洗浄性能を規定するKS(韓国標準) L 1551基準 [9] に従い、しわくちゃにした紙とアニリン染料によるテストを実施した。さらに、各回の評価テストで使用した水量を繰り返し測定した。これらのテスト結果から、新しい便器が 3リットル (±0.5リットル) の水を使用することを確認した。

3.2 洗浄の際の騒音レベルの測定

アパート等の集合住宅では、上階での便器洗浄時に発生する雑音が、下階の住人[の安眠] を邪魔をする最も大きな要因である。現在、便器洗浄の騒音レベルに関係する標準はない。そこで、日本の会社の測定方法に従い、騒音レベルを測定するためにマイクロフォンを便器から1.5m上方で1.5m正面前方の位置に取り付け、便器の蓋を閉じている状態にした。このようなテストは無響室の中で行なうのが望ましいが、そのような設定は実際的ではなかった。そこで、この測定を夜間に実施し、従来式のサイフォン方式便器と新方式のフレキシブル・チューブを使用する節水便器の2種の便器について比較した。このテスト結果から、従来式の便器が平均騒音レベル 70 dBを示したのに対して、新しい便器では平均騒音レベル 60dB であった。要するに、新しい節水型便器は、騒音の発生を約1/3に減少させた。2つの便器間の騒音レベルの違いは、特別な測定装置を使わなくとも容易に識別できたほどである。

 

4. 信頼性テスト

4.1 繰返し動作テスト

繰返し動作テストは、フラッシング・バルブを1分間に4回押す油圧駆動装置を作って実施した。
日本の会社の社内基準である16.5万回の繰返し(20年間の使用に相当) 耐久性能 と比較した結果、この新しい節水型便器は同等の耐久性を持つことを確認した。

4.2 耐酸テスト

汚物と水に接触することになるフレキシブル・チューブを、塩酸、および (接続したチューブの洗浄に使われる)漂白剤と洗剤に 6ヶ月間浸して、フレキシブル・チューブの機械的・物理的特性の変化を調べた。漂白剤による多少の漂白を除いては、フレキシブル・チューブの物理的性質にはまったく変化がなかった。

4.3. 便器の下にある排水パイプ中の流動性

傾斜した排水パイプが、便器を汚水浄化槽に接続している。この排水パイプの直径は通常100mmで、またその傾斜度は1/50である。PVC [ポリ塩化ビニル] パイプが一般に使用されるが、粗い表面の鉄製のパイプも使用されている。

流動性テストにおいて、節水型便器用のPVCパイプには詰りは生じなかった。さらに、節水型便器を地下鉄の一つの駅の公衆トイレに実際に据え付け、この流動性テストを行なった。産業用内視鏡を使って、便器より下流の長さ30mの鉄製パイプの内側表面の変化を観察した。この評価テストで、パイプの内部にスケール (汚物の付着) は見つからなかった。まとめると、汚物と水の流動性はシミュレーションでも実際のフィールド試験でも、ともに良い結果であった。
 

5. 結論

この研究において、TRIZを使って [問題解決した] フレキシブル・チューブとその作動メカニズムを、一般家庭や商業ビルで広く使用されている便器に適用し、水の消費量を13リットルから3リットルに劇的に減少させた。また新しい節水型便器の性能もテストした。その結果、この新しい便器が節水のための一つの解決策となることが確認された。さらに、便器洗浄時の騒音レベルは、従来式トイレの1/3に減少した。

フレキシブル・チューブという概念を用いた節水型便器に関するこの研究において、関連するQFD分析を用いて、洗浄と汚水浄化槽からの悪臭を防止とを目的とした便器構造と、洗浄用水の節約とを詳しく検討したことにより、TRIZにおける物理的矛盾のパラメーターを見つけ出すことができた。

 

参考文献

[1]  「QFD and TIPS/TRIZ」, Ellen Domb、1998。 http://www.triz-jounal.com/1998/06/c/index.htm。

[2] 「QFD、TRIZおよび起業家の直観: デルコ社 事例研究」, Ellen Domb and David Cobin, 1998、http://www.triz-jounal.com/archives/1998/09/c/index.htm。

[3] 「製品設計プロセスへのTRIZの統合の提案」、Noel Leon-Rovira,  2002、http://www.triz- journal.com/archives/2002/11/b/index.htm。

[4] 「TRIZ (発明問題解決の理論) と品質管理との関係: 概念設計におけるいくつかの適用を例として」、Kyeong-Won Lee  2001,
第15回AQS and KSQM (韓国品質管理協会) 国際品質管理学会 in  Korea  (pp.531-536)

[5] 「And Suddenly the Inventor appeared」, G.Altshuller、1996、Technical Innovation Center, Inc.

[6] 「The Innovation Algorithm」, G.Altshuller、1999, Technical Innovation Center, Inc.。

[7] "Systematic Innovation: An Introduction to TRIZ」, John Terninko, Alla Zusman, and Boris Zlotin, CRC Press LLC, 1998.

[8] "SImplified TRIZ", Kalevi Rantanen and Ellen Domb, CRC Press LLC, 2002.

[9] 「KS(韓国基準) 1551L (陶器製トイレに関する)-1994年"、韓国政府基準、1994.
 

付録

トイレ・システムにフレキシブル・チューブを使った構造の特許は、韓国とシンガポールで出願された。また
最近、アメリカ合衆国の特許として認可された。

韓国にTRIZ理論が最初に導入されたのは1996年である。近年、いくつかの会社 (三星、LG電子, など) や大学 (朝鮮工科大学など) で、製品開発の初期段階でさまざまな技術的問題を解決し、その結果を創造的な製品設計に適用するために、TRIZが利用された。
 




 

訳者あとがき  (福澤英司, 2003年11月11日)
 

Sトラップを駆動させて、3リットルの水しか使わない「超節水便器」の基本構造をTRIZの物理的矛盾を利用して開発した話である。

商品化のためには、さらにSトラップの駆動手段や駆動部のシールなどの耐久性、信頼性の問題解決が必要となる。

現在、当社では陶器製固定Sトラップ式の6リットル節水トイレを開発して、米国で販売している。洗浄に使用する6リットルの水量には、下水本管まで汚物を搬送するための「搬送水」も含まれている。単に、便器から汚物を洗い流すだけだと、1〜3リットルの水(飛行機や列車用便器など)で可能である。

20年以前に、米国から技術導入して「超節水便器システム(2リットルの水で洗浄し、下部のピットに溜まった汚物と水をエア加圧を利用して下水本管まで搬送する)」を発売したが、都会の水道局では(搬送水が少ないため、下水枝管や本管の詰まりを懸念したため?)認可が降りず、一部山間地(水不足の地域)の浄化槽を装備した別荘などのみの販売で終わった。

また真空搬送式トイレ・システム(本管までの搬送システムを含む)も何年か前に、当時の通産省から認可されて商品化されている。

また日本でも、松下電工(株)が「ターントラップ式洗浄便器」を商品化している。 [2004.1.19 訂正]





 

訳者あとがき(2) (中川  徹, 2003年12月12日)

この論文を説明する2枚のスライドを作りました。



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最終更新日 : 2004. 1.19.   連絡先: 中川 徹  nakagawa@utc.osaka-gu.ac.jp