大阪学院大学 外国語学部ホームページ
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澤村 和洋(外国語学部英語学科2003年卒業、現在小学校の英語教員)

私は、大阪学院大学 外国語学部 英米語学科を卒業後、小学校英語教育指導員の資格を得て、現在は大阪府下の公立小学校で英会話を含む国際理解教育を担当しています。学年は1年生から6年生まですべての学年を担当しています。私の小学校での英語クラスでは、英会話を中心に据えて、英語を自分の身近なものと感じるような授業展開をしています。そのため、1コマ45分の授業内で約75%を私が英語で話し、常に子どもたちの耳に、常に英語がはいってくる環境作りを心がけています。

英会話のレッスンは、主に絵カードを使い、視覚と聴覚から英語を取得できるような授業構成にして、チャンツ(リズム)や歌、ゲームを通じ、子どもたちのコミュニケーション能力の養成を行っています。

レッスンでは英会話が主軸ですが、授業内でハロウィンや世界のクリスマス、ワールドカップ、オリンピックなどのイベントを通して、異文化理解を促進させ、平和を願う国際教養のある「地球人」を育てています。

大阪学院大学で受けた教育が、現在の私の職業に活かされていることを実感しています。例えば、英米語学概論では、アメリカ英語とイギリス英語のみならず、同じ英語でありながら、世界にはたくさんの英語が存在することを学びました。その違いや英語がどのように派生し、変化していったかを知ることは英会話を指導する私にとって大変重要なことであり、また私の教え子たちも多くの外国人講師(NET : Native English Speaker)と出会い、少しずつではありますが、NETそれぞれが話す英語のイントネーションやリズムの違いを感じるようになってきています。時に彼らに「英語には、たくさんの種類があるんだよ」と話すこともあります。あの講義で学んだことを簡略化し、子どもたちに伝えてあげることもしています。

第2に、Storytellingの講義やDAVでの経験は、私にコンピュータの操作とICTへの興味・関心を高め、そしてコンピュータを通して「伝える」ことへの重要さを教えてくれました。実際に私の「国際理解」の授業では、プレゼンテーションソフトを使い、ハロウィンや世界のクリスマス・世界の国々を子どもたちに紹介しています。現代の子どもたちは、視覚を通じ、理解することに長けています。そのため、話を聞くよりも映像や音声に触れる方が理解しやすい場合が多々あります。ですから、Storytelling やDAVでの情報機器の操作や「人に伝える大切さ」を学んだ経験は、現在の私の『技術』として身についていることを実感しています。

第3に、教育は教科書や講義室からのみ生まれるものではありません。人と人とが通じあい、共に教え、共に学ぶことによって得られるものであり、その際に大切なのは人とのつながりであるということを教えてくれたのは、学院大学のI-Chat Loungeでした。教員は人の大切さを伝える職業です。中には学問を教えることを「職業」と見なしている方もおられるかもしれませんが、人と人のつながりが子どもを育てるのが学問の第1歩なのでは、と私は感じます。そして、その「人の大切さ」を教えてくれたのは、あの場所でした。そこで働く教授・講師・スタッフを含め、あの場所で出会った人たちが私に与えてくれたものが、今の自分を作りあげ、そして現在の職務の楽しさに気付かせてくれたように思います。どのようにして人を楽しませるか、どのようにして人に伝え、教えるか、どのようにして人を勇気付けるか―今の職業に必要なことを私はI-Chat Lounge で学びました。

大阪学院大学での4年間は、今の私の原点であり、そして私にとって人生の分岐点のひとつであったと思います。大学で学んだ数多くのことを教育現場で生かし、子どもたちと共にこれからの日本、そして地球を育てたいと願っています。