大阪学院大学 外国語学部ホームページ
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中村 悠作 ― 台湾留学を通して ―

私は、台湾の静宜大学に1セメスター留学しています。初めての海外、留学ということで、とても緊張していましたが、今ではもうこっちの生活に慣れました。  私が台湾に留学に行くきっかけは、大学2年生の時に、ある英語の授業で授業が始まる前に、その授業の担当の先生から「がんばろう留学!!」という1枚のプリントをもらったのがきっかけでした。それは始まったばかりの新しい留学制度についてのプリントでした。従来の交換留学はGPAが2.5以上、かつTOEICまたはTOFELが一定の語学基準を満たしていることが応募条件になっていたのですが、新しいプログラムでは、それらの基準が緩和され、語学研修やI-Chat Loungeなど積極的に学内活動に参加していれば、特にTOEIC、TOFELのスコアを問わないというものです。私は、元々、大学に入学する前から留学してみたいという気持ちはあったものの、学校の成績があまり思うように伸びずあきらめていました。そして、TOEICも2回受けたのですが、ここでは言えないくらいの恥ずかしい点数を取ってしまいました。そういったことから、留学というのは私の中では「夢」で終わりかけていましたが、今回この新しい留学制度が加わったおかげで、無事に留学することができたのです。留学に行くための推薦状を書いてくださった先生方、親身に相談にのってくださった国際センターの方々に心から感謝申し上げたいです。そして、勇気を出して留学という扉を開けた自分を褒めたいと思います。

そして、いよいよ学校が始まりました。最初の約1週間は、オリエンテーションがありました。学校の履修登録、ォの生活ルールの指導、留学生と遊園地へ遊びに出かけたりなどありました。そしてその翌週から、授業が始まりました。私の取っている授業は、台湾の経済、台湾語、台湾の歴史、中国語で学ぶ中国の経済、日本語学科を専攻している台湾人の学生の授業(日本人が台湾人のヘルパーになってあげて、台湾人が日本語について困っている時に助けてあげる授業)、中国語から日本語に翻訳する授業、そして、毎朝8:10〜10:00まである中国語の授業があります。朝の中国語の授業は、毎回新しい単語や日常生活に使えそうな熟語を先生が教えてくれて、それを使ってクラスメートとパートナーを組み、会話を交えて練習するので、とても頭に残りやすいです。しかし、その授業だけでは中国語は身につかないと思い、最近では台湾にある百貨店に行き、日本の中国語検定3級の教本を買ってそれを使い勉強しています。ちなみに、中国語検定3級を目指した理由は、今の自分の中国語のレベルを上げるために最適なレベルと思ったことと、そして日本に帰国後、自分の力がどのくらいあるのかを知るために受験しようと思っているからです。

静宜大学は、山の中にあり空気が澄んでいて、毎日気分良く過ごせる大学です。特に朝の空気は格別です。しかし今季節は冬で、山の中ということもあり、とても寒いです。昼は太陽の日差しが出て来て、暖かく過ごしやすいのですが、朝と夜がまるで昼の暖かさがうそのようになくなり、一瞬にして冷え込みます。台湾だからといって、半袖、半ズボンしか持ってこなかった自分が本当に馬鹿でした。ですので、台湾に冬に行こうと考えている人は、日本の冬ほどの防寒着を着こんでくる必要はないですが、最低でも、長袖のパーカーや長ズボン1枚をはいて来ると良いとでしょう。そして、もう一つ注意してほしいことは、台湾といえば、物価が安くて、おいしいものがたくさんあるというイメージがあると思いますが、台湾のものすべてが安いとは限らないということです。確かに物価が安くて、おいしいものがありますが、日本円に換算して考えてみると、そんなに値段が変わらないものがたくさんあります。私は台湾に初めて来て、街に出てショッピングをしました。初めにデパートに入り、服を買おうと思ったのですが、よく値段を見ると日本のものとほぼ同じ値段でした。むしろ、日本のものよりも高いものが多かったです。その他にも、靴、帽子やアクセサリーなども高かったです。台湾だからといって隅から隅まで何でも安いわけではないということを実際に現地に来て学びました。

 学校が休みの日は、留学生と一緒に台北、台南、台中市内や学校の近辺を散策することもあれば、一日中ォや図書館にいて学校のレポートや宿題をやったりしています。ついこの間は、プライベートでタイに3泊4日の旅行に行ってきました。タイは台湾よりも暑く、湿気が多くて へとへとになりそうでした。しかし、その

暑さを忘れさせてくれるほどの楽しさがそこにありました。そして、他の国に行ったことで、考え方や価値観がまた変わったような気がします。機会があれば、またタイを訪れたいと思います。タイだけではなく、他の国にも行きたいと思わされるようにもなりました。この経験を通じて、私は完全に海外旅行が好きになりました。

今、留学しようか迷っている人、あるいは、留学することで何が変わるのかと疑問に思っている人がいるなら、是非そういう人たちは留学するべきだと思います。私も留学するかどうか迷っていたとき、留学することで何か得られることが本当にあるのか、その頃はまだ半信半疑であり、行動を起こそうとはあまり思いませんでした。そこで迷っていた私を留学という道に選ばせてくれたのは、国際センターのスタッフの熱い思いと海外へ留学経験のある友人のエピソードを聞いたからです。そこで、自分の意志が固められ、留学に行こうと思うようになりました。留学出発前から今現在までで、確実に自分の中で考えが変わったなといえることが一つあります。それは、周りの人間が自分にとってどれほど大切な存在であるかということに気付いた点です。今までは、自分の周りにいる人間なんて、そこにいて当たり前の存在だと思っていました。しかし、留学をすることで、(あのとき、面接の練習につきあってくれた友人、エッセイの書き方について詳しく教えてくださった国際センターのスタッフの方、最初は留学に行くことを反対していた両親も最終的に留学に行くことを許してくれたことなど)さまざまな出来事が頭の中をよぎります。これらのことがあったから、今の自分がいるといっても過言ではありません。一度きりの人生なので、何か大きなことにチャレンジしてみてはどうですか?悩んでいることがあれば、友人に相談してみたり、国際センターに行ってみてください。

とうとう残りの留学生活がわずか3週間で終わってしまいます。この貴重な時間を無駄にしないためにも、毎日をより一層有意義に過ごそうと思います。

                                       2012年12月(2010年度生)