大阪学院大学 外国語学部ホームページ
社会で活躍する卒業生の体験談や、留学中の学生からの現地リポート等が閲覧できます。

西浦 有香 ― 異文化に触れるということ ―

 私は2011年8月末からカナダのフレーザーバレー大学で交換留学生として勉強しています。私はカナダに来るまで高校の修学旅行でシンガポール、マレーシアに行っただけでほぼ海外経験ゼロでした。ですので今、カナダにいるということが信じられないといってもよいぐらいです。

そんな私の留学への思いを後押ししてくれたのが大阪学院大学のI-Chat LoungeやISSTでの活動でした。1年生になったときはまだ「海外って怖いな」としか思っていませんでしたが、ISSTなどの活動で留学生と交流するにつれてどんどん自分の世界を広げたいと思うようになりました。次第に、「とりあえずアメリカ大陸に行って広い世界を見よう」という考えに至り、バンクーバーに近いフレーザーバレー大学への留学を決意しました。

ほぼ初めての海外渡航と言ってよい今回のカナダ留学は、飛行機に乗るところから緊張と不安でいっぱいでした。カナダに着いた瞬間に失敗だらけで、カナダ人に目の前で「本当にとろいわね」と言われ、1日目ですでに心がズタズタのボロボロでした。

フレーザーバレー大学はバンクーバーから車で1時間ほどのアボッツフォードという町にあり、周りが農場だらけののどかな田舎町です。田舎で暮らしたことのない私にとって、田舎暮らしに慣れることもまた大変でした。この場所はカナダとアメリカの国境の町なので車で、10分ほどでアメリカに行けます。来た当初は食べ物がどこで売っているのかわからなかったので、最初の1週間はほぼピザとシリアルしか食べることができませんでした。それがトラウマになってしまったのか、今でもその2つはなかなか食べられません。

学校が始まって3日間オリエンテーションがあり、いろいろな人に話しかけようとしましたが、英語に自信がなかったので最初はやはり欧米人に話しかけるのに勇気が要りました。ですが、寮に住んでいるのでアジア人を中心に、次第に友達を作ることができました。前期は日本人の学生と相部屋だったので気楽という面はあったものの、語学を勉強する上であまりいい環境とは言えないと思い、後期からはルームメイトを替えていただき、今はカナダ人の学生と一緒に住んでいます。ルームメイトはとてもいい子でいつも言葉をわかりやすく話してくれます。時々一緒に出かけたりするなど仲良くやっています。

授業はESL(English as Second Language)という英語の授業を受けています。レベルは高くもなく低くもなくというところです。残念ながらアカデミッククラス(カナダ人と一緒に受ける授業)は取ることができませんでした。ESLの先生方はみんなカナダ人で、いつも生徒を楽しませようと常に明るく高いテンションで授業を行ってくださいます。そのハイテンションに乗せられる形で、私たち生徒も積極的に発言や意見交換をしています。クラスには日本人、中国人をはじめ、そのほかにインド人、サウジアラビア人、コロンビア人、ベラルーシ人などがいます。私はこれらの国々のことは今まであまり知識がなかったので、彼等の話はとても新鮮で興味深いです。英語の授業を受けながらさまざまな国のこともたくさん勉強できるので、授業中に眠くなることはありません。

私が住んでいるブリティッシュ・コロンビア州はカナダの中で1番暖かく、気温も日本とあまり変わりませんが、緯度が高いため冬が長いです。この町では例年ほとんど雪が降らないと聞いていたのですが、冬休みが明けて1週間後、気温が -10℃まで下がり、吹雪でかなり雪が積もったため、学校が1週間休みになりました。普段雪が降らない場所で大雪が降ったので高速道路で交通事故が起きたりして、車で通学している人にとっては危険であるとの配慮からの休校だったようです。

ここでは、毎週金曜日にJapanese Activityというものをやっています。日本食を作って食べたり、日本の遊びをしたり、日本映画を見るなど日本文化に触れるための活動です。フレーザーバレー大学には日本語の授業があるため、日本語を勉強している人が遊びに来たりします。そこで友達を作ることも出来ます。

アメリカとカナダでは11月の感謝祭の後に、Black Fridayという大安売りの日があります。その日、私は友達と一緒に10人でアメリカのシアトルに行きました。シアトルは近いので車で3時間ぐらいあれば行けます。Black Fridayの金曜、そしてそれに続く土、日曜日は70%ほど物が安くなる日で、アウトレットでたくさん買い物しました。そして、(本当はしてはいけない事なのですが、ここだけの話)ホテルの2人部屋を2つ借り、10人で使いました。夜中まで騒いだり1つのベッドに友達と雑魚寝したりぐちゃぐちゃでしたがとても楽しかったです。カナダに来た当初は誰も知っている人がいなかったので友達の大切さが痛いほどわかりました。

休日は時々バンクーバーに遊びに行きます。車を持っている友達がいればその友達に頼んで乗せていってもらえますが、大概は高速バスでバンクーバーまで行きます。バスの中でおじいちゃんやおばあちゃんと隣になった時はおじいちゃんおばあちゃんの方から話しかけてくれます。彼等の英語は若い子の英語に比べ、ゆっくりでわかりやすく形もきれいなのでとても聞き取り易いですし、優しい表情で聞いてくれるのでこちらからも話しかけ易く、とても良い勉強になります。バンクーバーを歩いていても、よくおじいちゃんおばあちゃんに話しかけられます。日本と違って本当に陽気でこちらも楽しい気分になります。

留学生活もあと僅かで終わってしまいます。最後の最後まで悔いのないように勉強して遊んで「またカナダに行きたい」と思えるように充実させたいです。