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柴田 脩平 ― 韓国留学で得たコミュニケーション力 ―

私は2010年8月23日〜12月18日まで韓国のスンチョンヒャン大学へ交換留学をしました。私はこの交換留学へ行く前に語学研修や旅行で2回海外を経験していたのですが、韓国へ行くのは初めてでした。当初は英語圏への留学を望んでいたのですが、恥ずかしながらTOEICのスコアが足りず申し込めませんでした。しかし、韓国への留学は可能ということであり、さらに私には韓国人の友達もたくさんおり、その人たちと毎日関わることで韓国への興味も沸きだしました。国際センターのスタッフの方と相談もしつつ、韓国語はもちろんですが英語も日々使うような学校を紹介してもらい、私は韓国への留学を決断しました。

スンチョンヒャン大学のオリエンテーションは8月27日から始まる予定でしたが、韓国の生活様式や習慣、文化に少しでも早く慣れたいという想いで8月17日に韓国へ行きました。韓国語を少しは勉強して行ったものの、やはり実際に行ったら「何が書いてあるのかわからない」「何を言っているのかわからない」でした。そして、学校の寮に入る前日に韓国の友達と一緒に寮を訪問しました。すでに寮に入っている学生を数名見掛けたので、初めの第一印象が大事だと思い片言の英語で挨拶をしに行きました。アメリカから来ている留学生でとても気さくに接してくれて、少し不安が解消された思いがしました。

そして、27日からいよいよ学校生活が始まりました。スンチョンヒャン大学はヨーロッパからの留学生は少なかったですが、アメリカやメキシコ、アジア各国からの留学生が多く、僕は韓国から一番近い隣国とも言える日本からやって来たにもかかわらず「この中に入っていけるのか」不安でした。オリエンテーションの説明は全て英語で行われました。韓国語で説明されたら余計わからなくなっていたとは思いますが、英語でもついていくのに必死でした。そこで親切なアメリカ人がゆっくり説明して助けてくれたことを覚えています。

8月30日から授業が始まりました。私は韓国語の “speaking class” と “writing class”を受講し、さらに、英語での授業として「韓国の社会と文化」、「アジアの国際関係」”、「世界の国際関係」、“Korean Beginning Dance”を履修しました。韓国語の授業は、日本で少し韓国語を勉強して行ったので、正直初めは簡単でした。内容としては自己紹介とハングル文字を読むことから始まり、次に先生が用意したプリントや単語ボード、それから購入した教科書とワークブックを使って授業を行いました。先生は一人ひとりが理解できて発音もできるように全員に発表させるようなことが多く、みんな和気藹々として楽しく勉強できました。

むしろ私が苦労した授業は英語で学ぶ4科目でした。これらの授業はプレゼンテーションやグループディスカッションをたくさんします。私はこの二つに関して最初から最後まで苦労しました。どういう点で苦労したのかと言いますと、やはり英語力の無さと世界の事情、アジアの事情、日本の全てに無知だったので、先生から「日本から見てこれはどう思いますか?」や「日本のこの人物の名前はなんですか?」などと質問されても、常にわからないことだらけで “I don’t know.” の繰り返しでした。しかし、聞かれてわからなかったことはメモをして授業が終わってから寮で調べるようにして、自分の知識として身につけていきました。プレゼンテーションもあるトピックについて調べて、英語のスクリプトを作り、仲の良いアメリカ人に文法や語句のミスなどを随時訂正してもらうようにしました。私はこれを通じて、失敗した時にそれをどうプラスに変えていくかを考えさせられたので、たくさん恥もかきましたが良い経験だったと思っています。

授業以外の面では、アクティブに何でも参加して行こうと心がけていました。この大学には、スポーツフェスティバル、Global day、ハローウィンパーティー、フィールドトリップなど、いろいろなイベントがありました。その中でも印象に残っているのが、フィールドトリップで旅行へ行き、そこのホテルで行なったハローウィンパーティーとスポーツフェスティバルです。これはチーム賞と個人賞とあるのですが、私は自分の存在をみんなに知って欲しい、そしてもっと多くの人とコミュニケーションをとりたいと思い、賞を狙いにいきました。私はピーターパンチームで “ティンカーベル”をやりました。100人以上いる中で舞台に立ち、アピールをしました。そして、見事に個人賞とチーム賞の2冠を獲得することができ、有名になれました。それをきっかけに仲良くなっていった友達も多いです。スポーツフェスティバルはたくさん競技

があるのですが、特に私はサッカーが好きなので印象に残っています。留学生たちで留学生チームを編成することになり、その中で私が一番サッカーの経験が長く、技術の面でもみんなから認められていました。したがって、自分が片言の英語ながら司令塔として周りに指示を出して戦っている時はやりがいを感じましたし、自分を筆頭にして世界各国から集

まった人間が一つとなって戦い勝利をつかみ、周りから “You are a really good player!”と言われた時は最高に嬉しかったです。これだけではなく、このようなアクティビティに積極的に参加してコミュニケーションをとっていきました。

この留学生活を通じて、私は多くの人に自分を知ってもらい、コミュニケーションをどうとっていくのかを考えさせられ、実際に行動に移すことの大切さを学びました。また、以前は、韓国と日本は隣国なので同じような国同士と単純に考えていましたが、4か月間滞在したことによって、両国はその国民性という点から全く異なる国ということにも気づかされました。語学に関しては、韓国語は帰国後も日本で勉強を続けていますが、留学経験のおかげで少し話せるようにもなりました。英語はスピーキングに関してはまだ自信はありませんが、リスニングは確実によくなっていると自分でも感じます。これも自分に関わってくれた人のおかげだと思いますし、自分に関わってもらえるような工夫をし、人間関係を作り上げてきた自分の成果だとも思います。初めは英語圏への留学を望んでいましたが、今は逆に韓国へ行って本当に良かったなと感じています。