大阪学院大学 外国語学部ホームページ
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冨永 雅博 ― 台湾での1か月が過ぎて ―

  静宜大学に留学している、外国語学部3年生の冨永雅博です。9月の出発から1か月が経ちました。私にとって長期留学は初めての経験でしたが、短期では一人で海外に行ったことが数回あったためか、出発前にそれほど大きな心配や不安はありませんでした。


  私は学内の寮に住んでおり、教室や食堂までは15分以内で行くことができます。日本で家が大学から遠かった私にはとても嬉しい毎日です。大学は丘の上にあり、寮も丘の上の方にあります。朝の授業が8時10分から始まるため、朝は早いです。


  寮では自炊が禁止なため、朝や昼は食堂で何かを買って食べ、夜は夜市などにおいしい食べ物を探しに、大学外に出かけます。私の部屋は3人部屋で、台湾人の英語学科の1年生2人と一緒に暮らしています。夜ごはんなどはルームメイトと食べに行くことが多いのですが、週末になると2人とも実家に帰ってしまうの

で部屋にいる時は私一人になります。その時は隣の部屋の台湾人にご飯を誘われたり、部屋でみんなとトランプをしたり、ルームメイトや他の留学生、静宜大学の学生たちと一緒に出掛けたりしています。


  基本的にはルームメイトとは英語でコミュニケーションを取っています。たまに2人が中国語で話していることが気になって聞くのですが、速過ぎて単語すら聞き取れません。最近では簡単な中国語でルームメイトと話したりもしますが、早く2人の中国語の会話に自分から入っていけるように中国語を理解したいです。


  授業は、毎日行われる「中国語」の授業と、英語での「台湾」についての授業を2つ、「日本語」の授業を1つ履修しています。特に英語の授業はヨーロッパ人とグループが一緒で、ディスカッションがあるたびに、私にたくさん質問をしてきます。しかし私はそこまで英語能力が高くないため、私がディスカッションを毎回のように一時中断させてしまいます。しかし私はそこで黙ってしまうのではなく、何とか自分の考えや思っていることをしっかりと伝えることで、次の授業からはしっかりとディスカッションを行えるようになりました。つい先日culture shockについてのグループプレゼンがあったのですが、授業時間外にグループで集まってパワーポイントのスライドを作る際、グループの仲間たちは私の英語の間違っているところを指摘して直してくれました。お蔭で私は自信を持って英語で “In my country, people are …”

と、日本について述べることができるようにまでなりました。プレゼンが終わってから仲間たちから、「最初会ったときよりは英語はうまくなったから、中国語もお互い頑張ろう」と言われました。私はとても欲張りかもしれませんが、中国語は勿論のこと、英語も成長させて帰国したいです。


  台湾に来て1か月ですが、授業や日常生活の中で、毎日が新鮮で新しい発見ばかりです。私が一番驚いたのはバスの車内です。台湾はバイクが多く、バイクを避けて道を横断するのも難しいくらいですが、台湾の人はバスにもたくさん乗ります。静宜大学がある台中市は、バスが10kmまで無料です。したがって、私は夜や週末はバスをよく利用するのですが、日本ではあまり見かけない光景を目にします。それは、優先座席は勿論のこと、普通席でも、おじいさんやおばあさんが乗車してきたら乗客たちが必ずと言っていいほど席を譲るということです。それだけではなく、少し年配の方が乗車してきただけで、どの席に座っていようが席を譲る若者を見かけます。日本で見ることの殆どないこの光景に、私はとてもビックリすると同時に、日本人も見習わないといけないと思いました。


  自分から話をしないと、ここは大阪学院大学ではないし、地元でもないので、自分のことなんか分かってもらえません。留学は自分から何かアクションを起こさないと何も起こりません。「もう1か月」と思うか、「まだ1か月」と思うかは、人それぞれであると思います。私は「もう1か月」という感覚の1か月でした。この1か月で何かを成し遂げたかというと、正直わかりません。私自身の語学力不足から何回か困惑するような事柄もありましたが、幸いなことに、それ以外に大きな問題に遭遇することはありませんでした。とは言え、毎日、生きていくのが必死でした。こんな冨永でも、ストレスから体調不良になったり、焦りや失敗などをたくさんしました。しかしそのときは「なぜ?」という疑問を自分で自分に投げかけ、それでも分からないときは、ルームメイトや友達に相談し解決しました。


  まだ、私の留学は始まったばかりです。この1セミスターの間に、日本ではできない経験、語学面や異文化理解もそうですが、できるだけたくさんの人と出会い、コミュニケーションを取ることも目標にしてこれからの日々を過ごしていきたいと思います。


                                       2016年10月(2014年度生)