創造的問題解決の諸技法の統合について: |
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掲載: 2013.12.23 |
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編集ノート (中川 徹、2013年12月16日)
本ページに掲載しましたのは、8月下旬〜9月中旬に、海野誠さんと長谷川陽一さんとの間で熱心に交わされた、4往復のメールによる議論です。先に読者の声(8月〜10月)のページに書きましたように、中川が8月17日に8人の方に論文原稿(10月末の日本創造学会研究大会のための、「創造的な問題解決の一般的な方法論(CrePS)のビジョン」
の原稿)を送りましたのをきっかけとして、議論されたものです。海野さん、長谷川さんともに、そのメールを中川ほか6人にCCしてくださっていましたので、私も興味深く読みました。
テーマは上記表題に書きましたようなことが主ですが、縦横に飛び回った感があります。長谷川陽一さんが以前から考えてきておられることの一端をここでも述べています。読者の便宜のために、主要なキーワードを(中川が)太字にしました。
本ページは10月10日に原形ができていたのですが、なにぶんもとが(必ずしも公開を想定していない)メール文ですから、著者が文体を整えるのに(著者多忙のため)時間がかかってしまいました。---このような興味深い議論を記述くださり、本ホームページへの掲載を許可下さったお二人に感謝します。
本ページの先頭 | 海野1 | 長谷川1 | 海野2 | 長谷川2 | 海野3 | 長谷川3 | 海野4 | 長谷川4 | 「読者の声 (2013年8月〜10月) |
「読者の声」ページの一覧(2013年〜) |
海野 誠 (元 川崎重工業) さん 2013/08/21 '創造的問題解決の一般論'に関して
ハイレベルな論文、ご議論を拝見させていただき、 大変ありがとうございます。
日常の改善活動的な視点のコメントで恐縮ですが、 以下の点が気になりました。
企業実務の中での2日程度の短時間活動では、 表2において、 「現状システムの理解」の段階(分析など・・)から→ 「望ましいシステム(理想?要求?)をイメージする」 段階への移行のプロセス的?説明に苦労しております。
TRIZにおいて、 「理想をイメージする」といっても、幅が広く、日常的実務で 進化トレンドを大がかりに調べるのも負荷が高すぎます。 あまり長期的な理想でも、通常業務にはそぐわないし 具体的アイデアに繋がりにくい・・
この辺の一般的プロセスをもっとご説明いただけると、うれしいのですが・・・
長谷川陽一 (神奈川県在住) さん 2013/08/21 '創造的問題解決の一般論'に関して
「日常の改善活動的な視点」に関連して:
なかなか問題解決法を 一気通貫で語らせてもらえる場がないので、 私も普段の99%以上の時間は 日常業務の中で改善活動を行ってます。 時間が長いだけに、そこでの工夫が重要だと思ってます。
「同じ"目的"を、別手段 (今の出願案のクレーム範囲外) で達成する方法はありませんか?」 と聞くだけでも、 頭が刺激されて その場で〜数日後に新手段を発案する人たちがいます。 その度に、いかに"目的"を意識することが重要かを 痛感します。
手段の"目的"を考えるのと 手段の"機能"を考えるのは、 いずれも
目的−手段系統図
= VE機能系統図
= 畑村洋太郎先生の 水平思考展開図
= 鶴見隆先生の 課題−解決手段系統図
を右 (下位概念) から左 (上位概念) へ遡って 再び右へ戻るという思考です。これが発案のコツだ、ということをなるべく早く どんな例をとってでも伝えるべきなんだろうな〜、と 最近感じています。
・・・意識しているか/無意識でやっているか/意識しておらず 滅多にできないかが大違いだからです。知財では このように系統図を右から左へ遡るクレームを適切に広げる思考作業を、 "上位概念化"と呼んで 重要性を唱えているので、知財部所属の私でも バリバリの開発部門の人たちに問題解決法教育ではなく知財教育の装いで語りかけることができます。
一方、系統図を左から右へ進んでいく際に 飛びなく進むことも重要ですね。
・・・飛びすぎてしまうと、また具体手段 [下位概念] から "目的"・"機能" [上位概念] に遡って、飛んでしまった階層を見つけなければならないからです。そのためには、「目的達成の為の必要条件は 何だろう?」と自問自答してもらうのが良い、と 最近考えています。
なぜかというと、何か目的達成手段を発案した時は大抵、その手段は 目的達成の十分条件を満たしているにすぎないからです。 他にも十分条件 (別手段) があるのが普通です。 目的達成の必要条件を見つけるのは大変ですが、それを見つけられた時は、有力手段を相当 網羅できます。ここまででも 体得には時間がかかるので、 私は 当面、
「系統図の階層の飛びを右から左/左から右の両方から減らしていきましょう。そうすれば、おのずと目的達成の為の新手段が見つかります。」
と言うくらいまでに とどめて 日ごろは それ以上細かいコツを言わないようにしようか、 と 思っています。「望ましいシステム(理想?要求?)をイメージする」に関連して:
ほんの数日前から、これは 「システムの最上位目的達成の為の必要条件を把握する、書ける、ステートメント化する」 ことではないか? と思うようになりました。
この段階では まだ矛盾 (不具合課題と不具合課題の挟み撃ち) に直面しません。 なので 分離原理のお世話にならなくても ステートメント化することができます。
また、現行システムの因果関係を分析しなくても 上位目的達成の為の必要条件は 挙げることができ、それを更に具体化できます。
これが「[USITで理想の結果をまずイメージさせる] Particles法は どんな問題にも使える」という意味なのではないか? と 最近思っています
海野 誠 (元 川崎重工業) さん 2013/08/22 '創造的問題解決の一般論'に関して
長谷川さま 丁寧なメイルありがとうございます。 長谷川さまと同様なことを考えておりましたが、 長谷川さまの種々の工夫は参考になりました。
自己紹介が遅れましたが、当方は、長年、社内外のVE活動など 各種の管理技術 (問題解決法など) の指導をメインに 仕事をしてきて、その中で17年ほど前にTRIZにも出会い、 社内での普及活動や 社外の研究会の活動幹事役などを務め、現在に至っております。
現時点では、
*VE手法における、「目的思考」、「上位目的の追及」
*TRIZ・物理矛盾における、「要求機能、目的」の設定 ・・・・の簡易な連関付けなど・・・・
が重要と考え、 実テーマや研修などで、試行しつつあります。「要求機能」を、あまりに抽象的、概念的になりすぎないで、 より簡易に、具体的かつ適正に設定できれば、TRIZがもっと使い易く 問題解決も容易になると考えております。 (現状に囚われすぎる人、現状から安易、粗雑に ジャンプしすぎる人など様々いますね)
今後とも、いろいろご意見メイルよろしくお願いいたします。 海野
長谷川陽一 (神奈川県在住) さん 2013/08/24 '創造的問題解決の一般論' に関して
海野さん、おはようございます。 長谷川です。
「VE と TRIZ」に関連して:
VEとTRIZは相性がいい、でも 統合するには まだ工夫が必要、ということですね。
私は、目的−手段系統図の重要性を 9年弱前に自力で悟り、 その後 間もなく古謝さんに出会って (古典的TRIZを経由せず) 古謝さん流USITを教わりました。
VEに関しては、
『何事も ある"機能"を得ることが 「目的」だから、VE機能系統図は 目的−手段系統図と同じ。』
『同目的を達成できる・同機能を得られる 手段が 複数あるなら、コストが安い方を選ぶのは当たり前。』
と8年くらい前に認識したきり、・ 古謝さんが
「VEで行っている「機能」への抽象化は、 抽象レベルが高すぎではないか?
→ USITが国内に紹介されたとき、「モノ」と「機能」を 「性質(属性)」が繋ぐ考え方で これまでのVEに対する疑問が氷解することを直観」
という経緯を辿られたことを ( http://profile.ameba.jp/gijutsu-mieruka/ ) もう 何年も前から聞いていて、・ 「0 Look VE」 という言葉があることを、2010年TRIZシンポで どなたかの発表質疑中に 耳にしていたのですが、
それ以上 VE (が なぜイマイチ普及しないのか) について 深く考えることなく、 今日に至りました。
今のVEは
・ 0 Look VE (企画段階 [進化パターンによる未来予測 DE]
http://www.osaka-gu.ac.jp/php/nakagawa/TRIZ/jpapers/2013Papers/SQ-TRIZSpecial-1302/Inoue-TRIZApp-130508.pdf
・ 1st Look VE (開発設計段階)
・ 2nd Look VE (製品改善段階)
http://www.hj.sanno.ac.jp/cp/page/7289
という体系になっているのですね。 知りませんでした。単に「手段の 目的・要求機能を考えましょう、後は頑張ってください」 と言うだけでは 普及が頭打ちになるので、 局面に応じたガイド (熟練者の暗黙知の 形式知化) を充実させようと VEリーダーの方々が努力してこられたことに いま気づきました。
Ideation社が VEを参考にして古典的TRIZを一度バラし、 一気通貫な問題解決手順に再編したのが I-TRIZだ、ということを 上村さん・長谷川公彦さんから 2〜3年前に教わりました。
以上の皆さんは 『VE と TRIZ/USIT を融合し、一気通貫手順に再編すべき』 と思ってらっしゃる共通点があることが、いま分かりました。
こう考えると、VEは モロに<目的−手段系>ですから、まずは TRIZ/USITの中から <目的−手段系>のテクニックを抜き出してVEと統合するのが 良さそうですね。
・・・古典的TRIZの枠組みから抜き出すとすると、
究極の理想解、物理効果集、技術進化パターン集 あたりでしょうかすると TRIZ側には<原因−結果系>のテクニックが残ります。
・・・物質−場分析 → 発明標準解、矛盾マトリクス。これらは、<目的−手段系>のVEとは違う <原因−結果系>の既存技法・テクニック (なぜなぜ・TOCの現状問題構造ツリー、KT法のIs/Is not、KI法) と先に統合するのが スッキリしそうです。
そして、<目的−手段系>と<原因−結果系>がそれぞれ どんな局面で使えるか? という 使い分けガイドを用意すれば、 VEとTRIZだけでなく 他技法も包み込んだ 一気通貫の問題解決ガイドになるのではないでしょうか??
「下手に因果関係を考えるより、ロバスト条件を素早く探すべき」 という考えの(?) 品質工学も、テクニック・考え方・合言葉を<目的−手段系>と<原因−結果系>に分配・整理できると最高だ と思います。
・・・そうなってくれてないと、 品質工学だけ 単独で学ばなければならないので 面倒です。
* ロバストなアイデアを 論理的に導き出す。
* ロバストな条件を 実験で導き出す。
の2通りに分ければ、品質工学は 他の諸技法とスムーズに統合できそう・・・と 直観的には思うのですが、 まだ 私は品質工学を不勉強なので ここで考えが止まってしまいます。
海野 誠 (元 川崎重工業) さん 2013/08/30 '創造的問題解決の一般論'に関して
長谷川さま ふたたび、丁寧なメイルありがとうございます。原点を見直しする上で、色々参考になるお話です。
当方、究極的には普遍的な問題・課題解決プロセスの理解、整理を目指しておりますが、実務的には、企業内で比較的普及・定着しているVE活動をベースにしたほうが、TRIZも普及しやすいのでは・・・と考えております。あまり過去の知識、経験にこだわる必要もないのですが、企業内の文化として軽視するわけにもいかないです。
以下、当方の概念的な認識を、ざっくりですが補足させていただきます。
1) VE活動での「機能」という言葉は、通常、以下の幅広い概念を包含していますが、 識別、設定の方法論が分かり易く整備されていない・・・。(初心者には大きな障害になる。実務上も多くの工夫を必要とする)
@ 漠然とした顧客要求事項の集合
A 上位システムの機能の集合と階層
B 対象システムに対する要求機能(現状と、今後)
C 現状の具体的対象システム(モノ、仕組み)のもつ有益機能(入力、動作、出力)の集合と階層2) TRIZ物理的矛盾などの世界では、以下の概念的事項などを明示することを要求している。こちらも識別、設定の方法論が十分でない・・・。
@ 対象システムに対する要求機能(現状と、今後)
A 対象システムに対する要求属性(現状と、今後)
B 現状の対象システムのもつ有益作用、有害・不十分・過剰作用
C 上記@ABの時間的、空間的な変化要求(現状システムと今後のシステム)上記の各種概念の識別、設定の方法論をわかりやすく整理すれば・・だれでも、もっと使いやすいと考えております。
また機会を見て、もう少し整理したものを、どこかで発表できれば・・・と思っております。
長谷川陽一 (神奈川県在住) さん 2013/08/31 '創造的問題解決の一般論'に関して
おはようございます。長谷川です。
「企業内文化の扱い」に関連して:
弊社では VEが流行っておらず、代わりに 「課題ばらし」という言葉は流行っています。しかし、ほとんどみな我流で行っています。
大課題−中課題−小課題 という見出しで考えを書いて 他人に見せ、共有化を図る人たちが散見される程度で、それを自分の頭の中だけで行っている人たちが 圧倒的多数です。私もかつてそうでした。
そして、あちこちで、 「ヒトは育てられるものではない、育つものだ」 という声が聞かれます。この企業内文化を踏まえて どう取り組んでいくか?が 弊社での課題だ、 ということを認識できました。 ありがとうございます。
一般には 弊社よりも VEは浸透していますので、VEを踏まえて それに接ぎ木するようにして働きかけるのは とても合理的だと思います。
・・・KT法が浸透している企業なら それに接ぎ木し、 シックスシグマが浸透している企業なら それに接ぎ木し、でいいと思います。 抵抗を極小化するために。「VEでの機能概念 とTRIZでの諸概念」に関連して:
(海野さんの) おっしゃるとおりだな・・・と ため息が出ました。
いくら「目的が重要」「(要求)機能が重要」「原因が重要」と言っても、
@ それぞれが入れ子・階層関係にあること、に気づくことが まず難儀。
それに気づいたとしても、
A 先に有益機能に関する手段階層を表の左側に書き、
各手段が直面する有害結果の対策手段は 表の右側に書く。B 各階層で 階層内の情報の次元を揃える。
漏れなしを意識するのではなく、まずダブりなしを意識する。
(Mutually Exclusive Collectively Exhaustiveの語順通り。
MECEは 日本では「漏れなく、ダブりなく」と訳されているものばかりで、
正しい語順に気づくのが遅れました。 そのせいで1年半ほど空費しました。)に気づくのが また難儀です。
さらに、
C 有害結果 (不具合現象) の因果関係連鎖を飛びなく把握する 。D せっかく因果関係連鎖を飛びなく把握できても、対策手段をうっかり挙げ漏らさない。
が また難儀だ、と 私は認識しています。
D は I-TRIZ不具合解決オペレーターやUSITオペレーターがあるのでそれに頼れば良いのですが、
@〜Cは地頭の問題ですので、ここを突破できなければ どうしようもないのだと思います。「属性」について:
私は「属性」という概念を意識することなく 今に至っています。ということは、
・ 「属性」という概念がない問題解決体系があり、それで十分。
・ 「属性」という概念がない長谷川は 問題解決が遅い。
の どちらかではないか?? と 最近感じています。なんと不勉強なことに、 古典的TRIZの中に「属性」という概念があるかどうかを 私は知りません。 (USITの中にあるのは知っています。)
「属性」は 因果関係の「結果」と捉えてはいけませんか?
海野 誠 (元 川崎重工業) さん 2013/09/13 '創造的問題解決の一般論' に関して
長谷川さんへ、 ふたたび、丁寧なメイルありがとうございます。 いろいろ参考になるお話です。
以下、当方の概念的認識を、ざっくりですが補足させていただきます。
1) 構成要素や作用の「属性」(特性)の取扱いについて
・ クラシカルTRIZでは、「矛盾マトリックス」の背後に隠されている。 (ロシア人が、表立って取り扱わない理由は定かでないが、アバウトな捉え方? マトリックス表の特性項目もザックリしすぎ。)
・ 「特性」と「属性」の違いも明確になっていない。
従来:
・ 機械系製品では、「品質特性」としてかなり詳細に取り扱っている。
・ 自動車など部品点数の多い製品では、「品質特性」は膨大な項目になる。(現状機能も膨大な項目になりますが・・・・)
・ 製品・技術分野別、課題別に、どこまで詳細に属性を把握、要求属性を設定するべきか? かなりバラツキがある。
・ 製品や技術の革新では、従来軽視していた属性や、より深いレベルの属性などに着目することが重要になる。
今後:
・ いずれにしろ、「要求機能」を実体化するうえで、「要求属性」をどう設定するかは実務上、不可欠、重要な事項であるので、その効率的な探索、設定法が欲しい。
・ ただし、闇雲にQFDのごとく洗い出していくのは、極めて非効率?
2) 機能と属性(特性)との関係について
・ QFDは日本発。日本人的な緻密さの表れ?(ロシア人にはない?)
・ キーとなる要求機能と要求属性(特性)とのつながりを意識すれば、解決案を具体的に考えやすくなる。
・ 属性をどのように仕分けて考えていくかが、一つのポイント。
・ご質問に対して、直接的に関係づけた内容にはなっていませんが、今年7月12日に日本VE協会の阪神セミナーで発表した当方資料を「ご参考」までに添付致します。 [添付省略]
・・・極めて初心者向けの内容ですので、「属性」という用語は使用していません。「着目点」というざっくりした表現に留めていますが、「要求属性」は具体的解決策への手掛かりとして効果的。以上、少しでも、ご参考になれば幸いです。
長谷川陽一 (神奈川県在住) さん 2013/09/13 '創造的問題解決の一般論' に関して
海野さんへ、こんばんは。 長谷川です。
「属性・特性」に関する体系的なご解説、ありがとうございます!
私は、古謝さんから8年前 USITを教わった時に、 世の中が
@ 構成要素 [Object] : 名詞表現
A 属性・特性 [Attribute]: 形容詞表現 (例: 重い、長い、赤い、冷たい)
B 機能・作用 [Function]: 動詞表現 (○○を△△する)
で成り立っていることを理解したものの、 いざ 問題解決に取り組むにあたっては、A属性を避けまくってきたことに、 いま気づきました。その理由は、いま思うと、 私が 古謝さんに会う 半年ほど前に
「@ 原子や光から成る"構成要素 (ヒト・情報含む)" を素材とし、
B 物理力、言い換えると 構成要素間のB"相互作用 [重力・電気力・磁気力・核力]" を利用して、
構成要素の集合 [システム] で B機能を発揮=目的を達成する」
という認識に至っていたからです。
・・・A属性がスコーンと抜けていますね。また、上記認識に至った時から、私は 問題解決を
「不都合な因果関係を断ち切って、好都合な因果関係を作り出せばいい。
・・・因果関係 イコール "構成要素A"から"構成要素B"への作用」
と捉えるようになっていたところ、古謝さんから
「メカ [因果関係] が未解明な現象の 時間を細かく区切るべき」
と教えを受けて、 雷に打たれたように
「不具合現象の時間を細かく区切る
= 不具合結果に至る因果関係連鎖の より詳細な把握だ!
⇒ どのタイミングで連鎖を断ち切っても不具合解決できるのだから、
まず連鎖を細かく把握すべき。現象を時間分解すべき!」
と 納得し、 以後 その実践&普及に努めてきた、という経緯を 辿っています。
・・・またもや A属性が出てきません。
そして 今に至りました。Googleで 「古典的TRIZ、属性」と検索したところ、長谷川公彦さんのブログが 上位にヒットしました。http://ideation-triz.com/i-triz_blog/2010.10.html
矛盾マトリクスの縦・横軸は、属性・特性が並んでいるのですね。 こんな基本的なことすら、私は今まで自覚してませんでした。ひょっとすると、ロシア人は、 物質−場分析やSLP(@構成要素−B力・作用・機能 系)へ走って、矛盾マトリクス(A属性系)を古いものとみなしたので、A属性をあまり取り扱わないことにした→アバウトなまま放置した のかもしれませんね。
そう考えると、 ロシア人が @要素還元主義 & B機能・目的重視のアメリカへ渡って以降 (矛盾マトリクスを捨てた)古典的TRIZ と VE の融合を進め、 A属性を ますます ほったらかしにした気持ちも分かる気がします。
それに対し、日本は
・ 産業界が、伝統的に A属性/特性を重視してきた。
・ 問題解決技法界が、A属性を三本柱の一つに掲げたUSITを好んだ
のが特徴ですね。
↓
この流れを受けて、日本では
・バリバリのA属性系技法である 矛盾マトリクス・発明原理も 活用すればいいじゃないか
⇒ 智慧カード、発明原理番号のシンボル化、発明原理の高速利用法の追究
と 発展が進んでいるような気がしてきました。いただいた資料を見て、
・ オズボーンのチェックリスト、 ・ 機械系のチェックリスト の不便な所を
↓
・ TRIZ発明原理 を便利にして解消しよう、
という構想は本当に素晴らしい、と感じました。「動かないことに価値があるモノ」 と 「動くことに価値があるモノ」に まず分ける、という切り口が とても大きなブレイクスルーですね!
かねがね 私は
・オズボーンのチェックリスト
・40の発明原理
ともに箇条書きであり、階層的・体系的ではない点に 内心不満を持っていたのですが、 どうすればいいか?までは 全く考えられていませんでした。 ここのブレイクスルーは 偉業だと思います。そして、 箇条書き状態の
・トヨタの7つのムダ
では項目数が多すぎる、、、と考えて
↓
山田日登志さんが
・「停滞のムダ」 と 「動作・運搬のムダ」 に まず分ければいい、と結論付けられた
http://www.amazon.co.jp/review/R1DU1M5NIQFS1N/ref=cm_cr_dp_title?ie=UTF8&ASIN=4344412672&channel=detail-glance&nodeID=465392&store=books
のと、海野さんの「動かないことに価値があるモノ」「動くことに価値があるモノ」という観点が一致している、とも感じました。トヨタは 「ムダを見つけて→ムダをなくす手段アイデアを出す」 という考え方なので、 問題解決・アイデア出し技法と言っても 差し支えないと思います。だから、煎じ詰めると 観点が一致するのかな??と感じます。
今後、他の問題解決技法を
・ 属性
・ 「動いていない」/「動いている」 という切り口
という観点で 見てみようと思います。
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最終更新日 : 2013.12.23 連絡先: 中川 徹 nakagawa@ogu.ac.jp