TRIZフォーラム: IT & TRIZ

読者の声: 『ITとソフトにおける問題解決アイデア集』(Mishra著、中川監訳)の出版に寄せて

 笠原正雄、林利弘、小柳義夫、辻尚美 (2011年7−9月)

責任編集: 中川 徹(大阪学院大学)  2011年9月 6日; 2014年8月

掲載: 2014. 8.29

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編集ノート (中川 徹、2014. 8.28)     (掲載: 2014. 8.29)

ここには、今回クレプス研究所から出版しました下記の本(の見本原稿)に寄せてくださいました、読者からのメッセージをまとめて掲載します。

『TRIZ 実践と効用 (4) IT とソフトウエアにおける問題解決アイデア集 −TRIZの発明原理で分類整理−』  Umakant Mishra 著、中川 徹 監訳、 クレプス研究所刊、 2014年 8月   ==> 出版案内 

実は、このHTMLページは、3年前の2011年9月 6日に仕上げて、4人の読者の方から掲載の許可もいただいていたものです。その段階での皆さんとのやり取りを(いろいろと学ぶことがありますので)そのままで、掲載させていただきます。なお、当時このページを掲載できなかったのは、ほとんど合意できていた著者との出版契約が急にこじれ、合意成立が10月までずれたためでした。

今回の出版では、笠原先生、林さん、辻さんのメッセージを本に掲載させていただきました。小柳先生のコメントは本には掲載していませんが、ここに収録させていただきました。掲載が3年も遅れましたが、貴重なコメントをいただきました皆様に厚くお礼申し上げます。

IT/ソフトの分野で仕事をしている人たち、あるいはパソコンを常時使っているユーザの人たちに、この本を読んでみていただけるとよいと願っています。

 

本ページの先頭 Mishraの本の和訳出版案内 2011年の編集ノート 笠原正雄先生から 林利弘さんから 小柳義夫先生から 辻尚美さんから

「読者の声」のページの索引ページ

英文ページ


編集ノート (中川 徹、2011. 9. 6)  

表記の監訳書の原稿が出来上がり、出版を計画するにあたりまして、身近の何人かの方に本の抜粋 (前置き部、本体40章のうち5つの章、後置き部(索引を含む)) をお渡しして、ご感想をお聞きしました。特に、IT/ソフト関係の人たちの感想を、よくもわるくも、率直にお聞きしたいと思った次第です。

ここに、それぞれの方のご了解を得まして、中川の依頼メール、読者の感想メール、そして中川の返信メールという組にして、できるだけそのままに掲載させていただきます。掲載をご許可いただきました皆さんに厚くお礼申し上げます。

この監訳書の出版については、いま著者との合意がはっきりしてきました。また、当面は、創造開発イニシアチブ社から CD-R版として、出版する計画で進めております。

 


  笠原 正雄 教授 (大阪学院大学 情報学部)

注:  笠原先生とは2000年以来、大学で隣同士の研究室におります。先生のご専門は、暗号技術、コンピュータセキュリティです。

中川からの依頼メール [2011年 7月24日、情報学部の教員メーリングリストへ。その抜粋]

情報学部の皆さま、授業/学部のことでなくて恐縮ですが、お願いがあります。
この 4年ほどかかって監訳してきました下記の本が、もうすぐ仕上がる段階になりました。
つきましては、この本をざっと見ていただいて、ご感想をいただけますと、大変ありがたく存じます。
いま、出版の目処を立てるのに苦労しておりますので。  【中略】

お願いしたいこと: 上記の日本語版への序文 をお読みいただいて、中身を見たいとお思いいただけましたら、中川に返信下さい。順次、適当なファイルを見ていただけるようにいたします。 また、その感想をいただけますと幸いです。
本件、笠原先生にお願いしてご快諾をいただいておりますが、まだファイルをお渡しできていません。
若手のばりばりの皆さんに見ていただくことがもっとよいのだろうと思い、夏休みでお会いできなくなります前にこのメールでお願いする次第です。どうぞよろしくお願いいたします。

  笠原先生のコメント  [7月25日、中川と情報学部の教員メーリングリストへの返信。]

中川先生、メール拝受しました。ご送付いただいたPDFファイルをA3に拡大し最大限に黒色を強調させて今日一日をかけ読ませていただきました。

世の発明が40の原理に従うという点は、私にとって全く新鮮な印象で、驚いております。このような書籍が世に出ることは誠に喜ばしいことと考えます。中川先生の長きにわたるご研究、そしてたゆまぬご努力のご成果と深く敬意を表したく存じます。

私は生涯の50年近い研究歴の中で、長く理論的論文の執筆に専念して参りまして、特に発明などといったことに全く縁がなかったことを反省しています。

勿論、いいアイディアであると判断して何回か特許申請を致しました。しかし理論あるいはアルゴリズムなど物理的な形を伴わないものには“自然現象を利用したものにあらず”といった理由で拒絶されることが多かったと記憶します。またこのため出願することを見送ったことも多かったと思います。

この中には現在CD、DVDのプレーヤのノイズ除去のため中心的な働きをしているユークリッド復号法があります。これは勿論私の考案したものですが、1970年代当時は理論で特許をとることは非常に難しく、出願を見送ったと記憶します。しかしこのユークリッド復号法は理論ではありますが、単純で実用性に優れ、現在世界シェアの実に60%を占めており,特許にならなかったことは私だけでなく我が国にとっても大いに悔やまれる結果です。

このほかにも、ユークリッド復号法同様、優れたアイディアとして世界に認められながら特許にはなっていないものが大部分という現状です。“物理的な形をともなわないもの。一切の自然現象と無縁なもの”は拒絶されやすい傾向にあったと思います。

因みに私はアイディアの創出に際しては、
      ・ 深く、深く、深く、あくまで深く考え込んでいく。
      ・ アイディアの芽らしきものの存在に気づいたときにはその一点を 目指して最後まで追いかけつづける。
      ・ 決して上記目標から目をそらさない。
      ・ 24時間寝食を忘れて考えつづける。
といったやり方でしたが、この方法は誰からも教わったことはなく全くの自己流いわば我流でした。

若い頃、先生が今秋ご出版されるご本を読んでいましたら、 きっともっと効率良く組織的にアイディアを創出し得たろうと残念に思います。30代、40代でこのような書籍に出合っていましたら私はさらに大きなアイディアを見つけ得ていたかも知れません。“時既に遅し”これがいつわらざる現在の心境です。

この意味で、情報学部の若い先生方のコメントに私も注目したいと思います。

先日申し上げましたように現在は新聞等の購読、他論文のチェックさらには論文査読、学会司会者等のお申し出も“視力”の問題によってすべて無理という状況でございます。この視力の問題で先生ご出版の本に目を通せないことは誠に残念に存じます。重ねて若い先生方のコメントに期待致します。(本状も長くなりましたので目のことを考え、京都の他大学の学生さん(ボランティアの方)に入力していただいております)

先生が出版なさいます御著書が正当な評価を受け、発明、発見への良き案内書となることを心より祈っております。

中川の返信メール [7月25日、笠原先生と情報学部の教員メーリングリストへ。その抜粋]

笠原 先生、皆さま。監訳書の序文をお読みいただき、コメントをいただきましてありがとうございます。ご負担をお懸けしまして、すみません。

笠原先生の 「深く、深く、深く、」というのは素晴らしいですね。沢山の研究者がそう心がけても、なかなか達成しきれなかったわけですが。このようなメールで、思いがけず、先生のお仕事やアプローチをお聞きでき、嬉しいことです。

いまようやく和訳原稿が仕上がり、索引作業の目処が立った段階ですが、IT 関係の人たちがどのような関心、感想を持たれるだろうか、というのが最も知りたいことです。
420頁、3000円としたときに、買って読んでみたいとどれぐらいのひとたちが思うだろうか? というのがいまから出版できるかどうかの目処づけのために、知りたいと思っています。

特に若手の先生たちにお願いしたいと思っていますのは、ところどころを読んで、このような意味での「感想」をお聞かせいただきたいことです。訳書のチェックをいただくとか、全体を読んでいただくとかをお願いしているわけではありません。「感想」が、「書評」とか、「推薦文」とかになることは望外のことです。 -- プラスもマイナスも含めて、率直なご感想をお聞きできれば、ありがたいと思っております。どうぞよろしくお願いいたします。


  林 利弘 さん (日本TRIZ協会理事長、(元) 日立製作所)

中川からの依頼メール [2011年 8月24日、TRIZ関係者数人への依頼メール。その抜粋]

Mishra 翻訳プロジェクトには、以前よりずっと関心をお持ちいただき、ご助力をいただきまして、ありがとうございました。昨日、『TRIZホームページ』で案内しましたように、お蔭さまで翻訳を完了することができました。【中略】

つきましては、皆さまおよび皆さまの周りの方に、本書の紹介版 (抜粋) をご覧いただき、その感想、評価をいただけないでしょうか? また、周りの方に薦めていただけないでしょうか?

ここに、抜粋しました紹介ファイルPDFを添付させていただきます。
      前置き部分の全体、
      本体 (全40章の中の) 1章、4章、15章、17章、21章、
      後置き部分の全体

特に、IT/ソフト関係の技術者の方、あるいは IT/ソフトのユーザで技術的なことに関心のある方に見せていただき、感想をいただけますと幸いです。どうぞよろしくお願いいたします。

  林 利弘 さんのコメント  [8月24日、中川へのメール返信。]

色々とバリアーを乗り越えての完訳、ご苦労さまでした。

ざっと読ませていただきましたが、IT版発明原理ブックという認識でいいのでしょうね。
出ている事例も私が読んだ範囲では殆ど知っているものですが、このように整理されるとなるほどね!と納得させられますね。

日本語版への序言にもあるように、具体的な問題解決プロセスにどのように活かしていくかということを考えると、物理法則に立脚していないようなIT/ソフト分野(通信などは電磁気学という物理法則に立脚)で、無限の解の可能性があるのと、適用できる自然法則というある意味の思考制約がないこと、皆が納得している原理が非常に少ないといったことから、なかなか難しい問題があると思います。

私の経験からいえば、IT分野(私の専門はこの分野)では、ニーズがあれば自然法則上の制約もなく色々と発想できるのでアイデアの問題で困ったというのではなく、そのアイデアを実現するための性能(ソフトの場合)/コスト(ハードの場合)の問題の方が大きかったということがよくありました。

なお、後書きのところで日立のHiSPEED21がHiSPEER21と誤植になっています。
また階層的index (IT技術の索引) は力作と思います。
各国の公的なTRIZセンターのHPのURLも書かれているといいいですね。

以上 取り急ぎ感想まで。

中川の返信メール [8月 24日、林 さんへの返信。その抜粋]

林さん、返信ありがとうございました。目を通してくださったとのこと、お礼申し上げます。

HiSPEED21 の タイプミス、いま修正し、登録しなおしました。
URLは 『TRIZホームページ』だけにしています。そこに詳細な情報源があるから、見ていただけるとよい。また最近は Google などがしっかりしていますから、キーワードさえきちんと分かれば、Webサイトはいつでも分かる、ということもあります。

なお、この (後書きに代えての) 「TRIZの状況と情報源」の記事は、『TRIZホームページ』に掲載し、そこでは、小見出しをつけ、 リンクを縦横に張っておきました。 【以下 略】


  小柳 義夫 教授 (神戸大学 特任教授、(元) 東京大学 教授)

[注:  私と小柳先生とは、1975〜1980年に東京大学大型計算機センターで、最小二乗法標準プログラムSALSを、十数名のグループで共同開発しました。その成果は『最小二乗法による実験データ解析 - プログラムSALS』、中川 徹・小柳義夫共著 (東大出版会、1982年刊) になっております。小柳先生は、高エネルギー研、東京大学、工学院大学の教授を歴任され、今年から神戸大学です。ご専門は、数値計算、高性能技術計算、並列計算などです。親しくさせていただいておりますので、互いにややインフォーマルな文面になっております。]

中川からの依頼メール [2011年 8月24日、小柳先生へのメール。その抜粋]

小柳 義夫 様、ご多忙のことと思いますが、お願いがあります。

昨日、『TRIZホームページ』の更新案内をだしましたように、4年がかりで、本の監訳を完成しました。 【中略】

つきましては、この本について、印刷物として出版の価値があると思われるかどうか、ご感想をいただくことはできないでしょうか? 【中略】

不躾ですみませんが、紹介のファイルを添付させていただきます。 【中略】 忌憚のないところのご意見をいただけますと幸いです。

  小柳 義夫 先生のコメント  [8月31日、中川へのメール返信。]

中川徹様、いただいた原稿を読んでみました。

大変おもしろく、発想の転換をするための貴重なヒントがたくさんあることが分かりました。

ただ、本として読ませるには工夫が足りない、という印象です。特許の分析などから、苦労して40の原理にまとめたのですが、読者からみると、それを天下りに与えられると違和感を覚えます。多分、こういう苦労をした人には通じるかと思いますが、一般の読者には単なる勝手なご託宣に見えてしまいます。
私がこのような本を書くなら、ケーススタディをいくつかあげて、そこからいくつかの原理を導き、これを発展させて40の原理を説明する、というストーリーを考えます。今回は翻訳であって、中川さんが書き下ろしているわけではないので、変えるわけにはいきませんよね。
というようなコメントですが、お役にたちますかね。

中川の返信メール [8月31日、小柳先生への返信。その抜粋]

小柳 義夫 様、ご多忙の中で、監訳書の原稿をお読みいただき、ありがとうございました。

「本として読ませるには工夫が足りない」というのは、私自身にはあまりなかった意識です。
私には「40の発明原理」というのは、すでに確立されたもので、それでいてこの本にはそれを分かりやすくし、適切に解釈を拡張していくことが行なわれている、と思えていました。
TRIZにまったく新しい人にとっての印象というのは、やはり違うことですね。

それでも、最初に書いていただいている 「大変おもしろく、発想の転換をするための貴重なヒントがたくさんあることが分かりました。」 というご感想は嬉しいことです。

いろいろな事例を読んでいくうちに、IT/ソフト技術の中にある本質的なアイデアをはっきり意識していくようになると思っています。一つ一つの知っている知識では当たり前と思っていることも、そのエッセンスをきちんと意識することで、より応用力が広がる、そのエッセンスを適用しやすくなるのだと思っています。  【後略】

  小柳 義夫 先生のコメント  [8月31日、中川のメールに対する返信。]

お言葉を返すようですが、「エッセンス」をそのまま与えても読者にはなかなか伝わらないということです。
味の素の粒をなめても苦いだけでおいしくもないように。


  Naomi さん (パソコン歴十数年のベテランユーザ)

中川からの依頼メール [2011年 8月24日、Naomiさんへのメール。その抜粋]

7月末にちょっとお願いいたしました件で、私の監訳書について、面白い/面白くない、読んでみたい/読みたくない、買ってみたい/図書館などにあるとよい/そんな価値ないといった、直感的な感想をお聞かせいただけないでしょうか? 【中略】

Naomi さんのような、IT/ソフトの一般の技術者/ユーザがどのような感じを持たれるかを知りたいと思っています。

  Naomi さんのコメント  [9月 2日、中川へのメール返信。添付ファイル 2件。]

遅くなりましたが、問題解決アイデア集を拝見いたしましたので、感想を送らせていただきます。本当に単なる感想で申し訳ないのですが…。添付のWordファイルをご覧ください。

また、まだ出版社の校正前かもしれませんが、念の為見ている時に気がついた誤字と思われるものを添付のexcelに記載しています。

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まずIT関連の特許をこのような形で分類・整理するのが面白いと思いました。

発想の転換、視点の変更をしていて、違う視点から見るとそんな解釈になるんだなあと思うことがいくつもありました。

例えば、「4章 非対称」の「非対称圧縮」のところで、電子メールの送受信時、スパムメールを抑制するために非対称圧縮を利用して送信側の負担を大きくする、といった見方や、「15章 ダイナミック性」のところで「15.3 オブジェクトやシステムを適応的にして、さまざまな動作条件下で最適な性能を達成するようにする」の事例にフレックスタイム制が入っているのが私にとっては思わぬ分類でした。

この資料を読むまで「TRIZ」という言葉すら知らなかったので、まずアイデア集を見るよりも先にウィキペディアで「TRIZ」の意味を調べるところから始めたのですが、ここに書かれている内容は、新知識というよりは、これまでのものの見方、発想と違った視点で物事を捉えることを促す内容であったと思います。

読み終えて改めて考えると、身の周りのいろいろな事象は、40の原理のいずれかに当てはめて考えることができると思いました。
全般を通して、事例が身近なものでイメージしやすく、図表が多くて理解の手助けになりました。
また、索引ではいろいろな章に書かれていることが内容別に分類されていて、調べる時に探しやすそうだと思いました。

この資料は、作業に直結する疑問や不具合の回答になるものではなく、それを解決に導く考え方、概念について述べられているので、実作業者向けというよりは、研究者やIT関連のことを学んでいる学生が対象となるものなのかなと思いました。

以下、簡単に各章の感想を述べたいと思います。

1章 分割

この章で書かれている内容は、本当に分割という項目名そのままでごくごく一般的に行われていることなので、理解しやすかったです。
システムの分割だけでなく、「帯域幅の分割」の「タイムシェアリング」の事例で「優秀な設計者を時間単位で利用して」とあり、人までもが分割の対象になり得るのだと思いました。

図表が多くてわかりやすかったのですが、モジュール化キーボード (米国特許5865546、特許権者コンパック、1999年2月)の図だけ、たくさんふられている番号が何なのか気になりました。

4章 非対称

最初、非対称という言葉にあまりピンとこなかったのですが、ノッチやキーボードの事例で、これまで特に意識したことのなかった事柄が、非対称の原理にあてはめて考えられるんだなあと思いました。
プラグやコネクタの差込口の形状が違うのも、差す方向を間違えないためという理由は理解していましたが、それを非対称と捉えるというのが新鮮でした。

構文の強調表示についても、こういったものを非対称と捉えることがこれまでの私の発想にはなかったので、身近にある様々な事柄が非対称の事象として考えることができるのだと思いました。

1章の感想でも述べましたが、この章のマウス(米国特許6590564、特許権者: マイクロソフト、2003 年7 月)の図も、図中の番号は何だろう?と少し気になりました。

15章 ダイナミック性

最初の「説明」と「期待される効果」を読んだ時は、どういったものが該当するのかまったくイメージがわきませんでしたが、15.1以降に書かれている事例を見て、ダイナミック性に分類されるものがちょっとわかった気がします。

15.1のタイトル「 オブジェクトやシステムが固いあるいは〜」で、システムが固いというのはどういった状況のものをいうのか、少しイメージしづらかったです。

17章 もう一つの次元

次元と聞いて難しく感じましたが、例に挙がっている2つ折りの携帯電話やサラウンドサウンドスピーカ、ドロップダウンボタンが多次元に分類されると知り、案外身近に存在するものなんだと思いました。
またフォントの変更や用紙の縦横変更など日常よく行っている操作でさえも次元の変更として捉えることができるのだと知りました。

パソコンでコピーをする時の方法は何通りもありますが、それを多次元のアクセスという視点で見るように周りを見ると「もう一つの次元」に該当する事象は身近なところにたくさんありそうです。

21章 高速実行

今まで当たり前のように使っていた機能(パソコン休止状態、ホームページの画面のリフレッシュ等)が高速実行として紹介されていて驚きました。今まで高速で処理されているという認識もなく使っていましたが、もしこれが通常動作で行われていたら、すごく待ち時間が増えて、イライラしていたと思います。いたるところに高速実行の概念が取り入れられているおかげで、今こうしてパソコンを快適に使うことができるのだと思いました。

また、今までファイルを削除する際、いったんごみ箱に入ったものを「ごみ箱を空にする」で削除していたので、今後は直接デリートで一気に消したいと思います。この操作は知らなかったので、今後役に立ちそうです。

中川の返信メール [9月 2日、Naomi さんへの返信。その抜粋]

『IT/ソフトウェアのための問題解決アイデア集』の原稿をお読みいただき、感想を送ってくださいまして、本当にありがとうございます。お仕事とは直接関係なく、また、読まなければいけない義理もないものを読んでくださったことに、感謝しています。

(1) Excel で 誤字など 約20項目をご指摘いただき、ありがとうございました。すでに気がついたものも一部にありますが、気がついていないものもいくつもあり、私たちの校正の甘さを露呈した感じがします。これから修正するようにいたします。

(2) 感想を実に素直に書いて下さり、ありがとうございます。この本で私が想定している読者は、ほとんどみんな TRIZについてなにも知らない人たちです。そのような人で、IT分野に関わって仕事をしていたり、あるいはパソコンを日常的に使っている人に、この本がどんな感じを与えるのだろう? というのが、今回、Naomi さんに感想をお聞きした理由です。

Naomi さんの感想は本当に素直で、この本が違う考え方に気付かせる、また、いろいろなIT技術をそのエッセンスのレベルで関連づけて学ぶことができる、さらに、ところどころに知らなかった技術 (裏技的な技術) が出てきて、興味を持たせてくれる などといったことを書いて下さっていて、この本の著者・訳者としては嬉しいことです。

(3) なお、図で番号が沢山振ってある例は、特許申請書に添付されている図です。たしかにこのような番号は削ってあるとよいのかもしれませんね。原著についていましたので、そのままにしてあります。

(4) 実は、著者との出版契約がまだ難航していて、出版ができるかどうかわかりませんが、いまの段階で、翻訳プロジェクトのメンバ (5人) に Naomi さんのコメントを伝えさせていただきたいと思っています。プロジェクトにとっては非常に嬉しいものです。ありがたく、お礼を申し上げます。

 

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最終更新日 : 2011. 8.22.     連絡先: 中川 徹  nakagawa@ogu.ac.jp