TRIZフォーラム: 読者の声

読者の声 (2016年 4月〜6月)

片平彰裕、長谷川陽一、浅井訓臣、中川徹;
高山直彦、貞廣哲、某さん、中川 晃、片平 彰裕、中川 徹;
Shahid S.A. Arshad (豪)

責任編集: 中川 徹(大阪学院大学)

海外からの読者の声は英文ページを参照ください

「読者の声の索引ページ」も参照下さい

掲載: 2016. 5. 8; 6.11; 6.20

Press the button for going back to the English top page.

  編集ノート (中川 徹、2016年 5月 8日) 

読者の皆様から折に触れていただいた感想・ご意見を、まとめて掲載させていただいているページです。

簡単な表形式で紹介させていただきます。

2016. 4. 7  --------------------- 『TRIZホームページ』更新 ------------------
         4. 8 片平 彰裕 札寄せツールを更新・公開(4.02版)
2016. 4.21  --------------------- 『TRIZホームページ』更新 ------------------
    4.22 長谷川 陽一 「自由 vs. 愛」について
         4.22 浅井 訓臣; 中川 返信; 浅井  「自由 vs. 愛」について
2016. 4.29  --------------------- 『TRIZホームページ』更新 ------------------
2016. 5. 8  --------------------- 『TRIZホームページ』更新 ------------------
         5.11 高山直彦;中川 返信; 高山 「自由 vs. 愛」について
    5.14 中川 徹 日本創造学会主催 「クリエイティブサロン」講演会 5月14日 の報告
    5.16 貞廣 哲; 中川 返信 6箱方式の「思考の世界」について
    5.16 某 さん; 中川 徹 社内への  TRIZ あるいは CrePS/USIT の導入法
    5.23 中川 晃; 中川 返信 「自由と愛」 − 「個人」と「社会」について
2016. 5.31  --------------------- 『TRIZホームページ』更新 ------------------
         6. 1 片平 彰裕; 中川 返信 札寄せ用具の第5版を公開しました
2016. 6.11  --------------------- 『TRIZホームページ』更新 ------------------
  Shahid S.A. Arshad 「自由 vs. 愛」  (和訳掲載)
     

なお、「読者の声の索引ページ」には、この間のもので別ページに掲載したもの、また海外とのやり取りなどをも一覧表にしておりますので、ご覧下さい。

本ページの先頭 ホームページ更新(2016. 4. 7) ホームページ更新(2016. 4.21) ホームページ更新(2016. 4.29) ホームページ更新(2016. 5. 8) ホームページ更新(2016. 5.31) ホームページ更新(2016. 6.11)  

「読者の声の索引ページ」

英文ページ


   『TRIZホームページ』更新(2016. 4. 7 付け) 

国内TRIZニュース(日本TRIZシンポ、創造学会研究大会の開催計画)、海外TRIZ関連の学会開催計画、マレーシアに湧き上がるTRIZ世代 、読者の声(国内、海外)、

 

 片平 彰裕 さん  ==> 中川 徹   2016. 4. 8    札寄せツールを改良・公開

札寄せツールの 4.02版を本日公開しました。
[ダウンロードは今まで同様に、 http://members3.jcom.home.ne.jp/dai1kousha/zukou2.html  ]

セルを札にするときに、A列すべてを対象にするため、 途中にある余白を取り除かなくても、よくなりました。

 

   『TRIZホームページ』更新(2016. 4.21 付け) 

社会問題: 論考: 「自由」 vs. 「愛」:人類文化を貫く主要矛盾 ―『下流老人』に対する人々の議論を踏まえ、その根底を考える― (中川 徹)

 

 長谷川 陽一 さん  ==> 中川 徹   2016. 4.22    「自由 vs.  愛」について

中川先生 まだ ホームページの全文は読めていませんが、 いただいた 下のメール中の文章は全て読みました。

まず 最初に、 「右(保守)」 vs 「左(革新・リベラル)」 や 「グローバリズム」 vs 「反グローバリズム」 を含んで超える、 すごい 対立軸の設定だ、と感じました。

そして、下のメール全文を読んで、 新しい認識の概要(1)〜(6)は 過去〜現在の世の中をうまく説明できる、 と思いました。  

[以下略]


 浅井 訓臣 (くにお) さん  ==> 中川 徹   2016. 4.22    「自由 vs. 愛」について

愛は市場経済(利潤第一主義)の自由を民主的に創造するルール(フェアトレード法など)を生み出す。 弱者の立場(愛)で解決策(ルール)を生み出す。

自由と愛は対立関係でなく、愛は自由の中身を民主的に創造する原動力だとおもいます。  

日本国憲法には、個人の尊厳を守る国家の役割として国民の「〜する自由/〜されない自由」(自由権)と生活の最低保障を国家に求める権利(社会権)を定めています。  

しかし日本の政府や財界が90年代前後から「勝ち組・負け組」論や「自己責任」論の大キャンペーンが やられたときに、立憲主義の日本では「国家には国民の生活を守る義務がある」のに市民・国民・メディアの側が権利としての生活・教育・労働保障に対する理解が不十分でした。  

今、待機児童の解消を求めるママ達は「自己責任」論を脱しました。しかし偽政者は未だに「行政の 責任を言う前に産んだあなたの責任はどうなのか」という暴言で憲法を遵守しない姿を顕にしています。

学力のあるなしは「自己責任」か?
子どもは「わかる」ようになる「できる」ようになることが原動力となり無限に成長しようとする存在です。 子どもには一人ひとり異なった個性があり、それぞれ個人として尊重され、子どもの「学習権」の保障とは、その子にとってわかる方法で授業を受ける権利のことです。

競争教育の一律指導の授業は落ちこぼしを生み、学習塾に行けない子は落ちこぼれになります。 そして、年齢で卒業させられます。  

  中川 徹  ==>  浅井 訓臣 さん    2016. 4.22  

たびたび返信をいただいており、ありがとうございます。 浅井さんの書いておられること、そのとおりと思うことが沢山あります。

ただ一つよくわからないのは、最初の文です。  

「愛は市場経済(利潤第一主義)の自由を民主的に創造するルール(フェアトレード法など)を生み出す。」  
    フェアトレード法などの趣旨は大体分かりますが、「市場経済の自由」とか、「利潤第一主義の自由」とかが何を意味するか分かりません。   
「民主的に創造する」というのも分かりません。「民主的になるように変える」というのなら分かるように思います。

また、「自由と愛は対立関係でなく」というのは、従来からの基本的な認識であり、ある点では正しいと思います。
しかし、その認識がいろいろなことを曖昧にしてしまって来たように思います。

自由も愛も、人類にとって大事な目標です。その意味で両立させないといけない。
しかし、単純に矛盾なく両立するのではない。 一人の「自由」と他者の「自由」は必然的に対立・矛盾する。
そのような対立を避けるのが「愛」の役割なのだけれども、 それは(単純な)「自由」を抑制することによって可能になる。
この意味で、自由と愛は対立・矛盾する。   

また、「愛」は「身内」を守るために、「外部」(他者)に対して対抗する。
「愛」は、釈迦やイエスが説いたように一足飛びに全人類に及ぼすことができなくて、実際には閉じた「身内」を作ってしまい、「愛」と他の「愛」とが衝突(矛盾)する。

このような対立・矛盾関係を何層にも含みながら、それでも「自由」と「愛」という二大指導原理を追い求めようとしているのが、人類文化である。

ホームページに書きましたように、自由も愛ももともとは、生き物としての人間の本性から出発している。
だから、すこし注意して見れば、すべての生き物に同様な性質を見出すことができる。  
ただ、人間はそれを意識することができ、「社会」というものを何層にもわたって構築してきたことがユニークである。

落ちこぼしの問題など、浅井さんが書いておられることに同感します。  
ただ、「その子にとって分かる方法」をだれがどのように見つけられるのかは、自明の解があるわけでないことが問題ですね。

またいろいろ書いてみてください。 とりいそぎ、お礼まで。

 浅井 訓臣 さん  ==> 中川 徹   2016. 4.23    「自由 vs. 愛」について

「その子にとって分かる方法」とは:
日本の改悪前の教育基本法に学び世界一の学力社会をつくったフィンランドは共同学習を指導法に取り入れ個性豊かな子ども達が多面的なものの見方、考え方、感じ方を共有できるようにしたそうです。 そして互いに尊重しあう人格形成にも役立っているそうです。  

市場経済は資本家にとっての原理は利潤が第一です。  
医療・介護・子育て・教育を市場経済の自由にまかせれば弱者は大変なことになります。  
国民の生活を守る国の責任で税金を再配分してだれでも安心して利用できるようにする社会権を憲法で権利として保障しています。  
国が弱者を市場経済から守るために、市場経済の自由の権利を民主的に規制する―弱者の立場 (愛)でシェクスピアのベニスの商人から国民を守る民主的ルールを創造(税金を再分配して国が支える仕組み)しました。  

<自由と自由の対立について>  
人には〜する自由とされない自由(自由権)があります。
言論の自由としてのヘイトスピーチは許されるのかを判断する基準を日本国憲法に求めれば「国民は全て個人として尊重される」「公共の福祉に反しない」「平和的に生きる権利」などが思い当たりますが、これも弱者の立場(愛)で考えればよく分かります。

自由と愛は対立しません。愛は他者を傷つける身勝手な野蛮な自由から人間を解放する力をもっています。

 


   『TRIZホームページ』更新(2016. 4.29 付け) 

社会問題: 論考: 「自由」 vs. 「愛」 (中川 徹) を英訳して、英文ページに掲載

 


   『TRIZホームページ』更新(2016. 5. 8 付け) 

USIT適用事例集 と 「6箱方式」 (TRIZ シンポ2015) ; USIT: 6箱方式をパラダイムとする 創造的な問題解決のための簡潔なプロセス (日本創造学会研究大会2015) ; 読者の声(国内、海外)

 

 高山直彦 さん ==> 中川 徹  2016.5.11

いつも、様々な視点での論考、ありがとうございます。

「自由」Vs.「愛」について、  

私自身、「下流老人」についての疑問が深まるばかりです。

最近、幸田露伴の「努力論」を読んでいるのですが、その中ででてくる 惜福、分福、植福 がこの問題の解決に役立つことと思います。

1. 惜福、福を大事にする心が、全ての人にとって大切です。  

この心がない老人に対しての考えが、星一つになるものと思います。  
一方、乱費するような人が一方でいますが、これが星五つになるのではないでしょうか。

2. 分福、福を分かち与える心が、全ての人にとって大切です。  

分かちたくなるような老人がすべてではないという考えが、星一つになるのではないでしょうか。
自分の福をため込み、困った人を助けない人がいること、これが星五つの根源ではないでしょうか。

3. 植福、福を育てる心が、すべての人にとって大切です。  

福を提供されるのが当然としてむさぼりつくしていると見えるのが、星一つ。  
将来を考えて、福と付き合っていない人が多いのを嘆くのが星五つ。  

幸田露伴は、努力を直接の努力と間接の努力を上げて、間接の努力を怠って 直接の努力ばかりに走って失敗しているのが世の常と指摘。間接の努力の大切さも言及しています。  

この話と共に、私が大学で教えている技術者倫理にも通じるところが あるものと思いました。様々な事故に隠れた人々の行動黒白がはっきりしたものではありません。
これが、下流老人の話にも現れているものと思います。

  中川 徹 ==> 高山 直彦 さん   2016. 6.6

ずっと前にメールをいただいており、ありがとうございました。返信していずにすみません。

前にも読み、今も再度読み直してみたのですが、おっしゃっている趣旨がよく理解できません。

この本を「星一つ」と判断する人の考え方は、(露伴の言葉の理解を前提にして)高山さんの言っておられることはその通りと思いますが、「星五つ」と判断する人に関して高山さんが言っておられることがまったくわかりません。

 高山直彦 さん ==> 中川 徹  2016. 6. 6

自分の書いた内容を今一度読み直すと、私自身は「星五つ」としている人の考え方が理解できていないことがわかりました。どうしても私は、「星五つ」の 考え方が納得できていません。  

自分自身の将来を考えた場合、「下流老人」になるとしたら、以下のような 考え方、行動によるものと考えています。

現在、給料が60歳になり、半分に減っています。ここで、今までと同じレベルの生活を望み、消費をすれば、破綻するでしょう。  

このことを理不尽と考えるかどうかですが、反論できるほどの能力が私にはありません(反論できるということは、私の能力が正当に評価されていないと嘆くことにつながりますが、評価は他人がすることでもあるので、愚痴でしかないのではないかと思います)

以下の点も悩ましいところです:

・ 本当にセーフティーネットが必要な人はどの程度いるのでしょうか。このことが 付きまとっているものと思います。

・ 現在の東京都知事のような行動を行っている人がいる限り、不平等感はいつまでも 続くのではないでしょうか。でも、この感じは、解消されることがないようにも思えます。「人々が平等に幸せな世界」を実現するための取組が、時間がたつと、不平等になっていくのは、歴史が教えてくれているのではないでしょうか。

・ 福沢諭吉の「学問のすすめ」のように、そもそも人は平等にこの世に生まれてきていません。

 


 中川 徹   (日本創造学会主催 「クリエイティブサロン」講演会 5月14日 の報告)

日本創造学会主催 「クリエイティブサロン」講演会
2016年 5月14日(土)13:00 〜 15:00 (第一部)   日本経済大学大学院 246ホール

「創造的な問題解決のための一般的な方法論(CrePS) -- 新しいパラダイム:6箱方式;簡潔な一貫プロセス: USIT」  (中川 徹)

5月14日のクリサロの第一部の講演では、表記のように非常に包括的な話をしましたが、話の内容は明確なものです。最初のスライドは、「問題提起と結論」でした。

問題解決/課題達成を創造的に行うための方法が、永年に渡って研究され、多数の多様なものが開発・実践されてきました。しかし、現在それらはバラバラで、例えば、「高等学校で一学期間の授業をする」標準的な内容は作れていません。「創造的な問題解決の方法の全体をまとめることができないのか?それをまとめる骨格になる方式(パラダイム)がないのか?統合した一般的な方法論はどんなものか?それを簡潔に実践するプロセスはどんなものか?」というのが、問題提起です。

私の結論は、「まとめることは可能だ。「6箱方式」を骨格にすると、創造的な問題解決の一般的な方法論ができる(CrePS(クレプス)と命名)。簡潔に実践する汎用のプロセスは、USIT(ユーシット)として開発済みである」というものです。

私はまず「6箱方式」を説明し、それを導いた歴史的展開を話しました。従来の科学技術一般と創造性技法が土台にしている抽象化の「4箱方式」の問題点を話し、TRIZとUSITの研究を経て、CrePSができてきたこと。「6箱方式」は言われてみれば「当たり前」であること。1999年からUSITを導入・実践しており、そのマニュアルと適用事例集を説明しました。

活発に40分の討論がありました。その中心は、問題を明確にする最初の段階が問題状況と分野に依存しており、特定の技術課題ではない場合の難しさ、非技術の分野への適用の可能性/やり方などでした。 TRIZをビジネス分野にも適用している人たちはいろいろいます。最近、私は『下流老人』(藤田孝典著)の論理の「見える化」をし、「自由 vs. 愛」が「人類文化の主要矛盾」だと認識したことを、CrePSの適用例として話しました。詳しくは、『TRIZホームページ』をご覧ください。


 

 貞廣 哲 さん  ==> 中川 徹   2016. 5.16

先日はご講義ありがとうございました。 先生の講義を聴講するのは2010年12月18日に開催されました 日本創造学会第5回創造性研究会以来でした。 あれから5年半ほど先生のホームページ、先生からのメールを 参考にさせて頂きながら、色々考えておりました。

今回、初めてお会いでき、また話をすることができ、 たいへん貴重な時間となりました。ありがとうございます。
今回の先生の講義を聴講して、 すーっと先生のご説明される内容が 自分の頭の中で整理されて納得しながら理解できたのには、私自身、驚いております。

今日現在、私は思うのですが、 「発明は必然で生まれ、そして法則性を有している。」と。 確信とまではいきませんが、強くそう思うようになりました。

先生にご質問させて頂いた 「先生の6箱の思考の世界においては、言語を使用しないのではありませんか?」 について、参考のURLをお送りします。 久野敦司さんのURLです。この方は長年、知的財産に携わっている方です。 http://www.patentisland.com/philosophy3.html

恐縮ですが、私もエンジニア時代に開発した発明品を思い出すと、 思考においては(ほとんど)言語を使用していなかったように思うのです。 そういったわけで、質問させて頂きました。

その他、CrePSは英語の何の略称となるのでしょうか?

(追伸) 帰宅して、先生の講義の話を妻にしていたところ、 「下流老人」の本と問題となっていることを知っておりました。 “助ける”について勉強してみます。 ありがとうございます。

  中川 徹 ==> 貞廣 哲 さん   2016. 5.16

(日本創造学会の「クリエイティブサロン」)クリサロでお会いできて、嬉しいことでした。 私の話がすーっと理解できたとのこと、嬉しいですね。

> 「先生の6箱の思考の世界においては、言語を使用しないのではありませんか?」

私の「思考の世界」という言葉が良くないのかなと思いました。  
これは問題を解決するために、考えを進めていく世界なのですが、個人の頭の中の世界ではありません。各個人が考えたもの、あるいはグループで作業しながら考えたものをすべて書き出して、一歩一歩議論しながら進めていく作業の世界です。  

おっしゃるように各人の頭の中では、言葉や文でなく、もっと直感的に図などをイメージしているでしょう。それを書き出して進んでいくのだ、といっています。

CrePS」は、「Creative Problem Solving」の略、もっときちんというと、「General Methodology of Creative Problem Solving / Task Achieving」の略で、私が作った方法論とその略称です。「CrePS Methodology」などとも書いたりしています。


 

  某 さん (某社)  ==> 中川 徹   2016. 5.16

いつも情報提供いただきありがとうございます。 一昨日のクリエイティブサロンに参加しました。

社内の発明創出活動でTRIZを使いたいと思っているのですが、社内のみで古典的TRIZを 扱うのは難しく、TRIZをソリューション化したパッケージを検討してみても費用が高価で (導入のための教育だけで百万円くらいの見積もりになってます) 導入できず、という状況です。

最近は、発明原理など工数を掛けない教育だけで使えそうな部分のみ使おうかと考えたりしています。 高木芳徳さんの『トリーズの発明原理40』等が参考になりそうと考えています。 今後もよろしくお願いします。

  中川 徹 ==> 某 さん    2016. 5.16

クリエイティブサロンで講演させていただいたのは、ありがたい機会でした。

TRIZ関連の導入をお考えになっているのでしたら、CrePS/USIT を導入されてはいかがでしょうか。お呼びいただければ、私自身がトレーニングセミナーなどをさせていただきたいと思っております。

導入にはいろんなやり方があります。
   (a) 導入のための講演&討論 (2-3時間程度)
   (b) 御社の実地問題(1-2件)を使った、USIT実践トレーニングセミナー(2日間)
   (c) フォローアップミーティング (半日または1日)

この(b)が主体とお考えください。実地問題を使いますのは、本当に真剣に考えて、いままでうまく解決の方向を見いだせなかった問題を解決する手掛かりをつかんだということを実感・実証するためです。  
(b) では、技法の初心者でも、そのやり方を理解し、問題解決のプロセスを実体験できます。  

(b) を違うテーマを使いながら 3回実施すると、その間に技法の有効性も実証でき、御社の推進担当者(貴殿)が技法をマスターすることができて、社内定着を図ることができます。 実際に始めるには、守秘義務契約などを交わしてから、行っています。

貴殿のメールに費用のことが書かれていましたので、書きますと、(b)の2日間セミナーを n十万円でいたします。参加者は、10〜15人程度。  

(a) はずっと多くの人たち(管理職の上の人たちも)に参加してもらい、全体的な理解を作るのに有効です。

なお、「古典的TRIZ」の導入はお勧めしません。  
CrePS/USIT + 技術・特許の意味検索ツール(某社のソフトなど)というやり方は非常に有効と思います。
(TRIZの技法はそのままでは使わない。 USITにもっときちんと [そして簡潔に] 取り込まれていますから。)

 


 

中川 晃 さん ==> 中川 徹   2016. 5.23   「自由」と「愛」― 「個人」と「社会」について、4/21貴論考を中心に

『TRIZホームページ』の頻繁な更新・丁寧な紹介、いつも眺めています。

問題解決の思考方法の適用例として、この問題に着眼されたのは素晴らしいことです。『下流老人』の「見える化」のパンフレット送付、ありがとうございました。

藤田孝典著『下流老人』をベースにして、「日本社会の貧困を考える」という貴稿については、本来は原著を読んで話をするのが正しいのですが、「TRIZ創造的問題解決の方法」の適用例として、社会問題を「見える化」した図式が提示されていますので、敢えて原著を読まずに、思うところをお伝えします。

(1) 「見える化」のパンフレットについて

「見える化」のパンフレットについては、最初は、各「札」の色付けの意味が良くわかりませんでした。札と札を結ぶ矢印には、P13に色と方向に持たせた意味が解説してあり、お考えの事がつながってようやく分かってきました。再再読して、P14に札の色の意味が解説してあり、ようやく頭に入りました。始めに、凡例として出されていないのは、何か考えがあるのでしょうか。再再再読をしました。

返答 (中川 徹): 繰り返し読んでいただいて、ありがとうございます。「札」の色付けについては、あまり統一できていません。

通常の章(特記していない章)では、個別の事項(文/論点)をまず黄色の札(四角形)にし、それらをまとめた表現や重要な札を赤色にし、さらにグループ化して「枠」(丸四ぼろ角形)に囲みました(そのとき、赤札の多くは枠のタイトルに変わっています)。また、特別な観点の事項を青札にしたりしています。このようにして作った図をさらに簡略化して、冊子に載せた図にしていますが、その時に色の再統一ができていません。

4章は議論が複雑で、複数の異なる立場/観点からの議論を区別するために、凡例に書いたように色分けを積極的に使いました。また、3章以降では、矢印(特にブロック矢印)の色で意味を使い分けています。

(2) 大病を患って思うこと

実は私は10年前に大病にかかりました。

私はそのとき、定年まで勤め上げ、ボロ養鶏場を再建し、終えたときでした。これからの時間はすべて自分のために使えると思って3ケ月ほどした頃でした。突然私は特定疾患の「再生不良性貧血(脊髄での造血不良)」に襲われました。無菌集中治療室で、自分が造れないものだから、他人様の血を絶えず輸血してもらいながら、生き延びました。余命5年といわれていましたが、あれから10年になります。最近では、年相当の加齢による老化現象はあるものの、「血液」は薬のお蔭で日常生活の最低限を維持できる状態にいます。

発病した時、私は、「マイナスの宝くじ」に当たったと思いました。入院・治療費は500万円ほど、2回目のときは100万円ほど必要としましたが、国指定の難病・特定疾患のため、入院中の食費を含めて、6,000円/月の自己負担で済みました。現役時代は天引きされる社会保険料の多額さに悪態をついたものですが、セーフティ・ネットのありがたさをつくづく感じたものでした。

特に、元旦に採取したという血を輸血してもらったときには、涙が出ました。毎年私が酒を飲んでいたときに、献血を志した人がおり、赤十字の職員が働いていてくれたことに、ものすごく感動しました。助けてもらう自分が他人様のお役に立つことを、何もしていないことを恥じました。

現在は、月1回の外来血液検査と、免疫抑制剤とで月に約10万円かかりますが、本人負担は5,000円/月で、残りは国民健康保険でカバーしてもらっています。今年の確定申告で、控除医療費の計算をしましたが、私が1割負担、妻が3割負担で、合計25万円ほどになりました。もし国民健康保険がなければ、とんでもない金額になります。

(3) 日本の年金制度の変容とその破たんの要因を考える

『下流老人』では、社会的に無用またはお荷物になった老人が、頼るべき、身内・財産・収入・他人様を失うことによって、下流化することが述べられています。そして、その状況が今後ますます悪化しつつあること。そして、その解決策は、個人の責任を超えて、政治にあること、が述べられていると思います。そのとおりだと思います。

しかし、それとともに、(云っても無駄だといえば、そうですが)、なぜこうなったかを知り、解決策の一つの助けに考えてみたいと考えます。それが、「経済学」を専攻し、農協や企業の中でその知恵を基礎に、生活をさせてもらった者の「雀百まで」の古い知恵かと思う次第です。

日本の年金は(軍人に対する恩給を別として)、概要以下のように発展してきました。

1959年、低所得者の老人に、全額国庫負担で「養老年金」が制定された。

1961年、国民皆年金制度発足。国と20才以上の国民が掛金負担。

1985年、基礎年金制度+厚生年金+職域共済年金の3階建てに。受給資格は、25年掛金を支払った者に、60才(現在は65才)から受給権が生じる。

2011年、厚労省の説明によれば、当時40才を境目にして、それ以上の年齢の人は受取額>掛金支払額、それより若い人々は受取額<掛金支払額。

昔は、国の運営する年金は、民間の貯蓄や保険と同様に自分のために、掛金を払い、国や企業がそれを助成するという考えでありました。しかし、1990年 代末に、低金利時代に入り、年金資産の運用難から、、それまでの予定利回りで「確定給付型」の年金が、もう約束はされず、「確定拠出型=受給額は運用益次第」になりました。現在では、賦課金、つまり、現在の受給者のために払わされるものと変わりました。その結果、若い人たちにとっては、自分が受取る立場になったときには、そのように支えてくれる世代の人口が少なく、いまよりもわずかの額しか受け取れない。それでは払うのがバカバカしい。そのため、現在の年金掛金の未納者は、約4割ということです。

そのため、企業は天引きを止めて、運用を個人に任せることにしました。言葉はかっこいいですが、「原資を給料に含めて渡しますので、消費・貯蓄・保険・年金積立などいずれに廻すかは、自己判断でやってください。自己責任で運用してください。。会社はタッチしません」。会社は、終身雇用を護る「正社員」にはきちんと年金制度に加入しますが、使い捨ての、非正規・派遣労働者については、原資を渡した振りをして、「加入は、個人の意思だ」と、とぼけるようになりました。その結果日本は、国民皆年金を謳いながら、国民の4割が未納、対策は「消費税増税」のみという状況になりました。

低金利とファンドの競争が、年金財源を破壊したのです。

(4) 人間と社会性: 「愛」こそが第一原理 

第2次世界大戦を戦った国は、日本に限らず同じような人口構成にあります。一番ひどいのは韓国で、次いで一人っ子政策の中国、そしてロシアと聞いています。人類の歴史において、子供・大人・老人とつながる「社会」を発展させ、少なくとも「社会」の崩壊を喰い止めることが課題であります。我々の世代にとって重要なことは、次のそしてその次の世代に何を遺してやれるかということだと思います。

貴論考には、子供が欠落しています。私には、子供もいず、孫もいません。子育てについてお話しする資格に欠けています。でも、人間と社会を対立としてとらえるのは、間違いと思います。

人間は、丸裸の「赤ん坊」として、生まれてきます。そして成人後であっても、僅かの頭髪・眉毛・陰毛・脛毛が生えているだけで、自分を守る毛皮を持っていません。母親をはじめ、家族・社会がその代りをし、牙や角の代わりに打製石器や棒や火を文化として伝承し、それを教育として受けることで、人は、生活の糧を得ることができるようになりました。

人類学によると、アフリカの東部の森林で(つまり、木を掴んで木の上で)生活していたが、大地溝帯の出現により、その東側が乾燥し、木が育たず、やむなく、平地を2足歩行するようになったのが、700万年前の猿人です。360万年前には原人が現れて、200万年前には打製石器の使用を覚え、50万年前にはクロマニオン人が、ネアンタール人が、20万年前にはホモ・サピエンスが現れ、全世界に拡散していったといいます。

アボリジニがアジアからオーストラリアに渡った時は5〜2万年前で、それ以降アジアとの交流を持たなかったようです。アボリジニは、動物の毛皮を着ることも、弓矢も土器も知らず、放浪採取・狩猟民族として、簡単なキャンプを作り、赤ん坊は母親が木の皿に入れて運び、道具としては、この木の皿とつるで編んだ頭陀袋と、種火と堀棒(槍にもなる)と飛び道具としてはブーメランを発明していました。言語はいつの頃からかあったようです。

人間が自活できるようになるには、体力の増強と、社会的知識と知恵を、少なくとも12歳ぐらいまで、習得しなければなりません。他の動物と違って大変長い子育て期間を要します。成人するまでの間、社会が保護し、教育しているのです。

人間が、社会性を獲得したから、猿と違って全身に毛がなくとも、母親にしがみつく握力がなくとも、立派な成人になることができます。仕事をするのは、それからです。

つまり、人間にとって第一原理は「愛」・「社会から受ける恩恵」であり、「自由」・「競争」・「社会への働きかけ」は遥か後の成人後の原理である、と私は考えます。

蟻や蜂と同じように、「社会性の獲得」こそ、人間を人間たらしめている第一原理です。

(5) 人口構成の変化の世界史的な意義

人間の生理は、700万年の間に、多産多死に出来上がっています。男はいつでも発情し、女は、月に1回妊娠可能となっています。医学・衛生の進歩は、幼児の死亡率をまず下げ、次いで、結核や虫歯や天然痘・ペスト・コレラを克服し、近代から現代にかけて寿命が延びました。多産少死の時代が始まったのですが、低開発国ではまだその段階が続いています。

先進国では、出産の主導権は、ピルや避妊法を学んだ若い女性の自由意思に移り、特殊出生率が1.3程度に低下して、社会の単純再生産を大きく下回る状況になって久しくなりました。つまり少産少死になったのです。

出産が若い女性の自由意思によるにも係わらず、彼女らを安い労働力としてしか見ない男性社会が、社会を復元できないようにしています。

人口推計をみると、この人口構成は、ますますひどくなってくるのが分かります。今の若い人たちが老人になるとき、賦課金や生活保護財源を拠出して支えてくれる者がますます、少なくなります。

(6) 老年世代の覚悟と隠居村

社会的に無用またはお荷物になった老人が、頼るべき身内・財産・収入・他人様を失った場合、放浪採取・狩猟民族のアボリジニやネイティブ・アメリカンは、動けなくなった人を置き去りにしました。農耕定住生活をするようになってからは、介護をし、そして、姥捨てもしました。

若い人や働き盛りの人は、社会の維持にとって、重要です。彼らが老人を介護するために働くことは、社会にとって損失です。我々老人は、自分の体力・知力を最後まで使って「老老介護」を行ったうえで、後のことは、若い人や働き盛りの人に委ねる覚悟が要ります。所詮、その身の上は、やがて、彼らの辿る運命になるからです。

今の老人は、財力がある人が、それを使って優雅な医療と介護を受ける。それは所得・財産の世代間譲渡になるからいいことです。しかし、すべてを失った人は、孤独死か、生活保護を選ぶしかありません。

私が住んでいるのは、1970-80年ごろ宅造された、札幌のベッドタウンです。丘陵地帯に建てられた人口3万の道営住宅は、空き家が目立ちます。歳を取ると車の運転ができない、冬の除雪もできない。子供たちは、札幌の便利なマンションに住み、寄り付かない。小学校はどんどん統合・閉校される。静かな街になりました。ほとんどの住民は、元サラリーマンで、現在は年金生活者です。

私の子供の頃、故郷の近江八幡は、若者が京阪神に居を移し、隠居村でした。だんだんそれに近づいて行っています。

老人が、高い家賃を払って、都会に住む必要はない。どうせ、歯が抜けるように、消えていくのなら、そのような人々が互いに寄り添う、気候のよい集落を自らの残った資産を投じて創ることを始めたらいいのでしょう。

生活保護の費用負担は、現在、国が3/4、地方が1/4ですが、国はこれを、国1/2、地方1/2へと改定することを考えているようです。新しいふるさと納税制度(ついのふるさと)と併用で、隠居村つくりを考えてはどうだろうか。亡くなっていく方が、残った財産を、次の人のために渡していくのが、良いと思います。各地に散らばったままでは、マイノリティで一人悩むことが続くでしょう。

  中川 徹  ==>  中川 晃 さん   2016. 5.25

5月23日発信の手紙をいただきました。 いろいろきちんと書いてきてくださって、ありがとうございます。 わかりやすく、淡々と、また素直に心情を書いてもらっていると、うれしく思っています。大病のあと、元気になられて、なによりです。

書いておられること、大体はわかりますが、少しだけコメントさせていただきます。

赤ん坊でも成人でも、自分がまず生き物として「生きる」 ことが第一に必要なことであり、それが「自由」の概念の 根底です。

子供を産み、育てること、そして助け・守ること(「愛」)は、生き物として命をつないでいくこと、種を存続させること に必要なことです。その意味で第二原理と考えています。     

もちろん両方ないと生きられませんし、種としても存続できません。

自由と愛が対立する(矛盾する)といっても、それらが全くばらばらでいつも対立しているのではありません。 その対立を調整することがしょっちゅう行われていて、バランスを取りながら進んでいるのです。

「見える化」の図で、色や枠/札の区別などは、必ずしも全体で 統一がとれていません。上記に返答として挿入しました。

 


   『TRIZホームページ』更新(2016. 5.31 付け) 

USIT: A Concise Process for Creative Problem Solving Based on the Paradigm of 'Six-Box Scheme’ -- USIT Manual and USIT Case Studies - (中川 徹、ETRIA TFC2015) (英文スライド、拡張原稿、論文)

 

  片平 彰裕 さん ==> 中川 徹   2016. 6.1

1.札寄せ用具の第5版を公開しました。

先生からのリクエストによる「選択したセルを札にする」機能も盛り込みました。  

また、セルを札に書出すときに、「札化」という名前のシートに書出すことにしました。今までは毎回新しいシートを作って書出していましたが、「札化」シートが既にあれば、そこに札を追記することとし、なければ「札化」シートを新設して、そこに書出します。既存のシートの名前を「札化」に変更すれば、そのシートに書出します。  
「札化」シートには、セルに何か記入されていても、図形があっても、そこに札を追記します。したがって「札化」シートのセルに書かれている内容を同じシートに札として書出すこともできます。

2.第一考舎については、移転準備をしていましたが、移転先の第一考舎を公開しました。  

新URL: http://dai1kousha.html.xdomain.jp 。 ( 旧URL: http://members3.jcom.home.ne.jp/dai1kousha )

デザインを変更しましたが、ページ構成は、新旧同じです。   

札寄せ用具のダウンロードは    
   http://dai1kousha.html.xdomain.jp/zukou2.html#fudayoseyougu  
   英語版は  http://dai1kousha.html.xdomain.jp/zukou2-e.html   

6月中は同じ内容で新旧が共存します。旧第一考舎は、7月から新第一考舎への移転案内だけにします。  
そして来年2月にJCOMのWebSpaceサービスの終了に伴って、消滅することになります。  

お手数をお掛けして申し訳ないのですが、TRIZホームページから第一考舎にリンクして頂いているURLの変更をお願い申し上げます。  

  中川 徹 ==> 片平 彰裕 さん    2016. 6. 1

(出張で来ています和歌山県海南市の)ホテルからアクセスできましたので、5.00 版の説明を読ませていただきました。  

操作法を図だけで説明しているのは、素晴らしいですね。よくわかります。

(5月20日に、私のWin 7 のパソコンを、マイクロソフトが「勝手に」Win10に書き換えてしまい、いろいろ困りました。その後10日ほど、いま)Win10をいろいろと使ってみています。まだ思わぬところで苦労しますが、全体的にはよくできているように思っています。

マイクロソフトは横暴を通しながら、それでも「勝者」であり続けているのが、すごいことだし、困ったことです。

とりいそぎ、お礼まで。

 


   『TRIZホームページ』更新(2016. 6.11 付け) 

 「USIT: 6箱方式をパラダイムとする 創造的な問題解決のための簡潔なプロセス −USITマニュアルとUSIT適用事例−」 (中川 徹)(日本創造学会論文誌(2015)掲載)、「読者の声」国内、海外、「新版矛盾マトリックス Matrix 2010 A2サイズシート2枚組を単品販売開始」 

 

  Shahid Saleem A. Arshad (豪) ==> 中川 徹 2016.5.18     和訳掲載 (2016. 6.20、中川)

藤田孝典著『下流老人』の本についての考察、大変ありがとうございます。また、あなたの考えをさらに進めて、「「自由」 vs. 「愛」: 人類文化を貫く主要矛盾 ― 『下流老人』に対する人々の議論を踏まえ、その根底を考える」という論考を書かれています。

あなたの時宜を得た、本質に迫る努力をサポートして、私が思うことを以下に記します。ここには単にアイデアあるいは方向を書いており、他の人たちからさらにしっかりした寄稿が得られるきっかけになればと、思います。

1) 基本: 中川教授が、まず最初に輻輳した問題をその本質にまで単純化し、そののちに他の方向に進んでその真の原因を見出していることは、その優れた知性を示している。その本質を、彼は「自由 vs. 愛」と呼んだ。「自由」とは、ますます競争が激しくなる世界において、自分の成功を追及する自由を含意する。「愛」は「利他」を含む(「利他」あるいは「無我」は、他者の幸せを大事にする原理あるいは行動である)。かくて、主要なテーマは、これら二つの望ましい要求(状況)の間のバランスの問題であり、現代においてはその不均衡がますますひどくなっている。

中川はこの状況に関して、「われわれの社会は、その幼少期から個人的な成功をより好み、重視している」と判断している。子供の両親たちは、クラスの他の子たちがどれだけよくやっているかには関心がなく、自分の子供が他に比べてどれだけよいかを知りたがる。この幼少期のパターンがその後の仕事人生の方向づけを与え、制約が限定されるにつれて競争がどんどん厳しくなっていく。

「他者を顧みることや我を捨てることは、通常二次的な役割しか果たさず、それに比べて、われわれの競争に勝とうとする性質が強く、それが最も優位である」と彼が指摘しているのは、まったくそのとおりである。

 [以下に、社会システム、特に資本主義経済システムの問題を論じていますが、ここにはまだ訳出していません。

このArshadさんがいっていることは、中川の意図を的確に述べていると思います。今後の多くの方のご意見をお待ちします。(中川、2016.6.20)]

 

 

本ページの先頭 ホームページ更新(2016. 4. 7) ホームページ更新(2016. 4.21) ホームページ更新(2016. 4.29) ホームページ更新(2016. 5. 8) ホームページ更新(2016. 5.31) ホームページ更新(2016. 6.11)  

「読者の声の索引ページ」

英文ページ

 

総合目次  (A) Editorial (B) 参考文献・関連文献 リンク集 ニュース・活動 ソ フトツール (C) 論文・技術報告・解説 教材・講義ノート (D) フォーラム Generla Index 
ホー ムページ 新着情報   子ども・中高生ページ 学生・社会人
ページ
技術者入門
ページ
実践者
ページ

出版案内
『TRIZ 実践と効用』シリーズ

サイト内検索 Home Page

最終更新日 : 2016. 6.20    連絡先: 中川 徹  nakagawa@ogu.ac.jp